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【14】カルタ~続々・遊ぶ

前世のゲームを異世界に持ち込んだアラン。一つのゲームだけで満足できるかな?

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主要キャラ紹介:●アラン(大智)男爵家三男 ●ブランシュ 女性家庭教師 ●ベルナール・ド・ラ・プラード男爵 父親 ●セリア 男爵夫人 ●クリステル 妹 ●コレット メイド ●アリス メイド見習い ●ジョゼフ 執事 ●シルヴァン 庭番

 時々クリステルが遊びに来るが、正直言って毎度毎度五目ならべの相手をするのにはこちらも飽きてきた。そろそろ新しい遊びを考えなくちゃ。そういえば五目ならべはブランシュ先生が気に入って、実家の商店で作って売り出してもいいかと言ってきたので、「父様のお許しが出ればいいですよ」と答えた。すると、とんとん拍子で商談が進んで間もなく発売になるらしい。売り上げの1割がわが男爵家の収入になる契約で。父様と母様も大喜びだ。貧乏貴族にとっては大きな副収入になる。

「なに、アランが考えたゲームが商品になると!」

と父様は大いに驚いていたが。


 五目ならべを試作する時に、一瞬リバーシを思い浮かべたのだけれど、昔からある遊びとは違って、あれは現代になってからの個人の発明だったので、なんとなく佃オリジナル製をパクるような気持ちがしてやめたんだ。特許の権利は20年をとっくに経過して切れたのでコピー商品を作っても問題ないのは知ってる。だけど今度もできたら違うゲームにしたいな。


 碁石を使う本来の囲碁は、陣取りゲームとして戦略の訓練になると思うのだけど、僕はやったことがないんだよね。ルールは百科事典に書いてある内容は覚えているけど、強くなるには将棋並みに戦法の勉強が必要だし。囲碁の本は読んだことがない。まだ入門書を読んだことのある将棋の方が教えられるかな。でもこの世界には、ほぼチェスと同じ合戦ゲームがあるしな。囲碁は五目ならべのセットがそのまま使えちゃうから新たな売り上げにつながらない。


 前世の玩具でこちらの技術で作れて遊び方が難しくないものは何かな。しばらく考えて

「そうだ!」

 と手を打った。カルタがいいんじゃないか。自分も幼児の頃にカルタで遊んで文字を覚えるきっかけになった。読み札を全部暗記してしまい、取り札のひらがなもあっという間に覚えたと両親が言っていた。この世界の文字と言葉でカルタを作ろう。


 この国の地理や歴史、神様の教えなどを50枚くらいのカルタにしたらどうだろう。50枚というのは50音から来ているので、この世界では基本の文字の数が48音だからそれに合わせると48枚か。ブランシュ先生にも相談してみよう。


「先生、カルタという遊び道具を作ってみようと思うんですけどどう思われますか?」

「カルタ?それはどういうものですの?」

 やはりこの世界にはカルタはなかったのだな。ティータイムに四角いクッキーを使って読み札と取り札の山を作って見せ、ブランシュ先生にカルタの説明をした。

「なるほど、お祈りの言葉や地理・歴史の知識などをカードに書いて、読み札を読んで早く取る遊びですね。カードの枚数を競うのもいいですね。子どもは競争が好きなので、覚えるモチベーションになりますよ。」

 と先生の評価は高い。先生がニンマリしているところを見ると、これも商会で売り出そうと考えているに違いない。


「学校に行く前の子どもたちが文字を覚えるのに最適ですね。内容をわかりやすくして、材質を安価なもので作れば平民でも買えるかしら。」

 平民の教育水準を上げるのはいいと思う。やはり識字率の向上が国力アップには欠かせないから。先生はマーケットの拡大をもくろんでいるみたいだけど。


 後日、先生がカルタに適した薄手の木札を実家から取り寄せてくれたので、それを使って試作してみた。文言は先生と一緒に考えた。例えば

「お祈りを してから みんなで いただきます」

 というように。

「伊香保温泉日本の名湯」(上毛かるた)

 前世の日本ではこのようなご当地カルタがあったりしたので、この国でも各領地のカルタができるかもしれない。それはそれで楽しみだ。ブランシュ先生とそんな雑談をしていたら

「これはぜひ商品化いたしましょう!さまざまなバリエーション展開ができるに違いありません!」

 やっぱり先生は大乗り気で食いついてきた。


 この国では王宮に新商品を献上して登録すると、一定期間はまねされない特許制度に似たものがある。物にもよるが五目ならべのような玩具は1年間だ。その間に開発費を回収しろということなのだろう。カルタも1年たてば簡単に類似品を作れる。せめて文言はオリジナルにして欲しいものだ。これが売れればまた領地の懐が暖かくなる。

次はファンタジー要素をトッピングしつつ科学技術の足掛かりを模索するアラン少年です。

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