私の名前は恵
◯ 草原
人形や風船がたくさんありそこの真ん中で遊んでいる少女。熊の人形と話をしている。
少 女「もう飽きた!」
熊さん「今日もお友達が来るからもうちょっと待ってようよ」
少 女「毎日、お友達お友達ってお人形さんしか来ないじゃん」
熊さん「でもこの草原を出るのは危ないんだ。あっお馬さんが遊びに来たよ」
少 女「やった」
お馬さんの方へ走る少女。
遊ぶ少女とお馬さん。
少女「あはは、あはは」
遊んでいる2人を見ている熊さん。
× × ×
寝ている少女と熊さん。
目覚める少女。
熊さんがまだ寝ていることを確認すると静かに起きて走り去る。
少 女「熊さん以外のお人形さんはどこから来てどこへ帰るんだろう」
草原を走っている少女。
少 女「いてっ」
透明の壁に当たる。
少 女「いててってて」
透明の壁の先にいる大きな分厚い本を持っている幼少期の熊原(6)。
少女に気がつかない熊原。
頑張って壁を叩いたり変な顔をしたりする。
やっとで気がつく熊原。
何か喋りかけているが少女には聞こえない。
本に何やら書いて少女に見せる熊原。
「名前、なんていうのと書いてある」
少 女「私の名前は恵」
首を捻る熊原。
少 女「め・ぐ・み」
熊 原「え・う・い?」
頷く少女。
熊 原「えうい?めぐみ?めぐみだ!」
本に書いてみせる熊原。「めぐみ」と書いてある。
再び頷く少女。
本に書く熊原。「僕の名前は・・・」
◯ 熊原の家・熊原の部屋
恵に起こされる熊原。
恵 「健人、昨日は書けた?」
健 人「うーん、まあまあかな」
恵 「朝ごはんできてるから、食べにおいで」
健 人「うん、わかったよ」
ベッドの上で体を起こす健人。
健 人(最近、昔見た夢をよく見る。絶対に会えない少女との夢。友達がいない時ずっと見ていた夢。でも高校になって友達がで来てからは見なくなった。やっぱりこの本のせいなのかな)
本を見つめる熊原。
◯ 道
登校中の今永。
雨が降っている。
今 永(もうちょっとで7月か)
空を見上げる今永。
ふと斜め横を見ると自販機がある。
自販機に近づく今永。
今 永(流石にコンポタはまた来年だな)