【9】アラン様との出会い(ブランシュ視点)~出会う
アランとブランシュ先生の授業が始まって少ししてからの、ブランシュの感想です。
男爵家に来てから何日かが過ぎて毎日のペースがつかめてきた今日この頃。午後の授業を終えて自室に戻ってホッと一息つきます。私は商業ギルドの紹介でプラード男爵家の家庭教師として来たわ。貴族と接するマナーは教え込まれていたので男爵家ならなんとかなるけれど、ずっと改まった話し方をするのは疲れるわね。
「先生、私が教えを乞うのですからアラン様でなくアランと呼んでください。そして自分を僕って言わせてください。」
とアラン君はくだけた態度で接しても大丈夫と言ってくれたので、彼といるときは楽だわ。それにしても住み込みの仕事には思いがけないデメリットもあるのね。自由がある程度許されてはいても、家にいる時とは同じにできないし。まあそれくらいは事前に予想すべきだったな。
「ブランシュ、未熟者め!」
と自分で自分にツッこみを入れました。
それにしてもアラン君はマジ天才!初対面の挨拶でとてもしっかりした子だと感じたけれど、頭の回転もすごく早いし記憶力もいい。一度見ただけで完璧に覚えているのには驚いたわ。話しているとなんだか同年代の人と話しているんじゃないかという気がしてくるから不思議。何て言っていいかわからないんだけれど、言葉の言い回しとか話題の運び方とか。
それから時々造語?みたいな言葉を使うのはどうしてかしら。今までにない概念を表したいみたいなのよね。どこからそんな発想がでてくるのかしら?ちょっと変わってるわね。でもアラン君との会話は刺激的でとっても楽しいの。それになかなかルックスもいいし。今はかわいいという感じだけど、何年かしたらすっごいイケメンになってお嫁さん候補が引く手あまたになりそう。側によると顔が赤らむのよね。意識しているのがバレバレ。その点はまだまだお子様。うふふ。
私なんて大店の娘だから嫁の貰い手には困らないだろうとか言われているけれど、やっぱり平民だからアラン君とは釣り合わないわよね。でも、もしかしたらなんて、男っぷりが上がったアラン君と自分が並んで立っている姿を想像して顔を赤らめてしまったじゃないの。いったい私ってなんて想像をしているのかしら。8つも年が離れているのに。政略結婚ではそのくらいの年の差はあるけれど。おっとあらぬ方向に妄想が…。
お勉強の進み具合も早くて、王国語の読み書きはできるし、わたしが持参した辞書があれば足りない語彙を補えるわ。計算力も高いので読み書き計算の基礎学力は十分すぎると思われます。だって繰り上がりのあるたし算を暗算しちゃうんだもの。私より計算が速いくらい。
ただちょっと知識にアンバランスがあるの。頭の回転に比べると一般常識が足りないけれど、それはアラン君の年齢と環境を考えれば仕方のないこと。それに貴族の跡取りとしての教育はされていないのだから当然よね。二男のシャルル様は長男のカミーユ様の右腕として領地経営にあたるけれども、三男ともなればその可能性は薄いもの。
地方貴族の三男の将来はというと、跡継ぎがいない貴族家の養子になるとか、貴族の姫君に婿入りするか、お金のある商店の跡取りとして婿に収まるかのいずれかよね。でも、この才能はもったいないわ。高位の貴族の目に留まってそれなりの地位に納まることもありうるかも。それか王室付の何かの役職につくとか。
そんなことになったら私も鼻が高いわ。
「私はあのアラン様がお小さい頃に家庭教師をしていたのよ。」
と自慢できるかも。この先お役御免になってお別れする日が来ると思うとなんだかさみしいわ。
そうそう先日不思議なことがあったわね。アラン君と一緒にみた光の柱、あれは一体何だったのかしら。良いことの前触れだったらうれしいな。
さてアランの勉強はどんな風に進んでいくのでしょうか?
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ep.9で大きな伏線を張ってしまったので、これをどうやって回収するのさ!と脳内で葛藤が…。
ところで、なろうサイトでも生成AIで作った作品が出てきているとか。エピソードの元の種を与えてこんな話を作れと言えばできちゃうんかな。手書きと区別がつくのでしょうか?




