一緒に行きましょうそうしましょう
今回説明臭い回です、見どころは余りありません・・・。
背景描写?知らんなぁ・・・(書けない)
「あ、ああ」
「二・三日って・・・。えーと、あなた?君?は特に荷物を持ってるように見えないけど」
「リデラ・ノーツン、リデラでいいぞ。荷物と言われても・・・、山に入るんだ、魔袋を用意するものだろう?」
"まぶくろ"・・・?もしかしてその腰につけてる巾着が魔法で出来てていっぱい収納できちゃうー!みたいな何でもありな感じか?
「もしかして知らないのか?見た感じ、旅に必要な物を何も持ってないようだが」
何か納得がいったようで、納得のいかない微妙な顔をしたリデラ。まあそりゃ荷物も持たないで町から二・三日もかかるような場所にいるんだからどう考えてもおかしいな
これは何か良い良いわけでも・・・
あ、そうだ
「実は俺、記憶喪失なんだ。名前は思い出せるんだが、その他にどうやってここに来たのかとか一切覚えて無くてな・・・」
悲壮感たっぷりの表情を作って俯くようにしてリデラに訴えかける
でもそこはどう考えても素人丸出しの演技、さっき騎士がどうとか言ってたから敵から情報を聞き出したりするのに嘘を見抜く訓練をしているかも知れない
「それは・・・、何と言ったらいいか。すまない」
(おいおい、騙されるのかよ)
どう考えてもこちらの演技に合わせるような物じゃなく本気ですまなさそうな顔をするリデラに思わず良心が痛む
他の言い訳を考えればよかったと思っていると、そういえばとリデラが話しを切り出した
「記憶喪失と言ったが、さっきの山賊を仕留めた攻撃は何だ?魔法の詠唱は聞こえなかったし、弓も持っていないように見えるが」
うーん、どう考えてもオーバーテクノロジーの銃を出すのは問題な気がするけど
どうせ剣と魔法の世界ではそこまで武器製造の能力は高くないだろう、どんな魔法があるかわからないけど、火の玉を出したりすることができるなら遠距離攻撃については問題無いって事だろう、弓を進化させた遠距離武器を作ってこなかったと思える辺り到底銃を見せても作れたもんじゃないだろう
と、なればこの興味津津と言った顔でこちらを見ているリデラにネタばらしをすることにしよう
「ああ、それはだな、こうやって・・・」
さっきの一件でわかった武器の出現とその収納方法、それはイメージだ
先ほどM9を出した時についでに用意しようと名前だけ聞いた事のある武器を出そうとしても無理だった、でもゲームで実際に使っていた物をイメージすると簡単に出現させる事が出来た
まあそんな事やってる間にリデラの鎧を脱がされそうになった訳だが
閑話休題、イメージするのはさっきと同じM9のサプレッサー付き
ハンドガンは小さいせいか光から武器に変わるのが早い気がする、イメージをして三秒と経たないうちにイメージ通りの物が出来上がった
ちなみにM249の時はなんだかんだで「じゅううううううびょおおおおおおお!」くらいかかった気がする、いや気のせいかも知れない
閑話休題
「実はたまたまこうやって魔法で武器を出す事が出来て・・・」
リデラの方を見ると驚いた顔をしながら震えていた
え、もしかして魔法で武器を出すとか無い?
「お、おおおおお前!そ、その光はアーティファクトでは無いのか!?そんなものをどうやって!いや、記憶喪失だったのだな・・・。いや、それにしてもそれは魔法なんかでは無いぞ!神性武器と言われる神が光で創造されたとされる武器だ!」
っべー、まじかよやっべーわー、魔法どころか神様の能力だったよこれ、まじやっべー
そういえばこの武器を出すとかいうのは一応チートの内に入るんだよな、だとすると神様がそのチートをくれたとか言ってたし神の武器とか言われても当然の事か
「まさか生きているうちにアーティファクトを見る事が出来るとは、こんなに小さな武器なのに人を殺すだけの力を秘めている当たり、流石はアーティファクト」
うんうんと一人で頷いているリデラ、人どころか大イノシシを倒せる武器を出せるんだぜ!とか言ったらどうなるのだろうか
「ところでその武器は一体どうやって使うのだ?」
まあ、当然の疑問だな
「こうやって、ここのトリガーを引くと・・・」
トリガー部分を見せ、銃口を適当な木に狙いをつけ、引く
するとパスン!と小さな発砲音が鳴り木の幹に穴が開いた
「なんと、魔法を撃ち出す事が出来るのか」
まあ実際は弾丸を撃ち出してるんだけど、そんな事を言っても通じないだろう、俺自身詳しい事はよくわからないし
「そうだ、魔袋も旅の用意も無いと言ったな」
「え?まあ、そうだな」
そういえば説明してるうちに頭からすっぽり抜けてた、そろそろ暗くなってきたし、流石に不味いかもしれない、完全に夜になると身動きが取れないぞ
「良い物を見せてもらって、何より山賊から助けてくれたんだ。町に戻るのは仕事の後になるが、その後でいいなら今から町に戻るまでの間食事などの手助けができるぞ」
「本当か!?助かる!」
やって良かった人助け!しかも金髪美女と一緒にいられるなんて、元の引きこもり生活からは考えられない状況だぞ!
でもさっき山賊の野郎二人に襲われたばっかりなのに、男の俺と寝食を共にするのは少しばかり怪しいな・・・
「ところで仕事ってのは何だ?戦闘なら役に立てるかもしれない」
「うん、実際のところその仕事の手助けをしてほしいのが本音なのだ」
ほら来た
まあ実際戦闘ならこの世界での俺の得意分野って訳だし何の問題も無いな
「私に魔法の心得があればいいのだが、この剣一本で王国騎士までのし上がって来たせいで魔法を習得する暇が無かったのだ・・・、だから魔物<重族イノシシ>を倒すのに近接攻撃だけではどうにも手間取りそうでな」
重・・・イノシシ・・・?なんだか俺が勝手に大イノシシとか呼んじゃってるやつで最近穴だらけにしたやつがいたような・・・
「その<重族イノシシ>は普通のイノシシが家畜の豚程度の大きさなのに対して、人の丈程の大きさと言われているらしい。その巨体と獰猛さから繰り出される容赦の無い突進に近づくのは至難の業だという噂だ」
どう考えてもあれは俺の身長177cmより大きかったですね、はい
「あー、リデラ?そのイノシシを誰かが倒してた場合は・・・」
「私に討伐任務が下されるまでは冒険者ギルドに張り出されていたが、誰も討伐出来なかったと言うしな。流石にそれは無いと思うが・・・。まあ特に困る事は無いな、寧ろ厄介な奴を倒してくれてありがたいな」
話しはそれだけか?と言いながら歩き始めるリデラ
「とりあえず今日はこの忌々しい山賊の死体からさっさと離れて野宿の準備をしよう」
もう空は暗くなってきていて、木々が生い茂っているため視界が取りづらくなっていた。
今からの行動は確かに不味いとリデラの後を追う、イノシシについては後でいいだろう
途中のあれは言いたかっただけかと思われるかも知れませんが、イノシシの突進を避けつつ光の形状変化を観察していたので実際にそれくらいかかってるかも知れません