第25話 体育祭前の話
みなさんこんにちは!アオです!
先に言いますが今回は少し物語が長くなってしまいました。すみません。
秋と言ったらスポーツですよね。もう少しで体育祭がスタートします。
今回はその前の場面の話となります。
それでは「第25話 体育祭前の話」をどうぞ!
「で、先輩その人どう思いますか?」
俺は帰る途中にあった恵美と談笑をしながら帰っている。
「まあ、その人の気持ちもわからなくないがそれでもな......」
「そうですよね!も~。」
いったんの話が区切りがついたようで、俺は昼千賀に言われたことを言った。
「一年生も学年対抗リレーってあるよね?」
「はい、ありますよ。でもそれがどうかしたんですか?」
「いや、そのリレーでどうやったら早く走れるかなって思って。
陸上部の恵美ならいつも早く走っているからそういうのわかるかと思って。」
「そうですね......私の場合姿勢・腕・ひざに気をつけていますね。」
「姿勢・腕・ひざかぁ~。」
「はい、あとこういうみんなで取り組む系のリレーではバトンパスの
ところもしっかり意識しています!」
「あ~。確かに、ありがとう。参考にしてもらうよ。」
「いえ、私もまだまだなので全然改良の余地はありますが。」
「次は県大会だっけ?」
「はい!そこでは個人もありますが団体の方でも出るのでバトンパスとかも
意識しないといけません。私たまに一人で走っていってしまうので。」
反省点のところを話していた顔は少し笑顔に俺は見えた。
「県大会は少し遠くなってしまいますが全国大会ではライブ中継が
行われるので是非みてくださいよ!」
「ああ、わかっているよ。とりあえず県大会優勝頑張って!」
「はい!」
彼女の目は絶対に優勝してやるという強い意志が感じられる気がした。
「先輩も、頑張ってくださいよ!」
何をとは言わなかったがなんとなく予想はつく。
次の日。俺はさっそく登校してきた千賀に昨日恵美に聞いたことを
言った。それを聞いていた千賀はうなずきながら
「確かに私なりにも昨日、調べたけどそういうようなことがあったよ。」
やっぱり早い人たちはみんな同じことを意識しているんだな。
「私もなるべく頑張ってみるけど、うまくいくかな?」
珍しく千賀が不安モードに入ってしまっている。
「大丈夫だよ。それで人生が変わることはないからさ。」
「そうだよね!よしっ!私もだけど直君も男女混合の人を
抜かせるくらい早くなって驚かせてよ!」
なんでそういうことに俺を巻き込むのだろうか。
しかしそう誘われてあまり悪い気はしなかった。むしろ、滾るくらいだ。
そして練習に練習を重ねていった。練習するごとに千賀のタイムは
縮んでいくのがわかる。体育祭の一週間前には、とうとう男女混合の
切り札の人のタイムとほぼ同じになった。
彼女なりにしっかりとコツをつかんで努力したからだろう。
俺の方はというと、俺も頑張ってはみたが千賀まで届くことは
できなかった。それでも男子の中で二番目か三番目くらいまで早くなった。
俺たちの成長速度にクラスの人は口々に「すげー」となっているようだ。
とくに千賀に関してはクラスのエースの人とほぼ同じ。
つまりそれは女子のグループを優勝へ導いているようなものだった。
俺もなんとか頑張って男子のグループを引っ張っていきたい。
そういう願いによって俺たちはここまで行くことができた。
さて、体育祭も残すところ一週間。ここからは学校全体が体育祭一色だ。
移動教室をしているときも他学年から体育祭の話題が聞こえる。
もちろん、クラスの人の話も体育祭がかなり多い。
そんな体育祭が近づいている日の休み時間。ふと後ろを見ると
竜馬と千賀が話しているのが見えた。あれ以降、竜馬との接点がなくなり
そこまで話すというほどではなくなった。そしてそれに伴って
竜馬から相談をえ受けるということもなくなっていった。
しかし始めというか告白直後から比べるとずいぶんと良い意味で昔に
戻っている感じがする。その光景になんだか胸がもやもやする。
そのもやもやが取れないまま次の授業が始まる。
そして何事もなく時間は進みついに体育祭前日になった。
「ついに明日だね。」
「そうだな。」
「なんか返事そっけなくない?いやこれがいつもの直君か。
そういえば、委員会の仕事ってなんかなかったけ?」
後期の委員会では俺たちは保健委員となった。"俺たち"と言ったのは
まさかの千賀も同じだったからだ。前期は千賀の方から誘ってきたが
後期は本当にたまたま同じになった。学校の仕事とはいえそれでも
神様に感謝だ。なんだかんだで昔のように幼馴染の距離間となっている。
「確か、運動場周りの整備とかじゃなかったけ?石拾いだったり。」
「あ~、そんなこと先生言っていたね。」
この返事からあまり先生の話を聞いていなかったのか。
少しあきれながら俺はさらに付け加える。
「それと体育祭中にケガした人の応急処置と保健室へ連れていくこと。」
「そういうところもやらないといけないんだね。」
「ああ、でもそんな直接体育祭の運営にかかわることじゃないから楽だよ。」
「ふぅ~ん。そうなんだ。」
俺たちはなんとも言えない雰囲気になる。
「直君って恋愛相談とか得意だっけ?」
こいついきなり何を言い出すんだ。俺はそんなことないぞ。
「いや、そんなことないよ。というかなんでそんなこと思ったんだ?」
「だって、竜馬が教えてくれたけど竜馬に協力していたのって
直君なんだよね?夏祭りの件とかも全て。」
「それは竜馬から聞いたのか?」
「うん、もちろんそうだよ。」
「千賀の言う通り、竜馬に協力をしていたよ。」
「だったら恋愛相談に強いのかなって思って。」
「まあ、強いというか基本なことならなんとかできるよっていうだけで。」
「そうなんだ。じゃあ私の話聞いてもらえないかな?」
好きな人の恋愛相談を聞くなんてめちゃくちゃ不思議な気持ちになる。
「ああ、わかった。アドバイスできるところがあればだけど。」
「うん。私の好きな人はさ、なんでか知らないけど鈍感で。」
まさかの鈍感キャラ。そいつを落とすのはかなり難しい気がする。
俺は千賀が語っていくのを優しい目で見守る。
「私でも頑張ってアプローチをかけているけどなかなか気づいてくれなくて。
本当にたくさんやっているのに全然気が付かなくて。どうしたらいいと思う?」
俺が下手に言う立場じゃないけどそれでも恋愛相談だ。
「ん~。もっとアプローチをしてみてそれでもダメだったら
いっそのこと告白まで持っていた方がいいと思うよ。そこまで
アプローチがダメだったらもう一生千賀の気持ちに気づかないと思うから。」
俺が言い終わると千賀が聞き取れない声で何か言った。
「えっ?ごめん、聞き取れなかった。」
「いや、なんでもないよ。そうだよね。もう少し頑張ってみる。」
彼女はそう言って自分の席へ戻っていく。千賀に好きな人がいることは
前からわかっていたことだがそれでも、こうやって恋愛相談を受けると
応援した気持ちがある反面やっぱり悔しいというかなんというか
気持ちにならない感じになってしまう。
誰だって俺の今の状況になったらそうなんだと思う。
どうアドバイスするかは違うかもしれないけどそれでも
彼女を思う気持ちを最優先にするのは誰もがそうするだろう。
そして俺の勝ち目はかなり薄い。その好きな人が誰なのかは
知らないけど、千賀のやつ勉強もできてスポーツもできるしなおかつ
顔も整っているからやっぱりライバルは多い。現にたくさん見てきた。
俺が見ていないところでも彼女は告白をされているだろう。
あれだけ頑張ってやると言っていた気力はどこかへ行ってしまったようだ。
千賀が俺のことを好きであったらよかったのに。俺はわずかに淡い期待を抱く。
そんなことはないとわかっていてもやめられない。
そうやって考えていると先生から呼ばれた。内容は体育祭の準備についてだ。
となりには千賀がいる。さっきまで話していた雰囲気とは全然違う。
そりゃあ恋愛相談と先生の話を聞くときの雰囲気は違うと思うが、なんだか
いつもの千賀じゃないような感じが俺にはした。
「千賀、大丈夫か?さっきから雰囲気変わったぞ。」
「そう?そんなことないよ。それより直君、これ手伝って。」
彼女はそう淡々と言葉をつなげる。あまり詮索してもよくないだろう。
俺はその後何も聞かずにもくもくと千賀を手伝う。
千賀を手伝うのが嫌ではなかったがそれでもなんか微妙なこの雰囲気が嫌だった。
準備をすること数十分。保健委員だったのに準備を行ったことには言及せずに
俺たちは帰り道。その帰り道での会話はないに等しい。本当にどうしたのだろう。
千賀もきっと同じことを思ったのか一度止まって俺に
「ごめんね、変な雰囲気にさせちゃって。とりあえず明日頑張ろう!」
いつもの笑顔で彼女はそう言った。俺はそれにうなずいて
「おう、もちろんだよ。」
と言った。その後、さっきまでとは全然違う雰囲気で別れていった。
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それでは次回お会いしましょう!アオでした~!




