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6話



第二層のボス部屋も第一層の時と同じデザインの扉だった。


「よし····」


準備万端で来たので、意を決してボス部屋に踏み込む。

やはりボスは中央に佇んでおり、こちらの様子を伺っている気配もない。


〜〜〜〜〜〜〜〜


名前:ダンジョンオオカミ(統率種)

性別:♂

レベル:15

体力:100

力:80

速度:200

魔力:50

知力:130


HP:2000/2000

MP:500/500


保有スキル

[配下召喚Ⅳ(等級:希少)][身体強化Ⅲ(等級:ノーマル)][統率Ⅴ(等級:希少)]


〜〜〜〜〜〜〜〜


[配下召喚Ⅳ]:自身の種族の下位種族を召喚可能。召喚可能数はスキルレベル×2体。

[身体強化Ⅲ]:体力と力を増強。倍率はスキルレベル×1/100。

[統率Ⅴ]:スキル所有者の配下全てのステータスを増強。倍率はスキルレベル×1/10。


配下召喚に関しては、このボスオオカミは普通のオオカミを8体召喚できることになる。

身体強化はボスオオカミの体力と力の0.03倍の数値を上乗せする事になる。

統率は配下のオオカミのステータスすべてに0.5倍の数値を上乗せすることになる。


対して僕のステータスはこんな感じ。


〜〜〜〜〜〜〜〜


名前:間宮藍華(まみやあいか)

性別:男

年齢:19

レベル:30

体力:500

力:500

速度:1500(+50)

魔力:500

知力:500


HP:5000/5000

MP:5000/5000


保有スキル

[御都合主義(等級:ユニーク)][鑑定(等級:ノーマル)][黄金律(等級:神話)][魔法適正(等級:希少)][魔法想像(等級:幻想)][千里眼(等級:伝説)][転移(等級:伝説)][疲労回復(等級:ノーマル)][剣術(等級:ノーマル)][経験値効率化(等級:神話)][疾風走破(等級:聖遺物)][浄化(等級:希少)][異空間収納(等級:幻想)][特級召喚術(等級:神話)]


位階:2(聖人)


〜〜〜〜〜〜〜〜


こんな感じで、レベルに関しては[経験値効率化]の恩恵でどんどんレベルが上がっていった。特に速度に関しては[疾風走破]の恩恵もあって素晴らしいことになっている。

そして新しく追加されている[特級召喚術]に関しては、複数のオオカミを相手しているときに「もう少し人手がいたら楽なのになぁ」と考えていたらいつものようにインストールされた。


[特級召喚術]:神性を有する存在以外の全ての生命体を召喚可能。


とまあ、なんともな性能なので今まで使わずに居たのだが····


「僕も仲間がほしい····」


今まで一人で探索を続けてきたので、切実に人との関わりがほしい。

なので、召喚を発動させた際に強く人の姿をイメージする。


「召喚に応じ参上いたしました。主様。どの様なご用命でしょうか」


そうして現れたのは一対の純白の羽を持つ天使だった。


「主様。私は“天使”ではなく“使徒”にございます」


あれ?天使と使徒ってほぼ似たような存在じゃなかったっけ?

とか僕が考えていると、


「厳密には“天使”は神に仕える直接の部下。“使徒”はその天使の眷族といった具合ですね」


「ああ、そうなんだね。それと、僕のことは藍華って呼んでくれたらいいよ」


「分かりました。藍華様。私のことはパルヴァティと····好きなようにお呼びください」


「ん。じゃあ“パール”でいいかな?」


「はい。勿論でございます」


僕がニックネームを付けたパールはとても美しい女性型の使徒だ。

天使や使徒には性別が無いらしく、男性型、女性型と器としての身体が用意されているだけで、魂だけ乗り移れば男性としての見た目にもなれるそうだ。


「それじゃあ早速なんだけど、お願いがあるんだ」


「はい。何なりと」


「目の前に居るオオカミたちを相手に僕と一緒に戦ってほしいんだ」


「はい。もちろん構いません。ですが、あの程度の相手でしたら私一人でも十分に対処可能ですよ?」


「ああうん。なんとなく分かってたけど····気持ちは嬉しいけど、僕も戦闘には慣れていきたいからできるだけ任せっきりにはしたくないんだよ」


「そういうことでしたら分かりました。では私は藍華様が戦いやすいようサポートに徹しますね」


「分った。それじゃあ宜しく頼むよ」


「はい!お任せください」


「それじゃあ行くね!」


その声を合図に、ステータスを生かして高速で狼に近づく。

すると、すぐに召喚陣が8つ現れ、そこから配下のオオカミたちが出現した。


「私は取り巻きのオオカミを相手しますので藍華様はボスに集中して下さい!」


後背からパールの声が飛んでくる。


「分った!」


ボスの方に駆けながらパールに返事をする。


ボスは依然として初期の位置から動いていない。

僕は走りながら剣を構えて力を溜める。


「グルルゥゥゥ!!」


オオカミまであと5メートル位になってからようやくボスは動き出し、僕の方目掛けて吶喊してきた。


「っ!」


恐らくその攻撃を受けても然程ダメージは受けないだろうが、紙一重で躱す。


そのまま勢いを殺さず、背後ががら空きな狼の背中にロングソードを叩きつけた。


「ギャオゥゥゥンッッ!!」


とかなんとか、そんな悲鳴?をあげてボスオオカミは一撃で沈んでしまった。


「えっ····?」


弱すぎないか?

純粋にそう思った。


「おめでとうございます。藍華様。見事な戦いぶりでしたよ」


と、呆然としていた僕にあっけらかんと称賛の声を掛けてきたのは、いつの間にか8体のオオカミを倒していたパールだった。

パールは朗らかに笑みを浮かべながら僕の方へと近寄ってきた。


「えっと····いや、思ったよりオオカミが弱くてね····」


「ええ、藍華様のステータスと比べるとあのボスのステータスは非常に低かったので····それで一撃となってしまったのでしょう」


「そうなのかな····っと、そういえばパールはいつの間にオオカミを倒したの?」


「····ふふ。藍華様がボスの攻撃を躱していた頃には」


「はやっ!」


召喚したときから相当実力が高そうだとは感じていたが、それでもまだ予想を上回っていた。僕が駆け出してからボスの攻撃を避けるまでの数秒の間に、弱いとはいえ8体のオオカミを倒してのけたのだ。その実力は推して知るべきだろう。


「藍華様。こちら戦利品になります」


と、不意にパールが渡してきたのは8個の魔核だった。先程の取り巻きのオオカミの分だろう。

僕の足元にも先のボスのものと思われる魔核が転がっている。


更に、ボスを討伐したので宝箱も現れている。


「藍華様。提案がございます」


「なんだい?」


「そちらのボスの魔核と、藍華様の得物であるロングソードを少しお時間を頂ければ魔剣に錬成できます」


「何だって?」


「ですから、その魔核と、ロングソードを錬成して魔剣にできます」


「そ、そうか。ところで魔剣って?」


「はい。魔剣とはその名の通り魔力を帯びた剣のことを指します。魔力を帯びた剣は通常の剣よりも切れ味に優れ、また刃こぼれもしにくくなります。ただし、魔剣は使用するだけでMPを消費しますので、その点だけは注意が必要です」


····パールの説明を聞いた限りではデメリットよりもメリットの方が遥かに大きい。MPの問題も、魔剣がどの程度の量のMPを消費するのかにもよるが、3000もあるMPがすぐに尽きることはないと思われる。


「MPってどれぐらい消費するの?」


「そうですね····私がこれから作ろうとしている魔剣でしたら1分間に10程度でしょうか」


1分間に10····それならば今の所最大で300分間は魔剣を用いた戦闘ができるわけだ。十分に実用的だ。


「分かった。それじゃあ頼むよ」


そう言って僕はパールにロングソードと魔核を託した。




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