表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
side story  作者: 夜音沙月
PR
4/43

魔法

「強くなりたいって願う人がいるのに、強い魔力をもっているあなたが魔法を使わないなんて、失礼だと思わないの?」


そんなこと思わないと、否定の言葉を答えそうになったが、すんでのところで飲みこんだ。そのかわり、曖昧な返事をした。


「そうかな」

「そうだよ。だって、出来ることが沢山あるのに、それをしないなんて」


それは、おかしいことなのだろうか。


「そうそう。魔法を使いたくないからって、ただそれだけなのが、また酷いよね」


もう一人の人までもが、私を責めるように言ってくる。


(そんなに、酷いこと―――?)


顔は見えないが、それでも判った。横にいるタクトが、ふっと哀しそうに笑ったことが。


「そう……。うん、そうなのかもしれないね」


夜。城の屋上。

昼間の会話を思い出しながら、一人空を見ていた。

すると、ふっと背後から人の気配を感じた。私を心配する人の気配が。


「大丈夫だよ」


その人が何か言う前に、先に言った。


「……全然大丈夫そうにみえないのは、僕の気のせいかな」


今は一人にしてほしかった。そう思っていた、ハズなのに。それなのに、やっぱり声をかけてくれたことに感謝する。


「気の、せいだよ」


それでも、口から出てきたのは、心とは裏腹な言葉。


「気のせいじゃないね」


すぐに反対された。気付かれている。そう確信した。


「泣きたいなら、泣いていいんだよ? 我慢はよくないと思うんだけど」


そう言って、隣に移動してくる。

顔を見られたくなかったから、隣に来たタクトの胸に額をあてた。すると、そのすぐ後に、ふわりと抱きしめられる。


「傷ついたんでしょう?」


やっぱり、タクトは判っていたんだ。

私が、あの会話で傷つたことを。

あの人達にも悪気があったわけではないのだろうけど、無責任だと思った。勝手に私を悪い人、酷い人ように言っていたのだから。


「アヤは、大きすぎる力がどんなに危険なのかを知っている。だから、魔法を使うのがあまり好きじゃない。そうだろう?」


私はただ、怖いのだ。

自分の強すぎる魔力のせいで、人を傷つけることになるかもしれないということが。そんなのは、嫌だ。だから、誰かを守るためや助けるためだけに、魔法を使うようにしている。


「アヤは何も悪くないよ。必要な時はちゃんと、魔法を使ってる。自分でしっかり判断できてるんだから、大丈夫だよ」


上から降ってくる声は、すごく優しいものだった。


「ありがとう」


ちゃんと私を理解してくれていることに。

私を、慰めてくれていることに。



―――fin


…ひとやすみ…

ブログで頭の中をぐるぐるしだした創作の想像、もとい妄想を吐き出していたら、いつの間にかss一本分の長さになっていた呟き。それを加筆修正して、ssにしてみました。

アヤに魔法を使わせる時、いつも頭の中に置いておくこと。

『アヤは魔法を使うのがあまり好きじゃない』

本来は、本編の一番大切な話が終わったあとの設定ですが、その前から、アヤは魔法を使うのがあまり好きではないと、そんな気がします。

今回のこの話、実は何度も頭の中で想像しては書かずに忘れていく、というのを繰り返していた話でもあります。いつか書いてみたいと願っていた話だったので、執筆できて幸せでした。


書かずにいた理由…

・アヤとタクトの会話だけしか想像できずにいた

・書いても、自分が満足するような話をかけないと思っていた



ここまで読んで下さり、ありがとうございました*


初出:H24 5/25


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ