第4話 作戦実行
みなさんこんにちは!アオです!
さて今回の前書きではこれを作ろうとした理由を書きましょう(飛ばしてください)
企画に応募しましたが、それと自分自身で本を作ってみようかなと思いまして!
目標は10万文字にして頑張って書いているので応援よろしくお願いします!
翌日、俺たちは昨日の作戦を実行に移すことにした。
早ければ早いほど良いと思ったからだ。
「なあ、千賀って本とかって読まないのか?」
「う~ん。私かぁ~。好んで読んだりはしないかな。
オススメされた本をたまに読むくらいかな。」
「そうか。じゃあオススメの本があるから読んでくれないか」
俺はそう言って遠くにいる竜馬に目で合図を送った。竜馬はそれに気が付き
「なんの話をしているんだ?」
と自然体の口調で俺に話しかけてきた。
「ああ、オススメの本を千賀に紹介しようと思って。」
しかし千賀の様子を見てみるとぽか~んとしているようだった。
あれ?何がダメだったんだ?それに気が付いたかのように
「あれ?直君ってえっと....竜馬さんと仲良かったの?」
しまった。確かに今まで話していない人とこうやって話すと怪しまれる。
俺がどうしようとオドオドしていると
「ああ、ちょっと昨日手伝ってもらってそこから」
と竜馬が助け舟を出してくれた。本来は俺が出すものだろうけど。
「そうなんだ。良かった。直君にこうやって友達がいて。」
えっ?俺ってそんな印象になっていたのか。少し肩を落とした。
「で、えっとおすすめの本だっけ。僕のおすすめはこれ。」
そう言って竜馬が差し出した本はミステリー系の本だった。
へぇ~。竜馬ってこんな本を読むんだな。もっとお堅い系を想像していた。
「面白そう!借りてもいい?」
「もちろん。はい、どうぞ。」
彼はそう言って千賀に本を渡した。その瞬間、2人の手が当たったことは
俺が見逃すはずがなかった。竜馬は少し動揺をしていたようだ。
一方、千賀の方を見ると気にしていない様子だ。それはそうだ。
小さい頃からよく俺にボディタッチをしていたからだろう。
まあさすがに竜馬にそんなことを言ったらヤキモチを焼かれそうだが。
千賀はもらった本を大事に抱えながら自分の席へ戻っていった。
千賀が戻ったのを確認すると俺は
「グッジョブ!よくやったな。」
「ああ、君の助けのおかげだよ。ありがとう。」
「そんな褒められるようなことをしていないけどな。」
俺は大げさに褒められて照れくさかった。
「でも、意外だよな。前から少し見ていたがこんなクールな
竜馬がこうやって恋をするなんてな。」
「まあ、いうほどクールじゃないけどな。でも確かにモテると言われれば
そうだが、僕自身で恋心を抱いたことはなかったからな。」
最初のところが少し鼻についたが深くは気にしなかった。
「いいよな。なんか青春って感じで。」
「直太は恋とかしたことないのか。」
「俺は前も言った通り恋愛のれの字もないからな。恋愛とは無縁だ。」
「そうなのか。てっきり直太が千賀のことを好きだと思っていたから。」
「えっ?そんなわけないよ。俺とあいつはただの幼馴染だから。」
「まあ。もし直太が千賀のことを好きになったら僕は
大人しく身を引くから大丈夫だよ。絶対にかなわないから。」
「大丈夫だよ。保証する俺が千賀を好きになることなんてないから。」
「なんかその言い方ひどくない?」
「まあまあまあ、とりあえず俺は竜馬の恋を応援するから!頑張って!」
幼馴染がカップルになるというのはラブコメでは定番だがここは現実だ。
第一に協力をしているのにそんな腹黒いことをするはずがないだろう。
だが、竜馬には言っていないがライバルはかなり多い気がする。
始めにも言った通り、容姿が整っているからもう数週間すれば早い人は
告白まで踏み出すだろう。千賀のモテ期到来ということになる。
その中の一人に恋をすることになるのはそう遠くないだろう。
だからこそ、俺は竜馬には頑張ってほしいと思っている。
数日後、竜馬がみんなと雑談をしていると肩をたたく人物がいた。
俺は遠くから見守っているがすぐにわかった。千賀だ。その手には
前に竜馬から借りた本があった。それだけで何をしようとしているかわかる。
「竜馬さん、これありがとう。」
「えっ、ああ、この前のね。どうだった?」
「かなり面白かった。特にあの場面で主人公があんな発言をするなんてね。」
「わかる。僕もそれは思った。でもあのシーンもかっこいいと感じたけどな。」
「ああ~。確かに、主人公の名推理のところだよね。」
「そうそう!」
全然、俺がいなくても平気で喋ることができているなと俺は思った。
そしてさっきまで竜馬と雑談していた人は状況が呑み込めずボーっとしていた。
そうだろう。いつもクールな美男と転校してきた美女が一緒にしゃべっている。
状況を知らないとカップルみたいに見えるのも無理はない。
そしていつもはクールだった竜馬があんなしゃべるのは珍しいからだ。
二人は語り合った後、大満足して戻っていった。俺は千賀とすれ違いで
「俺がいなくても二人いい雰囲気だったよ。」
「そうかな?でもあんなに喋れたのは久しぶりだよ。」
俺たちが話をしているとさっきの状況が吞み込めていない人たちがきて
「竜馬、付き合い始めた?」
「めちゃくちゃ良い感じだったけどこれは?」
と完全にいじられていた。竜馬は違うからと否定をしていた。
おそらく竜馬の内心では違うくないけどと思っていることだろう。
その日の放課後。俺はまた竜馬に呼び出された。今度は直接だ。
「で、どうした?結構いい感じになっていると思うんだが?」
「まだ、遊びに誘わない方がいいよな。」
なんだそういうことか。これまで見てきたラブコメの知識を生かして俺は
「確かにもう少し仲を深めてからの方が俺もいいとは思う。
しかしだ。おそらく千賀はモテるから早くしないといつの間にか彼氏を
つくっているという状況になりかねない。」
「ああ~。それは嫌だな。」
「でしょ。そうすると夏休み前にはもう遊び慣れている状況にしないと
勝ち目は薄いのではないかと俺は思うが。」
「そうだな。とりあえずは毎日話しかけることが良いということか?」
「そうだな。後は手が触れあったくらいで動揺をしていてはだめだ。」
「そこまで見られていたのか。」
「当たり前だ。デートに誘ったときにそんなんじゃ印象が悪くなる!」
「それは絶対に避けなければ」
「そうだろう。だから話すことに加えて動揺もしないことだ。」
「はい!わかりました!先生!」
いつの間にか恋愛相談の先生のような感じになっていた。
読んでいただきありがとうございました!
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それでは次回お会いしましょう!アオでした~!