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【1】アランの高熱~熱が出る

前村長の息子にいじめられたアラン少年。倒されてしまって怪我はないのでしょうか。

 わたしは領主の三男アラン。兄様たちに比べて引っ込み思案でこれといって取り柄がない。体も弱い意気地なし。父様はこの領地を治めているが、前の領主が悪さをして領地を取り上げられたところを代わりに治めることになったらしい。前の村長はその領主と一緒に悪さをしていたので、父様が領主となった時に村長でなくなった。ただ父様は前の村長を追い出すことはしなかった。彼のした悪さも前領主に逆らえるはずがなかったのと、人材不足でもあったので。でも父親が降格された恨みから前村長の息子はわたしを目の敵にするのだ。


 わたしは痛みで動けず仰向けのまま涙で滲む空を見ながら考えた。わたしはまだ5歳だけど、貴族の子どもだったら7歳くらいになったらどんな大人になるか考えなくちゃいけないらしい。父様がよく

「アランは家を継ぐわけではないから剣の腕を磨いて騎士を目指すか、都会に出て商人になるとか、よく考えておきなさい。」

 と言う。


 そんなことを言われたって田舎から出たこともないので、世の中のこともよく知らないから無理だ。その内領都へ連れて行ってくれるらしいけど。第一騎士なんて絶対無理だ。こんなに弱虫なんだから。父様は僕がヘタレでも大目に見てくれている。そんな父様のお役に立てればいいんだけどなぁ。横になったままわたしはとりとめもなくそんなことを考えていた。背中はジンジンと痛みが続いている。


 ◇


 すると急に空が暗くなってにわか雨が降ってきた。しこたま濡れたわたしも背中の痛みが治まりやっと動けるようになって屋敷へ戻ったけれど、ずぶ濡れになってしまった。きょうは父様と母様は馬車でお出かけしている。メイドのコレットに服を着替えさせてもらう。濡れた服を着ていた時間が長かったからか寒気がした。そのままベッドにもぐりこんでいたら眠ってしまったようだ。


「アラン様、アラン様」

 遠くで誰かが呼んでいる。薄く目を開けるとコレットが覗き込んでいる。う~ん頭がズキズキする。目を開けているのが辛くて閉じてしまった。

「アラン様、お顔が赤いです。」

 と言ってコレットは額に手を当てた。

「まあ、すごいお熱。奥様!奥様!」

 叫びながらコレットは部屋を飛び出して行った。わたしは意識が遠のくのを感じた…。

高熱を出したアラン少年。病は回復するのでしょうか?

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