28:エピローグ
学院の門前に、帝国の紋様が煌めく馬車が静かに佇んでいる。
フロレンティアが、マギーとともに姿を現した。彼女は名残惜しげに学院の建物を見つめ、心に刻むようにその光景を目に焼き付ける。そして、レオノーラと目を合わせる。レオノーラは優しく微笑み、安心させるように静かに頷いた。それに応えるようにフロレンティアも微かに頷き、馬車へと乗り込んでいく。
学院の建物の近くでは、アビエルとサイモンが何かを話し込んでいる。おそらくこれからのことについての打ち合わせだろう。
レオノーラは、学院で過ごした日々を心の中で辿り始めた。
ここに来た当初は、この贅沢な毎日が自分にとっていかに贅沢であるかを恐れ、そしてそれに戸惑った。しかし、やがて多くの仲間に囲まれ、豊かな学びを得ることで、その素晴らしさを感じた。この地で出会ったかけがえのない友情と、深い愛情の存在は自分の一生の宝となるだろう。
帝都に戻れば、今のようにアビエルと二人で笑い合うことは難しいかもしれない。それでも、大丈夫だ。変わらぬ胸の内さえ知っていれば、それを信じて毎日を生きていける。
「では、出発しよう 」
アビエルが静かに皆に声をかける。レオノーラは、遠くに見えるサイモンに軽く頭を下げ、アルフレッド、ガウェインとともに馬車の横に馬でついた。
門から続く木立の間を、連なって進む馬車と馬たち。夏の風が彼らを優しく撫でるように吹き抜けていき、その風が過ぎた後には、残された思い出が静かに揺れていた。
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