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【10】九九の表~教える

おやおやブランシュ先生から授業を受けるアラン君、教わるだけじゃなくて先生の知らないことを教えてあげちゃう?

 足し算が終わると、次はひき算だ。また退屈な計算練習が続く。数学に関する能力の確認が終わるまでは省略することができないよね。幼稚園児の頃に通っていた公〇式のプリントを思い出す。四則混合計算ができるようになるまでひたすら計算が続くんだよな。


 小学生の時には気づいていなかったけれど、ひき算は10の補数が瞬時に出るようになれば簡単なんだよ。ひき算が苦手な子どもは補数が覚えられていないってことだと思う。繰り下がりがあるのでひき算の課題は時間がかかるとブランシュ先生は予想していたようだが、僕はあっさりととクリアしてしまった。そんなの当たり前だ。


 続いてかけ算に進むわけだが、この世界には九九がないらしい。たし算の繰り返しによってかけ算の答えを導くことで、だんだんと九九に相当するものを覚えていくそうだ。

 2+2=4

 2+2+2=6

 2+2+2+2=8

 こんな具合に。そう言えば前世地球で日本の小学校も九九の導入前にこれはやってる。またアメリカではTwo times three is six (2×3=6)みたいに語呂はよくないけれど文章を唱えたり、この世界と同じにひたすらたし算で計算するうちに覚えるらしいので、九九が絶対じゃない。でも日本の九九は魔法の短縮詠唱並みの効力があると僕は思うよ。あ、ちなみにアメリカは12進法の名残か12×12までの表があるみたい。


 暗算でかけ算をやって見せると先生は目を丸くして驚いた。そこで僕は九九の表を書いて見せた。

「アラン君、これはなあに?」

「先生、これはかけ算の答えを簡単に見つける九九の表というものです。」

「九九?表?」

『九九』はこっちの世界の言葉で『1から9までのかけ算』に自動翻訳された。う~んもっと九九に近いニュアンスの言葉はないものか。どうやら表という概念もないらしい。縦軸と横軸の数をかけた答えが行と列の交わった部分にあるという表の仕組みを聞くと先生は

「アラン君、これは大発明です!かけ算がこんなに簡単にできるなんて。こうやって教えたらみんな楽に覚えられるでしょうに。母校の恩師にお知らせしましょう!まったく先生である私が教えられてしまいましたね。」

 あらま、早速この世界にない概念を持ち込んでしまったか。僕は小学2年生でかけ算を習ったときもこの表を一発で覚えてしまったんだよね。だから「ににんがし、にさんがろく…」と唱えなくても良かったのだが、先生の前で時間制限付きで唱えて合格する必要があったので、仕方なく暗唱したっけ。小学校低学年の苦い思い出。


 その後わり算も学んだ。わり算はたし算・ひき算・かけ算を全部使う計算の集大成だよね。わる数にかける数を仮定してかけ算をする。そしてわられる数を超えない一番近い数を見つける。それを元の数の上の位から引く。残った数に対してそれの繰り返し。


 日本の小学生でも苦労する子がいる。実際は九九があいまいだったりひき算の習熟が足りないのだけれど。今の僕には退屈極まりなかったので超速で終わらせた。一通り四則計算でこの世界の数学の基礎課程が終わったので、つぎにこの世界について勉強することにした。社会と理科に相当するのかな。


退屈な四則計算が終わったね。さてこの世界がどんな世界なのか少しはわかってくるのかな?


ファンタジー要素を期待される読者の皆様、もうしばらくお待ちください。光の柱の伏線回収はしますので。

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