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side story  作者: 夜音沙月
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ゆっきーだるま

 前日から降り続いた雪は、翌日の朝に見事な雪景色を作り上げていた。

 いつものように執務室で大人しく仕事を進めていたアヤだったが、とうとう我慢がきかなくなったようだ。


「タクト、ちょうどキリがいいところになったから外に出てくるね!」


 タクトの返事も聞かずにペンを置いて執務室を出ていってしまう。その後姿を見送りながら、タクトは苦笑いを浮かべることしかできなかった。

 数時間経っても、アヤは戻らなかった。

 ちょうど仕事を終えたタクトは、城の庭へアヤを探しに出た。

 裏庭へ続く階段がある廊下へ行くと、その階段の両脇に雪だるまがいた。タクトがその雪だるまを見ていると、雪まみれになったアヤが子供のようにはしゃぎながら駆け寄ってきた。


「タクト!!」


 楽しそうに笑い、タクトの前で立ち止まる。そんなアヤの腕の中には、木の実やら葉っぱが入っていた。


「あとね、顔だけなの」


 「ちょっと待ってて」と言って、雪だるまの顔を作っていく。顔ができると、アヤは首に巻いていたマフラーを取り、目の前の雪だるまの首に巻いた。残ったもう一つの雪だるまにも顔をつける。そして、少しためらいをみせたあと、宙からマフラーを出現させて同じように雪だるまの首にマフラーをかけた。


「できた!!」


 そう言って笑う姿は、本当に小さな子供のようだった。そんなアヤの姿に苦笑しつつ、タクトは自分がつけていたマフラーをアヤの首へ巻く。


「タクト?」


 不思議そうに首を傾げるアヤに、まったく……と言うように息を吐いてみせる。


「風邪ひくでしょう? ほら、中に戻るよ」


 そう言って手を差し出すと、アヤは嬉しそうに笑い、雪がついた手袋を外してタクトの手をとった。

 数時間も外で雪だるまを作っていたアヤの手は、手袋をしていたのにもかかわらず冷えきっていた。


「タクトの手、あったかいね」

「ずっと室内にいたからね。まったく、いつになったら戻ってくるのか気にしてたんだからね?」

「ごめん、ごめん」


 然程悪いとも思っていない返事に、タクトは苦笑を浮かべることしかできない。


 ――まぁ、そこがアヤらしいんだけど。


「戻ったらお茶にしようか」


 呆れよりも、いつになっても変わらないアヤの明るさに、穏やかな気持ちがあふれる。そんな彼女らしさが、愛おしくて仕方がないのだ。



Fin.



…ひとやすみ…

 数年前に書いてあった話が出てきたので、執筆(清書)してみました(笑)

 大雪の日に実家に帰り、雪が積もったのが嬉しくて、はしゃぎつつ弟と雪だるまを作ったのが楽しかったので、ssにしてみました。もうすぐで成人するという時に、弟を引き連れて庭で雪だるまを作った時の私の精神年齢は、きっと小学生並みだったでしょうww

 「パラレルわーるど。」の彩は大人ですが、「さくら咲く季節」のアヤなら私のように雪だるまを作ってくれそうです。で、タクトは呆れつつもアヤらしさに微笑んで見守る感じです。

 最近、時間がなかったので夏休みという長期休暇で執筆できて楽しかったです。


本館掲載:H27 9/29


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