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神々たちの日常  作者: ほなみかん
新参者の神様
6/9

ようやっと始まる物語


ようやっと落ち着き、鼻をかんでいる従者に対し、少し疑問に思っていたことをたずねる。


「冥界の様子は?」


瞑はすぐに顔を上げ顔をシャキッと整えると、


「そうですね…まぁかなりヤバイといった感じでしょうかね…最近第四世界の小世界にて人口の八割が失われるほどの災害がございまして…」


「それはもう聞いた。」

確か、冥界は大忙しなんだっけ?

その冥界の状態を聞きたいんだけども…


「そうでございましたか…それでは、死者の多さからくるトラブルに関してはお耳に入りましたでしょうか?」


死者の多さからくるトラブル?何それ聞いてない。面倒ごととかだったらやだなー…

まぁ、十中八九面倒ごとだと思うけれど…

忙しいとかじゃないの?まぁ違うだろうな…

はぁ…

「聞かせて。」


「はい。現在冥界ではあまりの忙しさに倒れる神や眷属が大量発生しております。さらに、人員不足や、死神の仕事過多などその他諸々の問題が浮き彫りになっている状態です。そして、あまりの死者の多さに、死者の魂が元の世界の輪廻転生の輪から外れてしまったり、別の輪に誤って入れてしまったりなど、トラブルが多発しております。」


…予想以上に面倒なことになってたー…


とりあえず人員不足なのはなんとなくわかってたけどね。もう少し眷属を増やすべきか。それとも新たに冥界の管理用の神を創って増やすか…

いやダメだ、ヤツの力を借りることになる。それだけは阻止しなければ。


元の世界の輪廻転生の輪から外れるってことは異世界転生が多発してるってこと?

転生時に元の世界の記憶が残っていたとして、その世界にはないものを流通させてしまう恐れがあるわけか…


世界バランスが崩れるかもしれない…


…あぁー…めんどくさい…


私目覚めたばっかなんだけどなー…


「して、いかがなさいましょうか?」


…今は考えなくてもいいんじゃないかな。

よし、後回しにしよ。


「後で喰と第四世界の立て直しについて話し合うことになってる。その時に話すことにする。」


それを聞いて「なるほど」という顔をした瞑は、


「えぇ、それがよろしいかと。今回の件に喰の協力は必須ですから。」


もう〜面倒だなぁ…


もう第四世界捨てて冥界の問題に集中するか?

いやでも、第四世界も捨てがたいものがたくさんあるし…

やっぱり世界の修復は必須か。


うーん…どっから手をつけるべきか…



あぁでもないこうでもないと思考の波に没頭していると、ふと(ふすま)の向こうによく知る気配と全く知らない気配を感じる。


思考を中断し、目の前の襖へ注目する。


――来たか


そう察した瞬間、襖の向こうから声がした。


「輝夜様、連れてまいりました。」


「入って。」


そう一言告げると、目の前の襖が開き、喰と、

もう一柱の見知らぬ神が室内に入ってきた。


――これが例の神か…


私は探りながら例の神を見遣った。


灰色の髪と目をしていて、生まれたばかりだからか、その神は少年の姿をしていた。


おどおどとしながら室内を見回し、瞑、私を目に入れ、両手両膝をつき丁寧に頭を下げると、


「お、お初お目にかかりますっ

先月誕生いたしました、ネ、ネットの神でございますっ!い、以後、お見知りおきくださいませっ!」


――なるほど、今更生まれる上位の神はどんなものだろうと思ったけど…


まさか、インターネットの神だとは。

まぁ確かに、二百年前に少しずつ普及し始めて今となっては人々の生活に強く根付いているし、

納得っちゃあ納得かな。






さて。

とりあえず、生まれたてのこの神に声をかけるとしようか。

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