第34話 水族館
みなさんこんにちは!アオです!
この話では直太だけが思っているであろう「水族館デート」回です(笑)
書いてて思ったのですが直太めちゃくちゃ運がいい気がします。
それを作者が言っていいのかというものがありますが羨ましいです!
それでは「第34話 水族館」をどうぞ!
そして数日後、待ちに待った土曜日だ。
と言っても"待ちに待った"のは俺だけだろうが。千賀はきっと
今まで通り普通に出かけるつもりだろう。千賀が来ないといけないのは
わかっていたがそれでも俺は約束の時間より早く集合場所についてしまった。
そして待つこと数分。遠くからこちらに手を振る人物が見える。
「ごめんね。遅れちゃって。」
彼女の言葉は俺の右耳から入ってそのまま左耳に流れていった。
学校で見る服装と違ってきれいさがより強調されていた。それに目を奪われた。
「あれ?どうしたの?なんかついている?」
「いや、大丈夫。それより早く行こう!」
気持ちを紛らわすように俺は小走りで水族館へ向かう。隣についてくる
千賀の顔はいつもより楽しそうでそれを見るだけでうれしくなった。
行く途中、千賀と文化祭の話をした。
「直君の方はもうだいぶ完成してきた?」
「うん、小道具だから早く終わったよ。まあ他のところも文化祭まで残り
一週間程度だからもう終わっているところも多いと思うけど。」
「そうだよね。私たちは買い出しで手伝うだけだから楽だよ。」
そうなぜか自慢げに言ってくる千賀。
「そういえば、なんで俺を誘ったんだ。友達もいるのに。」
俺は単純に疑問に思っていたことを千賀にぶつける。
「そんな深い意味はいなけど。こっちに戻ってきてから直君とはこうやって
どっかに行ったことなかったからさ。」
「そういえばそうだな。昔は俺と千賀の家族で言っていたもんな。」
「そう。で、家からできるときにお母さんが"頑張れ"っていたけどなんでかな?」
そういう彼女の言葉に俺は吹き出しそうになった。
「なんでだろうな。もう少しで着くぞ。」
歩くこと数分、水族館が目に見える位置までやってきた。
休日だから人がそこそこ多いと思っていたがそんなことはなかった。
しかし水族館のターゲット層である家族連れやカップルは多い。
「あっ!シャチだ!」
中に入るなり千賀は一番目のつきやすいところに展示されているシャチを
指さしながらかけていった。こういうところだけおてんばだ。
俺はその後ろをついていく。やけにデカいなと思いながら解説を読むと
シャチを展示している水族館のうちトップ5の大きさらしい。
それはすごいな。解説を読み終わってシャチを見る。すると
「あっ!あっちにはペンギンがいる!かわいい~!」
と今度はペンギンが展示されているところへ駆け足で千賀が向かって行く。
デートみたいな感じを想像していたがよく考えればそんなことはない。
単純に楽しみたかっただけだ。俺は何を期待していたのだろうか。
確かに千賀の言う通りペンギンはいつ見てもかわいい。あのよちよち歩きが
たまらない。そんな感じで俺たちは動物たちに癒されている。
一通り回り終わって俺たちは休憩スペースでココアを飲みながら一息つく。
「ごめんね、私だけはしゃいでいて。」
千賀は冷静になったのかそう言った。
「全然。千賀が行きたいって言ったからそれについてきているだけだから。」
こうやって千賀と過ごすことができていて俺は大満足だ。
時刻は2時過ぎ。近くにあるボードを見ると二時半からアザラシの
餌やりが行えるらしい。俺はそのことを千賀に言う。
「面白そう!行く!」
さっきまでの落ち着いた雰囲気がなくなり再びはしゃぎ始める。
それにつられて俺も笑顔になる。恋愛感情だけじゃなくて普通の幼馴染って
いうこともあってかうれしくなる、恋をしているのに不思議な感覚だ。
近くを周りながら2時半まで時間をつぶす。一度見たからか千賀は落ち着ていた。
俺だけが意識していたことだが水槽をのぞくときの千賀との距離が近い。
動物を見るのに集中できず思わず千賀の顔を見る。その横顔にドキリとする。
そしてそんな時間が過ぎる。気が付けば2時半少し前になっていた。
「そろそろ、2時半だぞ。」
「わかった!やっぱり動物って癒されるからいいよね~!」
千賀はそう言いながら水槽から離れる。少し暗かったところから明るいところへ
入る。アザラシの餌やりにはちらほらとまばらに人がいた。
飼育員の人から餌をもらって、千賀はびくびくしながらそーっとあげる。
あれだけかわいいって言っていたのにビビっているのはどうかと思うが。
数匹餌をあげると千賀も慣れてきたようで笑顔が見え始める。
数分後、もらった餌が全て終わりまたもらおうとしていた千賀を引っ張りながら
水族館の中へ戻ってくる。時刻は三時手前だ。
特にお目当てという動物もいなく俺たちが適当にぶらついているとき
向こうから俺たちと同じ年齢らしきの男女のペアが歩いてくる。
俺が気づくより先に千賀は反応して俺を引っ張り物陰に隠れる。
「ちょっ、どうしたんだよ千賀。」
「静かに!今いる二人知っているでしょ。」
俺は目を細めて二人を見る。言われてみれば確かに同じクラスの人たちだ。
「あの二人カップルだと思わない、直君?」
「いや、男子の方は付き合っている女子がいるしそんなことないと思うよ。」
「えっ!?そうなの!?ていうことは浮気じゃないかな?」
「さすがに中学生で浮気ってそんな腹黒いことしないだろ。」
「でも、私聞いたことあるの。うちのクラスの男子の誰かが浮気しているって。」
「えっ、そうなのか。」
俺もイマドキの中学生だがイマドキの中学生かなり怖い。
「しかも、三股。」
千賀は静かにその言葉を口にする。俺は完全にポカーン状態だ。
たった一つの恋であれだけ苦しんでいたのにある人は三股!?冗談じゃない。
「それはさすがに言った方がいい気がするけど......」
「でも見てよ。あの女子の楽しそうな顔。私が壊せるはずがない。」
「確かに楽しそうだな。でもなんで男子の方も楽しそうなんだ?」
「まあいづれその時が来るだろう。そうなったら私も行くわよ。」
なんで千賀が自分から行くのかわからないがとくにかく中学生怖い。
そんな怖い雰囲気を見ながら俺たちは出口の方に移動する。
「とりあえず見てないふりをすることを忘れずに!」
千賀は俺にそう言った。ここは素直に同情しておいた方がよい。
「よしっ!最後にお土産買って帰ろ~!」
さっきまでの雰囲気がどっかへ行き千賀はほのぼのとして言う。
お土産が売られているコーナーをのぞくと最初見たシャチのクッキーや
ペンギンのキーホルダー、アザラシのクッションなどなどいろいろある。
家族に何か買っていくかと思い俺はシャチのクッキーを手に取る。
千賀の方はパンダのソックスに様々な動物のぬいぐるみ。
かなりの量を買う様子だ。というかそんな量買ってお金大丈夫なのか。
そんな心配とは逆にじゃんじゃん買い物かごに商品を入れる千賀。
「直君、おそろのキーホルダー買おぉ~。」
同性での友達ならまだしも俺にそれを言う!?俺にとっては嬉しいので
全然ありなのだが。俺たちはどのキーホルダーにしようかと見る。
悩んだ末に俺たちは餌やりをやったアザラシのキャラクター
キーホルダーを買うことにした。"おそろ"か。いいかもな。
「よしっ!ごめんね、待たせちゃって。じゃあ会計へ行こう!」
先に俺が会計を済ませる。買うものが少なかったので早く終わる。
しかし千賀の方はなんせ量が多い。それに比例して値段も中学生では
少し手が出しにくい金額だ。そんな金額を彼女は余裕な顔で支払う。
「お待たせ。買うものが多くなっちゃって。」
「それはいいけど。お金の方は大丈夫だったの?」
あまりそういう話題に首を突っ込まない方がいいが聞いてしまった。
「うん、親が結構な金額持たせてくれてさ。これで楽しんできなさいって。」
千賀の両親神かよ。そんなことを思いながら外に出ると夕陽が出ていた。
「もう四時を過ぎているのか。楽しかったな~。」
「そうだな。また来るのもいいかもしれないな。」
俺はそんな楽しかったところの帰りの定番な言葉を言う。
「そうだね!水族館も楽しかったけど文化祭も楽しみ!」
彼女は本当に水族館への行きも帰りもとても元気だった。家の目の前まで来て
「ありがとう。今日は楽しかったよ。じゃあね直君。」
そう言って俺たちは学校の帰り道のように分かれた。
リビングへ入りお母さんに買ってきたお土産を渡す。俺はその後自分の部屋へ
行き本当はだめだが欲には逆らえず筆箱にキーホルダーをつける。
まあ筆箱なら見つからないだろうそんな考えが俺にはあった。
読んでいただきありがとうございました!
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それでは次回お会いしましょう!アオでした~!




