深緑のマフラー
静電気で編むマフラーがパチパチパチと街中に伸びる
近づいては駄目さそんな声が充満してゆく
顔のパーツが変わってゆく福笑いをみようと声が掛かる
カラカラの声で笑ってみたよ
天候の偏頭痛は水をひたすら飲んでしのいだ
こんな時君の名を呼んだ
こんな時君の歌を読んだ
身体が欲する水のように
痛みはやがて通り過ぎる
そんなことがわかってきた
きみの編んでくれたマフラーはパチパチと音をたてなかったんだ
深い緑色のマフラーだった
巻いて歩いた散歩道には
まだ在った彩りに心が和んだ
ツワブキの黄色
ムラサキシキブの紫や椿の紅が
深緑の葉を首元に巻きながらこの冬に今
沢山咲いていることに気づいた




