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第1話 悲劇の始まり

あと1週間で中学の卒業式。

教室はふわふわとした雰囲気が漂っていた。

「あっ!」

とある体育の時間だった。

「先生!三國が!」

元気で明るい三國が突然倒れた。

クラスでは好かれているというわけではないが、気に入られている方で、全員が三國の元へ集まった。

「三國、しっかりしろよ」

三國と同じ野球部で仲が良かった山口は泣きそうになりながら三國を揺さぶった。

三國は動かない。

先生は三國に意識がないのを確認して、生徒2人にそれぞれAEDを持ってくること、保健室の先生にこのことを伝えること、を指示した。


この光景を少し離れているところから見ている人がいた。

だ。赤木は2名しかいない陸上部女子のひとりで、中1の3学期から三國と連絡先を交換しており、1週間に1回は会話する仲だった。

というのも赤木は珍しく野球観戦が好きな女子で野球部とはよくしゃべって盛り上がっているのだ。

〝卒業寸前でこの状況か〟

赤木も数週間に入院していた。

学年末考査1週間前のことだった。

以前から続いていた脱力感が強くなり、ついに力が入らなくなってしまった。

最初は単に痺れがあって自然治癒すると思っていた。しかし、状態は悪化したのだった。

最終的に手足に力が入らない状況になったのだった。最初は末梢神経障害だと思われていたが結局、ギランバレー症候群だったことが発覚。病院に入院して血液浄化を行った。

同時に胃腸炎も発症し最悪の2週間を過ごしたのだった。

ただ赤木の場合、運良く考査を免れ、このままいけば普通に卒業式に参加できるという。考えてみれば逆に楽をしていたのだった。

三國は大丈夫だろうか。


数分後、三國は救急車で運ばれていった。



三國のことは学年全体に広まった。しかし、三國のことを本当に心配していたのはごく一部の人間だけだった。

なんだかんだ言って大丈夫でしょと考える人が多かったのである。

野球部でも山口や、学業の成績は優秀な林は心配していた。

そして勿論、赤木も心配していた。


話が変わるがこの学校には9つの委員会があり、各委員会の委員長と副委員長、生徒会役員が話し合う会議、通称「委員長会」がある。

学級委員会をカッコつけたかのような言い方でホームルーム委員会という呼ぶ風習がこの学校にはある。その委員会の委員長が林で、副委員長が赤木と同じ部活の広瀬だった。ちなみに赤木は保健委員会の委員長なのだが、仕事は他の委員会と比べてしていない。副委員長は錦戸という真面目ではあるが抜けているところも多く委員長会をすっぽかすほどだった。しかし、先生たちからの評判は良く、叱責を受けたことは一度もなかった。

最後の委員長会の後、林と赤木は三國のことを話した。

林は、三國の倒れた時の顔が忘れられないという。

三國が救急車に乗せられているときに感じた、なんだか彼が遠くへ行ってしまうような悲しみ。

一体これはなんだろうか。

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