第14話 大会
みなさんこんにちは!アオです!
主人公を取り巻くもう一人のヒロイン"恵美"。
そんな彼女の陸上大会の話となっています。
それでは「第14話 大会」をどうぞ!
数日後......俺はいつも通りの時間に起きてのんびりしてから自転車を出した。
市内で行われる大会だが家からまあまあな距離離れている。
そのため自転車で行くということだ。この暑い中行くのは少し躊躇したが
それでも行くと言ってしまった以上行かないわけにはいけない。
暑い中自転車をこぐこと数十分。大会の開催地に到着した。
すでにたくさんの人が選手の活躍を見に来ていた。
俺は自転車を駐輪場に止めて適当に空いている席に座った。
その席は競技場を一段あがったところだ。たまたま人がいなくて空いていたのと
単純に選手目線で場内が見れるからという理由がある。
俺がその席で待機をしていると正面から「先輩~!」という声がした。
俺はその声の方向を見るとそこには恵美が笑いながらこちらに手を振っていた。
その姿を見て俺は手を振り返した。それが伝わったのか恵美はこちらに来て
「先輩、今日は来てくれてありがとうございます!」
「いや、別に俺だって暇を持て余していたから全然。」
「そうなんですね。頑張るので応援してくださいよ!」
「わかっているよ。そのために来たんだから。」
「実は......私この大会で優勝したら好きな人に告白するんです。」
予想もしなかった言葉に俺は少々驚きながら
「それなら、なおさら頑張らないとな。」
「そうですね!優勝目指すぞ~!」
よっぽどその人のことが好きなのだろう彼女はやる気に満ちていた。
そう俺たちが話していると遠くから「恵美~。」と呼ぶ声がした。
「それじゃあ先輩、楽しんでいってくださいね。」
そう言い残し彼女は元の集団のところへ戻っていった。
そしてついに大会の開始を告げる放送が流れた。最初は他の中学生の人が
走ることになっている。恵美にもらったプログラムによると
俺たちの中学校の人たちは4回目に出場するそうだ。
とりあえず他の中学の人たちがどのくらいの実力を持っているのだろうと
思いつつ俺はスタートされるのを待った。「よーい......スタート!」という
合図と同時に勢い良く走っていった。近くで見ている俺に風が少し
あたるような感じで走っていた。速っ!、と俺はその速さに圧巻されていた。
十分に速いがこれで市内大会だとは......全国大会にはこれ以上に速い人が
いるということになる。やっぱり格が違うぜ。
そしてプログラムは問題なく進んでいきついに恵美たちの番となった。
入場の合図と共に俺たちの中学の校旗を持った生徒が場内へ入ってきた。
その後は、さっきと同じでそれぞれの位置に並び合図が出されるのを待っていた。
「よーい......スタート!」とという先ほどと同じ合図がされると一番手の人が
風を切り裂いて走り出した。1回目2回目3回目のチームに引けを取らないくらい
速いと俺は感じた。いよいよ、恵美が走り始めた。その姿は前に学校で見た
"やってやる"という強いオーラを出しているように俺は見えた。
その姿を見ていると無意識に応援をしていた。本当に無意識だ。
ただただその姿を見ただけでなぜか応援をしたい気分になった。
それだけで彼女の本当の強さというものがわかった気がした。
彼女は風を舞いながらあっという間に走り去っていった。その顔は
真剣でもありながら笑っている表情だった。
4回目が終了して、5回目6回目と大会は進行していき最後も終わった。
残るは表彰だけだ。俺の方向から恵美のタイムは見れていなかったが
恵美の表情を見る限り全力を出し尽くして良い結果だという感じにうかがえた。
なんとか恵美が表彰台に登れますようにと俺は祈りながら表彰を待った。
すると、これから表彰を行うという放送が入った。ついにだ。
「第二十八回市内総合体育大会陸上の部の表彰を行います。
女子100メートル、3位 青東中学校 三年 猪俣涼子さん タイム14.13
2位 北中学校 一年 伊藤恵美さん タイム14.09......」
恵美の名前が発表されたとたん恵美のチームは一気に盛り上がりを見せた。
そしてそれを見ていた俺もガッツポーズをやっていた。
大会の全日程が終了すると、恵美が俺の方に駆けよってきた。
「恵美、お疲れ様。めちゃくちゃ速かったよ。すごいね、2位なんて。」
「私、頑張りました!1位を逃してしまいましたがそれでも市内で2位を
とれたなんて今でも信じられません!」
最初は意気込んでいた彼女だったがいざそうなってみると
あまり実感がわかないようだ。それでも夏休み明け後にある各部活動の
大会表彰式で発表されるときくらいにはかなり実感がわくだろう。
「優勝こそできませんでしたが悔いは全くありません!」
「まるで引退する三年生みたいに言っているが全然未来はあるぞ。」
「そうですよね。優勝はできませんでしたが、がっ......
頑張って告白します!夏休み明け後に!」
「おう、頑張れ。その人に気持ち届くと良いな。」
「はい、そうですね。届くといいな。」
彼女はそう言いながら雲一つない青空を見上げていた。すがすがしい空だ。
「先輩、よければ一緒に帰りませんか?」
「かまわないが、部活の友達と帰らなくていいのか?」
「大丈夫ですよ。それに私、今日は自転車できましたから!」
恵美は俺が思っていた質問がわかったように答えた。
「そうか、なら一緒に帰るか。」
俺たちはひとまず自転車が止めてある駐輪場へ向かって行った。
「先輩は部活入ってみたいなって思ったことはないんですか?」
「そうだな。もともと集中すればかなり長く続けることができるが
俺が没頭できそうな部活がなかったから入らなかった。」
「そうなんですね。」
「恵美は最初から陸上部に入ることを決めていたの?」
「はい、小学校の頃から走ることが好きで暇さえあればずっと走って
いましたから。そのおかげでこの結果です。」
「そっか。さっきの見ていて苦しいや緊張とかそういう感情ではなくて
ひたすらに走るのが楽しいっていう表情していたからな。」
「そうなんですかね?でも風を切っているようで楽しいですよ。」
「楽しめることが何よりだ。次は県大会だな頑張れよ。」
「もちろん!言われなくても頑張りますよ!先輩!」
そう言った恵美は飛び切りの笑顔をこちらに向けてきた。
本当に彼女はすごいという尊敬の気持ちがそこにはあった。
「私、こっちなので。それでは先輩、ありがとうございました!」
「おう、俺も楽しませてもらったよ。また夏休み明け後な。」
俺たちはそう言って家へ戻っていった。
読んでいただきありがとうございました!
ブックマークや評価を付けてくださるとうれしいです!
それでは次回お会いしましょう!アオでした~!




