第13話 勉強会という名の恋愛相談
みなさんこんにちは!アオです!
物語では夏祭りが終わり何もないと思っていた日を不意をつかれたように
千賀が遊びに来る話となっています!
それでは「第13話 勉強会という名の恋愛相談」をどうぞ!
まだまだ暑さが和らぐことは知らない。八月に入ったばかりのある日。
ピーンポーン♪とインターホンが鳴る音がした。誰だろうか?と
思いつつ出るとそこには千賀が立っていた。
「やっほ~、直君夏休みの宿題手伝ってくれない?」
「いいけど、今から?」
「うん、そうだよ。もしかしてこれから予定あった?」
「いや、特に何もないから大丈夫だよ。」
「よかった。じゃあ上がらせてもらうね。」
千賀はそう言ってまるで自分の家かのように俺の部屋へ入っていった。
俺もそのあとに続いて自分の部屋へ入る。
「直君の部屋、久しぶりに入ったけど全然変わってないね。」
幼馴染なだけあり小さいころはお互いの部屋にしょっちゅう出入りしていた。
今考えればそうとう親に迷惑をかけたと思っている。
「まあ、そうだな。俺は基本レイアウトを変えないから。」
「へぇ~。そうなんだ。なんか直君ってそういうところあるよね。」
「そうなのか?まあそうかもしれないが......でいきなりどうしたんだ?」
「夏休みの宿題が全然って言うほどでもないけど終わってないから
手伝ってほしくて。それに家には今私一人だったから。」
「わかった。俺はもう少しで終わるからそれをやりながら教えるよ。」
「助かるよ。じゃあ早速......」
と言ってかばんの中をあさり持ってきたテキストを広げた。
「おいおい、まだこれだけしか終わってないのか?」
「うん。やる気が起きなかったから......ここまである。」
家に来たときの元気の良さはどっか行ってしまったのだろうか。
低学年のころは毎回どちらがいかに早く終わらせれるか競っていたのに。
再開してからずっと全然良い意味で変わっていたがまさかのここが
悪い意味で変わってしまっていたとは。
そして黙々と課題を進めること30分。俺は全ての課題が終わった。
「ふぅ~。やっと課題、終わったよ。」
「え~、直君早い!私のもやって!」
「無理、頑張って自分でやりな。教えてほしいって言っていたけど
全然教えるまでもなく自分で解けているね。」
「確かに、思えばわからないとこなんてほぼないな。」
さっきチラッと千賀の課題を見たが赤丸ばかりだった。
「千賀ってもともとの頭がいいからじゃないか?」
「そうかな?でも友達に言われたりはするよ。」
「じゃあなおさら聞くがなぜわざわざ俺のところに来た?」
「......それはちょっとその......相談がありまして......」
と千賀はいきなり真面目な雰囲気に切り替えた。その切り替えの速度に
少し動揺しながら俺も雰囲気を変えた。
「千賀が俺に相談なんて珍しいな。」
「その相談の内容が恋愛相談なんだけど......」
千賀のその言葉に俺は吹き出しそうになった。別に面白いとか
そういう感情ではないのだが俺に相談するやつ全てが恋愛相談とは......
なぜこう恋愛経験0の人を頼るのだろうか。まあそれはそれとして
「相談に恋愛かぁ。まあ話くらいなら聞いてやるよ。」
千賀の方からこう言った話を持ち掛けてこられるとは思ってもいなかった。
そしてそれと同時に竜馬と千賀の関係を深めるためにも。
「私、告白されたんだよね。」
少し予想外の言葉が千賀の口から飛び出したがあの告白のシーンを
見ていればあまり予想外というほどでもない。
「そうなんだ。」
「うん。それでね、その告白してくれた相手が竜馬だったんだよ。」
俺は本日二回目吹き出しそうになった。竜馬のやつもう告白したのか。
「へぇ~。で千賀的には?」
「丁寧に断ったんだよ。でもその後の関係が気まずくならないようしたくて。」
断ったということはそういうことなのだろう。
「そうだったんだ。気まずくならないようにか......」
「そう。何度か告白されたことはあるけどだいたいそんな知らない人ばかりで。」
確かにそうだ。あの時だって本人とは接点が全然なかった。
「でも、彼からの告白に私は驚きを隠せなかった。
同じ趣味で楽しく話せていたオタク友達のような存在だったから。」
あちゃ~。千賀の中では"オタク友達"となっていたようだ。
「俺から見ても、そんな感じには見えた。」
「告白は断ったけどもこれから友達として一緒に彼といたい。
私はそう思っている。だからお願い!」
彼女はそう言い手を合わせて俺にお願いしてきた。
「わかった。あと......これ言っていいかな......」
「えっ?なに?」
「いや、やっぱりなんでもない。できる限り手伝うよ。」
俺は最初、言葉を濁しながら了承した。そんなことを話していると
扉がノックされてお母さんが入ってきた。
「お邪魔しま~す。ここにお菓子とジュース置いておくね。」
「おばさん、ありがとうございます。」
「フフッ。じゃあごゆっくり。直太ファイト~。」
そう言ってお母さんはすぐに部屋から出ていった。
「さっきおばさんが言っていたファイトってなんのこと?」
千賀よ、世の中には知らない方が良いものがあるのだよ。
「さあ、なんのことなんだろうね。俺にもさっぱりだよ。」
「まあ、いっか。私が恋愛相談をしたけど直君はそういうのないの?」
「俺は、恋愛のれの字すらないくらい恋愛とは無縁だからな。」
「へぇ~。それだと好きな人とかいない感じ?」
「うん、そういう感情は持ったことがないかな。前に言わなかったっけ?」
「そうだっけ?でも、あの後輩の子と仲いいけど?」
千賀はそうなぜか拗ねながら俺に訪ねてきた。
「まあ仲がいいかはわからないけど彼女に恋愛感情は持っていないよ。」
「ふぅ~ん。そうなんだ。そっか......」
「相談は全然かまわないんだが千賀、あれから課題進んでいないよね?」
「そっ......そんなこと......はい、あります。」
何のためにわざわざ俺のところまで来たのだろうか。といっても目の前だが。
そして千賀は気持ちを切り替えて課題に取り組んでいた。
俺はそれを優しく見守るような目で見ていた......きもくないか?
そうこうしているうちに時刻は五時になろうとしていた。
「あっ、親がもうすぐで帰ってくるから私も帰るね。」
「わかった。じゃあ夏休み明け後な。」
「うん。あの約束忘れないでね!」
俺は一瞬なんのことかわからなかったことは言えない。
千賀を見送った後、俺は部屋に残っていたゴミを捨てていた。
さっきの雰囲気はなくなりどこか寂しい雰囲気が部屋には漂っていた。
カレンダーに目をやるとあと数日で恵美の大会がある。
とりあえず夏休み中の予定はそれで終わりだ。我ながら暇を持て余しているな。
読んでいただきありがとうございました!
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それでは次回お会いしましょう!アオでした~!




