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Little kabotya’s story  作者: 富田林喜志
梅雨の嘘つきな少女
16/17

愉快じゃないから不愉快なんです

◯ 草原・夜


     壁越しに自分で書いた物語を見せている少年とめぐみ。

     ページを捲るように指示する少年。


めぐみN「それからも熊さんに隠れて男の子と会うようになった」


     再び読み始めるめぐみ。


めぐみN「男の子は小説というものを書いていてそれを毎日読んだ」


めぐみ「今日はここまで」


     本を閉じる少年。


めぐみ「面白かった。この「こいびと」って何?」


     顔を赤らめる少年。

     本に書き始めて、書いた後めぐみに見せる少年。


めぐみ「付き合ってる好きな人?さっきのともだちとは違うの?」


めぐみN「初めての言葉が多かった。「ともだち」や「こいびと」初めてみる料理いろいろなものを教えてもらった」


     書いて本を見せる少年。

     その文字を読むめぐみ。


めぐみ「うーん少し違う、そっか・・・。ああいっけない。もうこんな時間、じゃあね」


     走るめぐみ、後ろをチラッと見る。


めぐみN「少年は私が去るといつも悲しそうな顔をする」


◯ 熊原家


     寝ている熊原を起こす恵。

     起きる熊原。


 恵 「昨日はどうでした?」


熊 原「まだ、全然」


      頭をかく熊原。


熊 原「なんか、ごめん」


 恵 「どうして謝るんですか」


     恵を見る熊原。


 恵 「早く終わらせてください。私との物語を」


     熊原の表情。


 恵 「早くしないと私、飛び降りますよ」


熊 原「それは・・・」


 恵 「そうですね、何もあなたのためになりませんね」


熊 原「不愉快だったら出てってもいいよ」


 恵 「いいえ、出ていきません。愉快じゃないから不愉快なんです。不愉快じゃないのは愉快なわけではありません」


熊 原「そうだね」


     熊原の表情。


 恵 「早く起きてご飯食べるよ」


     部屋から出ていく恵。


◯ 熊原家・リビング


     リビングに入ってくる熊原。


熊 原「いい匂いだね」


 恵 「パンを焼いたの」


     パンやサラダを持ってくる恵。


熊 原「すごく幸せな匂い、ありがとう」


 恵 「そうでしょ」


     カーテンの外を見る恵。

     パンを食べる熊原。


熊 原「美味しい」


 恵 「食べて準備したら出かけましょ」


熊 原「何か欲しいものがあるの」


 恵 「何も、ただのデート」


熊 原「わかった」


     パンを食べる熊原。


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