第4話 妙ちくりんな亜人の登場とハーレム開始の予感
「おはようございます。ソフィアさん、昨日は眠れましたか?」
ソフィアさんは、俺の顔を見るなり赤面して慌てながら答えた。
「は、は、は、は、はい。ぐ、ぐ、ぐっすり……ね、眠れまちたっ!」
あぁ……。
昨晩プレイで、ご主人様の淫声がお屋敷中に響いていたか……。
まだご主人様が起きるまで時間はあるし、朝の支度も完了しているから、きちんと説明しておいた方が良いかもね。
「あ、あの……俺は、ご主人様、つまりアンナ・ハーリン様の性奴隷です。ご主人様には命を救って貰ったと感謝しておます。他国の人たちからすると眉をひそめるかも知れませんが、この国では性奴隷は国家公認の伝統であり一般的なものです。だから……」
「わ、わかりました。ちょっと驚いてしまって……。でも受け入れるには少し時間がかかりそうです」
そんなこんなで、ご主人様が起きてきて、三人で朝食を食べる。
ご主人様は性奴隷の俺が同じ食卓を囲むことを当然のように受け入れてくれていた。
しかし、ご主人様の下着姿にソフィアさんは、驚き視線を逸した。
女性同士でも恥ずかしがるのか、どんだけソフィアさんはうぶなんだよ……。
もしかして、違うか?
昨日のプレイを妄想中とか?
う〜ん、検証が必要だな。
「ねぇ、ソフィアは、これからも旅を続けるの?」
「旅……ですよね。特に旅を続けなければならない理由もないのですが、ずっと旅をしながら生きてきたので……」
「うん? ソフィアは人族よね? 見たところケージと然程変わらない年齢に見えるけど、何歳から旅しているの?」
「8歳からです。えっと、今は……確か17歳です」
「旅をする理由は? やっぱり教えられないかしら?」
「ごめんなさい。まだ誰にも言ったことがなくて……」
「そう。それなら、これ以上は聞かないわ。ただ、この街で、このお屋敷で、腰を据えて見る気はない?」
「使用人になれということでしょうか?」
「ううん、違うわ。あのね、冒険者ギルドの受付嬢にならないかなって。住む場所は、この屋敷で……昨晩はごめんなさいね。驚いちゃったでしょうけど、あれを我慢というか気にならないなら……多分慣れると思うけど、ずっと居ても良いのよ」
「冒険者ギルドの受付嬢ですか!? 特定の街に留まり定職に就くことなんて考えたこともなくて……」
「時間はたっぷりあるわ。ゆっくり考えてね」
「あ、あの……。受付嬢がお休みの日に冒険者として働いても構いませんか?」
「う〜ん……。良いんじゃないの?」
「いいのですか!? それなら……」
ソフィアさんは、しばらく俺を見つめて、「お願いします」と答えた。
「あっ。今更ですが、何で見ず知らずの私をお屋敷に泊めたり、職まで斡旋して頂けるのでしょうか?」
「まぁ、それはソフィアをひと目見たときから信用するに足る人物だと思えたからよ」
勝手に採用しちゃっていいの!?
ギルドマスターの立場は!?
ご主人様が冒険者ギルドの人事権を掌握していることに驚いた。
一体、ご主人様は何者なんだ!?
急遽、冒険者ギルドで働くことになったソフィアさんの昼食のお弁当を急いで作る。
冷凍食品などないこの世界のお弁当作りは意外と大変なのだ。
お弁当もどうにか間に合い、三人で冒険者ギルドに行く。
ご主人様は、ギルドマスターに採用の報告をするためソフィアさんを連れて奥に行ってしまった。
初級クエストボードから本日受けるクエストを吟味していると、受付カウンターの方から言い争う声が聞こえてきた。
振り返ると、既に野次馬達が集まり始めている。
「何でよ? この街に来る途中に魔物となんて、何回も戦ったにゃ…‥わ! それなのに何で、街中のお使いクエストから始めなければならないのにょ!!」
「ですから、強さだけが冒険者に求められているものではないのです。現にノディールさんは、冒険者ギルドの輪を乱していますよね? そういう共存共栄の……」
「わ、私が他種族だからか? スレンダーキャット族だからにゃ‥…か!?」
「ち、違います。冒険者ギルドは、依頼者からの条件は別として、種族・性別・年齢で差別など一切いたしません!!」
「うわぁぁぁ〜ん!! わたじが…‥ひどぞぐじゃないがらっで……びどいにゃ」