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【2】中学生の大智~事故る

高熱でうなされるアラン少年の見る夢は…

【2】中学生の大智

 キーンコーンカーンコーンと午前授業終了のチャイムが鳴った。

「あれっ?」

 チャイムの音でぼんやりした頭の霧が次第に晴れていったみたいだ。そうだ、僕は中学生で授業を受けていたのだった。もしかして授業中に居眠りしていたのかな。

「やっと授業終わったよ~。」

「さあ飯だ飯だ!大智~食堂へ行こうぜ!」

「ウェ~イ!」

 と同級生に誘われた僕たちのグループは一斉に立ち上がって食堂に向かう。廊下はまだ混んでいない。幸い教室が食堂に近いのでそんなに並ばないでお昼にありつける。


 お盆を取って配膳カウンターに並ぶ。

「おばちゃん、きょうの定食は何?」

 とカウンター越しに僕が聞くと

「A定食が生姜焼き、B定食がアジフライだよ。どっちにするかい?」

「A定!」

「はいよ、生姜焼き定食ね。ちょっとお肉をおまけしておくよ。」

「おばちゃん、いつもありがとう!」

 食券と交換で定食が載ったトレーを受け取る。


 僕はこのおばちゃんと世間話をする仲なのでおまけしてくれた。僕は先生と話すのは緊張するけれど、スタッフさんとは普通にしゃべれる。用務員のおじさんとか警備員さんとか。偉ぶらない大人が好きだ。


 この学校は男子校で、ちょっとオタッキーな生徒が多く、僕も御多分にもれずオタク気質なんだよな。だから居心地がいいんだけれど。友達もみんな何かしらに凝っているオタクが多い。

「昨日のラノベ原作アニメの初回見た?作画がなかなかよくて期待できそうだよな。」

「うん、原作の世界観もくずれてない感じだし。1話切りはないな。」

 今日もオタク仲間とアニメ語りをしながらランチを食べた。


 ◇


 今日は塾の日だ。中高一貫校の中学生がどうして塾って普通の人は思うかもしれない。私立は学校で先取りしてくれるから塾は不要なんじゃないかって。でも実際は僕の学校なんか面白い授業はしてくれるけれど大学受験勉強はご自分でどうぞって感じ。半数以上の生徒は中学入学と同時に進学塾に通い出す。中学入試が終わったら楽ができる~って思っていたら大間違いだった。

「急がなくっちゃ」

 午後の授業を終えた僕は走って駅へ向かっていた。大寒の時期なので夕方でも吐く息が白く、冷たい空気を吸い込んだ鼻の奥が痛い。今日は学校のホームルームが長引いて塾の授業開始時刻に間に合わないかもしれない。怖い塾長の顔が浮かんで焦る。ちょうど帰宅ラッシュの時間帯だ。職場から駅へと向かう人が多く歩いている。この時間帯は駅に近い踏切が閉まっている時間が長い。いわゆる開かずの踏切状態だ。この踏切を渡らないと改札に入れない。


「開いているうちに通過しないと遅刻するな。でも走れば急行の通過前に渡れるはずだ。」

 ところがこの日は運悪く前の電車が遅れていたようで、いつもなら通過できるはずの時間帯に踏切が閉まっていた。

「クソっ!」

 と僕は思わず悪態をついた。突然冷たい突風が吹き最前列にいたご老人のかぶっていた帽子が踏切の内側に飛ばされてしまった。なんとその老人は帽子を拾おうとして踏切内へ侵入するではないか。


「ヤバい!」

僕は思わず老人を踏切から引っ張り出そうとして飛び込んで行った。

「ファーン!!」

踏切通過直前で警笛を鳴らして急ブレーキをかける急行電車。

「うわっ!」

その瞬間、僕は電車にはねられてしまった。老人を踏切の外へ突き飛ばした後で...。その瞬間は映画で見たようにスローモーションになるんだ。

「ああ、柄にもないことをして下手こいた。お父さん、お母さんごめん…」

と遠のく意識の中で呟いた。

あらあら人助けして死んでしまうなんて…


少ないながらも読んでくださる方がいて嬉しいです!しばらくは頑張って毎日更新を目指します!

午前7時に投稿します!

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