第1話
この作品は、実体験をもとにしたフィクションです。
それはある日の学校帰りの夜の事だった。僕は部活が終わり、学校から徒歩20分かかる駅まで歩いていた。道は車一台がぎりぎり通れる程度で、電灯も少ない、そしていつものように車の音と虫の鳴き声以外聞こえなかった。茶色の斜め掛けの鞄を右肩から斜めにかけ、暗黙の曇り空の下を僕は歩く。そして僕は、帰りにいつも前を通る赤い文字で書かれた「痴漢注意」の文字を今日はなぜか横目に見ながら歩いていた。赤く塗られた「痴漢注意」の文字の書かれた看板を通りすぎると、さっきまで全く聞こえなかった足音がすぐ近くでズザッ、ズザッ、っと鳴り始めた。この時初めて僕は背筋が凍るという思いを知った。というより本当に凍ってしまったように感じた。なぜなら、近くに人が隠れられるスペースなどそこには一切ないからだ。もし、看板の裏に隠れていたなら確実にずっと見えていたはずだし、後ろからずっとついて来ていたならさっきまでなぜ足音が聞こえなかったのか全然わからない。その時、僕の頭の中では2つの考えが交差していた。1つは先ほどの看板に書いてあった「痴漢」なのかという考えと、もう一つはこの世の者ではない何かという考えだ。後方から視線を感じて、怖かった。というより恐ろしかった。まだ後ろからはズザッ、ズザッ、という音は続いているし、早く駅に着いてくれという思いでいっぱいだった。駅の近くに出る細道を歩いていると、その足音は突然ピタリと止まった。僕は何かヤバい雰囲気を感じ取り、瞬時に後ろに振り返った。いなかった、誰も。足下から首筋にかけて鳥肌が立ち、それと同時に全身から力が抜け、僕はその場に崩れ落ちてしまった。しばらく、手は震えていたが、背筋は凍り付いたままだった。手の震えがようやく止まり、落ち着いた所で僕は立ち上がった。そしてまた駅に向かって歩きだした。ようやく駅に到着した。まだ恐怖は消えていないが、その時なぜか恐怖とは裏腹に僕はなぜか安心した。いつものように改札を抜けると、僕はその駅のいつもと同じベンチに腰をかけて電車を待った。この時僕はこう考えた、「さっきのは人ではなくて幽霊でもなくて、猫とかの動物だったんじゃないか?」って。僕は「納得」した。電車が到着して、ドアがゆっくりと開いた、まるで口を大きく開いた化け物のように。僕はその口に乗り込んで、すぐ席に座った。電車が出発し、ガタン、ギシ、ゴトン、キシキシと音を響かせて笑うように走り出した。数分が経過して、トンネルの中に入った。そしてそれと同時にさっきよりも増した、ヤバい感じがその車両を包んだ。でも、周りの人は一切そのヤバさに気づいていないらしい。音楽を聞いたり、新聞を読んだり、寝ていたりと。僕は、何か冷気を纏ったものが近づいてくるように感じて僕はトンネルの暗さで鏡みたいになった僕の席から見える、左前の窓に写る窓を睨みつけていた。すると、今度は血が抜けていくような感覚に襲われた。その窓に首のない白いシャツの男性がくっきりと反射して、隣の車両から僕の乗っている車両の方に向かって歩いてきていたからだ。でも結局来なかった。絶対に向かって来ていたし、ドアを開ける音もしたのだが、来なかった。気になって、音がしたドアを覗き込んで見てみたが誰もいなかった。僕はまだなにか起こるような気がしていたのだが、僕はその気持ちや恐怖を強引に振り払って電車から降りた。
この作品には続きがあります。でも飽きてしまった方はここでやめてください。
高校1年生が書いた作品のため文法がままなっていない事もあると思いますが、多めにみてください。




