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Little kabotya’s story  作者: 富田林喜志
コンポタが好きな君
10/17

押せました

◯ 道


     道を歩いている映画部の生徒たちと俊とウミと高橋兄弟。


高 橋「打ち上げは俺の家でやろう。金はいらない、料理も任せておけ。なんてったって俺はオールラウンダーだからな」


真 希「いいんですか。それは助かります。友達とご飯食べるとかワクワクですね」


達 子「私も何か家から魚介類持ってくるから先行ってて。昇太、あんたも手伝いなさい」


今 永「はいはい」


真 希「ではそのほかでスーパーに行きましょう」


達 子「じゃあ、昇太行くわよ」


今 永「じゃあ、みんな後でな」


     別れる今永と達子。

     残ったメンバー歩いている。


ひろ子「で、何で生徒会がついてきてるのよ」


◯ 道


     歩いている今永と達子。


今 永「今日は楽しかったな」


達 子「うん、そうね。映画部、私も入ろかな」


今 永「暇な時遊びに来ればいいと思うよ」


達 子「演劇部にはもう来ないの?」


今 永「ああ、行く理由もないしな」


     今永の横顔を見ている達子。


◯ 高橋家・夜


     エプロン姿の高橋。


高 橋「さあさあ、お前ら食え食え」


     テーブルの上の料理、魚や肉やらいろいろ。

     料理に手を出す映画部生徒たちと高橋兄弟。


五 平「にいちゃんの料理は美味しいんだぞ」


公 平「こらお前が自慢げに言ってどうする」


真 希「今永さん、どれもこれも美味しいです」


     喉に詰まり咳をする真希。


今 永「おちついて食え、急がなくても料理は無くならねえよ」


     今永をみている達子。


今 永「そんなことよりだ。何でこいつらもいるんだよ」


     俊とウミを睨む今永。


今 永「こいつらは映画部を潰そうとした張本人だぞ」


真 希「(ご飯が口に入ったまま)ほへはへふね。(咳をしてご飯を飲み込んで)この人たちには映画部に入ってもらうことにしたんです」


     立ち上がり、落ちていた黒板ボードに殴り書きする真希。


真 希「映画部生徒会係を発足します!」


映画部「えっ?」&「はっ?」&「ばっ?」


今 永「どういうことだよ」


真 希「生徒会はなくなりました。しかし生徒会の仕事は大事です。なので俊さんには生徒会係長をやってもらいます」


 俊 「慈悲をもらった。ちゃんと責務は請け負おう」


真 希「ということですので映画部は総勢10名を超える大所帯となりました。みなさん明日からもがんばりましょう」


今 永「って言ってもよ。具体的にはどうするんだよ」


真 希「大丈夫です。今日もバッチリカメラに収めましたから。今もどんどん回してますよ」


     ため息をつく今永。


真 希「大丈夫です。今永さん以外は普段は好きにやてもらって構いませんから」


     ニコニコしている真希。

     真希を見て呆れて再びため息をつく今永。

     高橋に近づくソラ。


ソ ラ「(高橋の袖をひっぱり)あの・・・」


高 橋「なんだ」


     高橋の耳にこしょこしょと話をするソラ。


高 橋「ああ、いいぞ」


     立ち上がる高橋とソラ。


高 橋「公平、ちょっと出かけてくる。みんなの面倒を見ててくれ」


     出ていく高橋とソラ。


真 希「高橋さんとソラさんも隅に置けませんね。ということで・・・」


◯ 道・夜


     歩いている高橋とソラ。


高 橋「本当に届くようになってるのか?」


ソ ラ「大丈夫、毎日、鉄棒にぶら下がっていた」


高 橋「(笑って)あの時からあまり変わっていないように見えるがな」


ソ ラ「それはそう。私の星の人は成長をしない。でも大事なのは気持ち」


高 橋「あれからずっと通っているのか」


ソ ラ「うん、届かないからお汁粉飲んでた」


高 橋「そうか、そうか」


     自販機の前につく高橋とソラ。

     お金を入れる高橋。


高 橋「ほら、押せるか」


     背伸びをするも押せないソラ。

     笑う高橋。

     お汁粉のボタンを押すソラ。


高 橋「いいのか?」


ソ ラ「うん、そういう約束」


高 橋「そうか、家に帰るぞ」


◯ 高橋家・夜


     廊下を歩いている真希と引っ張られている高橋。


今 永「なんだなんだ」


真 希「探しに行きますよ」


今 永「何をだよ」


真 希「高橋さんが楽器をやっているかどうかの証拠をです」


◯ 道・夜


     歩いている高橋とソラ。


ソ ラ「ということなのです・・・なので勝負がしたかったんです。勝ったら・・・」


高 橋「流石に宇宙まではいけないな、オールラウンダー高橋でもそれは厳しい頼みだ。でも勝負ならしてあげよう」


ソ ラ「・・・」


高 橋「逆にだ。初めて断った。初めてだぞ。この俺が断るほどの難題がこ宇宙では起きているのか」


     星を見る高橋。


     お汁粉を飲んでいるソラ。


◯ 高橋家・夜


     ドアを開ける真希。


真 希「ありましたよ、今永さん」


     綺麗に磨かれた楽器が置かれている部屋に入る2人。


真 希「やはり・・・」


     穴が二つ空いている紙袋を見つける今永。


真 希「ARTとはアートではないんですよ。あのyoutuberはAll rounder takahashiの略だったんです!」


高橋の声「ただいま」


真 希「今永さん戻りましょう」


     部屋の電気を消して出る2人。

     宴会部屋、みんな高橋の方を見ている。


高 橋「よし、みんな!」


     部屋に戻ってくる今永と真希。

     

高 橋「高橋家はこういう時に必ず飲むものがある。みんなは少し待っててくれ。ソラ、手伝ってくれ。公平、いつものを」


公 平「わかった」


     冷凍庫からジップロックに入ったコーンを出す公平。


今 永「一体何が」


     ミキサーに生クリームやコーンなどを入れてかけるとコップ一つ一つに入れていく。

     コップの中を見るソラ。


ソ ラ「コンポタ?」


高 橋「かしてみろ」


      電子レンジに四つ入れて温め始める。

      中を開けてコップを出すとソラに渡す高橋。


ソ ラ「コンポタだ!どうやって?」


高 橋「みんなに渡してこい」


      こくりと頷くとみんなの場所に持っていくソラ。

      最後の二つのコップをソラに渡す高橋。


高 橋「俺、洗っとくからそれを電子レンジに入れてボタンを押してみろ」


      電子レンジに入れてボタンを押すソラ、不思議そうに見ている。

      チーンと音がなり驚くソラ。


高 橋「ほら開けてみろ」


      開けて取り出しコップを見るソラ。


真 希「とても美味しいです。大事に育てられたとうもろこしです」

 

ソ ラ「押せました・・・」


熊原「うん、すごく甘いね」


ソ ラ「押せましたよ。高橋さん」


     ソラを見る今永。


今 永「まさか・・・」


高 橋「やっとだな」


ソ ラ「高橋さんをかけて勝負です。私が勝ったら私の星を助けてください」


     にこりと笑うソラ。


高 橋「ああ、いいだろう」

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