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First world〜Devil side〜  作者: カイト
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森の湖

 私は湖に到着した。

 村人が言っていた通りきれいな湖だ。

 森の奥の秘境といった感じで太陽の光が水に反射してキラキラ光っているように見える。

 私は湖の周りを確認するが、知能のない魔物を探したがそんな者はいない。


(おかしい...、魔物がいない...?)


 私が湖に一歩足を踏み入れた途端に奴は姿を表した。

 湖の底から現れた首の長い化物が現れる。

 首の長さだけでエクセリアの二倍の身長はある。

 さらに着目するはその体、湖よりわずかに小さいがそのままズッポリと入るくらいの大きさがあり、鋼鉄のような甲羅から足が4本生えている。

 化物はエクセリアを見つけると水の魔法で槍を作り攻撃してきたが、それはエクセリアに当たる前に細切れになり四散した。

 これには理由がある。

 エクセリアは常に目に見えない風属性の刃を何重にも展開して相手の攻撃から身を守っている。

 いわゆる風の鎧だ。

 その効果範囲約2メートル。

 役人の使い魔がエクセリアに攻撃しようと近づいた瞬間に細切れにされていたのは、これに切り刻まれていたからだ。


(この程度であれば本気を出す必要もないな....)


 エクセリアは素手で鋼鉄の甲羅へとなぐりかかる。

 ガキィという金属音とともに鋼鉄の甲羅は一気に凹み中の肉体まで振動が伝わる。

 湖の化物は口から血のようななにかを吹き出しながらエクセリアを睨みつける。


(知能がないのは話せるだけの知能がないというだけか...)


 さっきからこの化物は魔法を連発してきいる、たしかに何の力も持たない村人では手に余る存在だろうが魔王の娘であるエクセリアからすれば造作もない相手だ。

 エクセリアは空に飛び上がり魔法を詠唱する。

 湖の化物は攻撃を続けるが当たりすらしていない。

 エクセリアの詠唱は2秒で終わる。

 地獄の灼熱さえ生ぬるいと思うほどの剛熱が作り出される。

 エクセリアはそれを化物へと投げつけた。

 化物は燃えながら苦しみだんだんと溶けてなくなって行く。

 後には鋼鉄の溶けかかった甲羅だけが残った。

 だいぶ抑えたつもりだったが湖の水が蒸発し少し森にも飛び火してしまったため、水の天候魔法を使う。

 雨雲を作り出し、雨を降らして蒸発した湖の水を元に戻しながら森への飛び火を消す。

 これで湖は元に戻るだろうが、気になるのはここの領主だ。

 役人にそそのかされただけであればいいのだがそんな風にも思えない。

 なぜならここの領主と我が城の仲はそれほどいいものではないので相手の領地に何があっても互いに知らない顔をしてきたのだから。

 村の現状をよくするにはまず上をどうにかしなければならない、場合によっては武力行使もあり得る。

 不戦の誓いとはあくまでも天使との戦いはしないというもので悪魔同士の戦いは終結したわけではない。

 天使との交渉を行いながら他国との戦争を続ける我が国は相当な負担を抱えている。

 それだから私の宣誓にもダンダルド殿しか来られなかったのだ。

 今や城の中には最低限の人員しかさいていない上に今回の件でそれを割くような依頼を出してきたこの村の領主は....。

 そこまで考えると嫌な予感がした。

 そう、今の城には本当に最低限度の人員しかいないのだ。

 平和になったと言ってもそれはあくまで我が城の領内のみ。

 このタイミングでの依頼を出してきたギリン村の領主にそれを駆り立てた役人。

 まさかとは思うが....。

 嫌なことばかり考えると切りがない。

 私はとりあえず村に戻ることにした。

この時代のエクセリアはチートクラス。

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