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第2話 静かな波

林と赤木が話しているとき、広瀬が委員長会の時のような真面目な顔から血相を変えてこちらに来た。


「三國が危篤らしい。」

林は目を見開いた。表情は固まっている。

「え、嘘だろ。」

いつもは見せないこの表情。明らかに林は動揺していた。

「誰から聞いた?」

きっとまだ信じられていないのだろう。広瀬は躊躇いながら言った。

「朱雀先生から聞いた」

先生の発言に二言はないだろう。信じざるをえなかったに違いない。

「白凪病院にいるらしいよ。時間があったら私もいくつもりだよ。」

そういって広瀬はこの場から去った。きっと重たい空気に耐え切れなくなったのだろう。

長く感じる沈黙の後、林はぼそっとつぶやいた。

「悪化しないといいな。」


帰る支度を終えた竜崎は白凪病院へ向かった。

面会受付は空いていた。早足でカウンターに向かう。なるべく知り合いに見つかりたくなかったのだ。

「三國という15歳の男子の面会に来ました。」

面会受付の人はまじまじと赤木の方を見た。そして、一言こういった。

「あんた、この前の子じゃないの。」

赤木はうなづいた。受付の人は、一度入院した赤木の顔を覚えていたのだ。

「今日搬送された子だね。一応面会謝絶扱いになっているけど」

「どういう状況かだけでも教えていただけせんか」

「うーん、私は何も言えないね。ただ、、確かあなたと同じく、吉永先生が主治医になっていたはずよ。吉永先生に聞けばわかるんじゃない?」

「わかりました。」


赤木は明日診察があり、病院に行かなければならない。

その時に吉永先生に三國のことを聞こうと思った。


家に帰って携帯を見ると林からメールが来ていた。

「三國、面会謝絶だってな」

赤木は、林に明日赤木の主治医であり三國の主治医でもある先生と話すことを伝えようか迷ったが結局言わないことにした。

林にはただ単に「らしいね」とだけ返事をした。


次の日。平日だが、学校を遅刻して診察を受けにいった。

予定通り竜崎は白凪病院小児科医の吉永に三國のことを聞いた。

「本当は言ってはならないのだが、多分彼はもう長くないだろう。」

自然気胸、ギランバレー症候群で何回かに入院している竜崎よりも先にいつも元気な三國が逝ってしまうのか。

そんな悲しいことがあってはならない、どうしたらいいんだと思ったが、赤木は「そうですか」とだけ答え、その先には触れなかった。

その後、学校へ向かった。三國のいなくなったクラスはなんだか活気がなくなったように感じた。まるでパズルのピースがかけている未完成の絵のようだった。

林もいつもよりも元気がなく、ソワソワしているようにも見える。

山口も気が気ではなようだ。



そして…。


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