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プロローグ




ある日、世界は変革の波に襲われた。それは全ての人類に否応なしに訪れるものだった。


その日から人類はステータスとスキルに縛られることとなる。どうしてそんな事になったのかは不明。

何もかもが一切分からないうちに一夜にして世界の理は書き換えられたのだ。


そして、人類はその変革の際に一つだけボーナスを与えられた。


それは『ランダムスキル』。当初はネット上などで盛んに考察などが行われたが、好奇心に駆られた人々がそのスキルを使用した結果、『身体強化』とか『鑑定』、『剣術』など。更には『火魔法』なんてものに変化することが判明した。

その日、人類はステータスとスキル。それに付随して魔法をついに手に入れたのだ。


そのことが判明してからというもの、多くの人々はランダムスキルを使用してスキルを入手した。


斯く言う僕だってその一人だ。

でも、そうして手に入れたスキルは意味不明だ。



〜〜〜〜〜〜〜〜


名前:間宮藍華(まみやあいか)

性別:男

年齢:19

レベル:1

体力:10

力:10

速度:10

魔力:10

知力:10


HP:100/100

MP:100/100


保有スキル

[御都合主義(等級:ユニーク)]



〜〜〜〜〜〜〜〜



「御都合主義ってなんだよ····」


せめて鑑定とか使えれば調べられるんだけど····完全に無いものねだりだな。


『スキル鑑定をインストールしました』


「は?」


思わず変な声が出た。


「えっ?まって、鑑定?インストール?」


もう一回ステータスを見てみる


〜〜〜〜〜〜〜〜


名前:間宮藍華(まみやあいか)

性別:男

年齢:19

レベル:1

体力:10

力:10

速度:10

魔力:10

知力:10


HP:100/100

MP:100/100


保有スキル

[御都合主義(等級:ユニーク)][鑑定(等級:ノーマル)]



〜〜〜〜〜〜〜〜



「えっ?増えてるし····まあいいや。取り敢えずこれで調べられる」


すぐに鑑定を使って調べてみる。


[御都合主義]:保有者がその時必要だと思ったことに対して最適なスキルを自動インストールする。自動インストールされたスキルにはレベルはない。


「チートじゃねえか!!?!」


思わず叫んでしまった。

いや、でも許してほしい。これは誰でも叫ぶと思う。要するにこれはその名の通り御都合主義なのだ。ありとあらゆる事は自分の都合通りに進むようにされる。要するにチートだ。


「いやでもこれはないでしょう····」


人類にステータスが実装されてハイ終わりとはならなかった。ステータスやスキルが発現して暫くすると今まで何もなかったところに唐突に洞窟が現れていたのだ。その洞窟はあらゆる場所で見つかっている。

山の中、街の外れ、街の中心部、駅、etc…


特に建物の中に現れた場合はその建物を一部侵食しているためたちが悪い。


「でもなぁ····スキルとかステータスとかって言っても、現状役に立たないし····鑑定は役に立つけど、でもなぁ····」


本当に切実にお金が欲しい。いや、就職失敗してマジでお金が無い。バイトいくつも掛け持ちしてるけど、お金は貯まった側から消えていく。


『スキル黄金律をインストールしました』


「あ」


そう言えば御都合主義ってそういうのだった。


[黄金律]:このスキルの保有者は何もしなくても莫大な財産を築きます。


いやもうツッコミどころ満載だよ。

なに?何もしてなくても貯まるって?逆になんで何もしなくても貯まるんだよ?お布施か?


ていうかこのスキルパッシブっぽいよな?(説明文的に)


「しばらく放置で」


取り敢えず気にしない事にする。そうだ。自然に金が増えることはいい事じゃないか。良心が悲鳴を上げているが。


それからもスキル関連のことをネットで調べてみると、やはり魔法系のスキルを発動させるにはMPを消費することや、どうやらステータス獲得以前にスポーツをしていた人とそうでない人を比較しても初期ステータスに差がないこと、身体障害者ではステータスに『部位欠損』と表示されることなどが分かった。


更には関連して新たに出現した洞窟についてはやはりダンジョンではないかなどの考察がされている。現在は警察か自衛隊が見つけ次第封鎖していて入れないようだ。

政府のホームページでも洞窟を見つけても無闇に入らないようにすることと、発見したら警察に通報することなどが記載されている。


「はぁ、ダンジョンかぁ····何かよくわからない世界になったなぁ····」


いやまあ、そういう創作物があるのも知ってるんだけど、こうしていざ現実に起こってしまうと何が何だかよく分からないというのが正直な心境だ。

でも、こうして異世界感が現実に現れるのはなんだかワクワクするし、魔法も使ってみたいと思う。


『スキル魔法適正をインストールしました』

『スキル魔法想像をインストールしました』


····魔法も使えるようになったみたいだ。

そして正直なところ、ダンジョンにもワクワクしているし、言ってみたくもある。


『スキル転移をインストールしました』

『スキル千里眼をインストールしました』


····多分ダンジョンにも行けるようになった。


「はぁ····マジで御都合主義····」


前途は有望だが先は思いやられる。




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