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性奴隷がゆく  作者: きっと小春
プロローグ
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第5話 猫耳は性感帯で冒険者ギルドマスコット

 最後、語尾が完全に”にゃ”だったな。それはそうと……。

 

 うん、カオスだ。関わってはいけない。


 が……。


 スレンダーキャット族か。


 全体がほっそりとしている。

 人族との違いは猫耳に尻尾、手が猫そのものであるだけだ。

 体毛は人族と同じ部分+猫族の部分のみ。

 凛とした輪郭の小さな顔にはっきりとした目や鼻のパーツが配置されており、間違いなく美少女だ。

 ちょっと性格は猪突猛進ぽいけど。


「何事ですか!?」


 ご主人様がソフィアさんと一緒にギルドホールに現れた。

 ソフィアさんも

 冒険者ギルドの制服に着替えていた。ただ胸元が苦しそうだ。


 ご主人様は、スレンダーキャットを担当していた受付嬢ナインさんに事情を聞き、しばらく考えた後に俺を呼んだ。


「ノディールさん。これは私の性奴隷です」

「せ、性奴隷!?」


 赤面したスレンダーキャット族のノディールさんは、俺を指差し、ご主人様に再度確認を取る。


「はい。なので、ノディールさんに性的な害も暴力的な害も及びません。安心してください」


「あの……話しが見えないのですが?」と俺は困惑する。


「ケージには、ノディールさんの警護および支援をお願いします。と言っても、一緒に初級クエストを受けるだけですが」

「ちょっと、話を勝手に進めないでにゃ…‥よ!!」

「いいえ、こちらにもこちらの事情がありますので」


 ご主人様は、左手の手のひらを胸の前で上向きに広げると、右手を握り左手の掌の上に乗せた。

 それを見たノディールさんは、ただでさえ大きな目を見開き、「わ、わかったにゃ……」と納得した。

 その動作に何の意味があるのか知らないが、この我儘娘を一発で黙らせてしまうご主人様にそこ知れぬ恐怖を感じる。


 同じパーティーということで、取り敢えず握手する。

 肉球がプニプニして気持ちよかった。


 何故かノディールがリーダーを主張する。

 まぁ、面白そうだから良いかな。


「わ、私がクエストを選ぶにゃ、わ!!」


 なんだかんだで真面目なのか、初級クエストボードを穴が開くほど真剣に見ていた。


「きゃっ!?」


 ノディールさんは、クルッとこちらを向き涙目で睨んできた。


「な、何が性奴隷よ!! いやらしいことしてきてるじゃにゃい!!」

「うん? 猫耳を触っちゃいけなかったのか? 性感帯なのか?」

「あ、当たり前にゃ!! 未婚の娘の耳を触ったら、絶対に、絶対に、ぜーったいに駄目にゃの!!」

「そう、ごめん。ほら、猫耳に触れたということは、俺に性的な認識がないってことだ。もう性的な場所だと認識したから、今後は勝手に触れられない安心しろ。それと語尾が”にゃ”になってるぞ? てか無理しないで”にゃ”にすればいい。誰も笑ったりしないぞ?」

「にゃ!?」


 また”にゃ”って言った。ノディールさんは、興奮したり焦ったりすると”にゃ”が隠しきれないみたいだ。


「そうだぞ、スレンダーキャットのお嬢チャン。このギルドには、そんな事で他種族や他人を馬鹿にするような奴はいねーよ」と他の冒険者が話しに加わった。

 しかも、チラッとご主人様の顔色を伺っている。何段だ一体!?


「べ、別に……は、恥ずかしいとかじゃ……にゃいのよ。良いわ。そんなにスレンダーキャット語が聞きたいなら、し、仕方ないのにゃ!!」


 ほっぺたを真っ赤にしながら、それでも上から目線のノディールさんの可愛さは、冒険者たちの心を鷲掴みにしてしまった。


「「「「「ノディールちゃん、可愛い……」」」」」

「そ、そんな……。可愛いなんて言われたの初めてにゃ! いつもは高原に咲く一輪のとか……」

「まぁ、どうでも良いけど、早くクエスト決めてくれないかな?」

「にゃ!? お前って、女心が理解らにゃいの!?」

「そうだぜ、ケージの兄ちゃん。そんなんじゃ、ハーリンさんに愛想を尽かされちまうぜ?」


 冒険者ギルドの野郎どもを味方に付けたノディールが鬱陶しい。


 こっちは洗濯物の取り込みとか夕飯の買い出しとか、いろいろ忙しいんだけど……。


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