東の森
薄暗いうえに少し肌寒さを感じる森の中、足を進める。
しばらく歩いていると宝石を渡した役人が薄笑いで現れ、私を待っていたかのような口ぶりで話し始める。
「先程ぶりですね...、旅人殿.....」
「何か用か...?」
私は警戒しながら会話を続ける。
役人はパチっと指を鳴らした。
すると私を囲むように数匹異形の魔物が使い魔として現れる
役人は先程渡した宝石をちらつかせながら私を見てくる。
「これほどの品を簡単に渡す旅人などおらんよ...、大方どこぞの国の貴族か何かなのだろう....、こんな美味しい人物を簡単に逃がすとでも思ったか?」
使い魔達は私にじりじりと近寄ってくる。
「大丈夫だ、ちょっと気絶してもらうだ...」
使い魔が私の半径2メートルに近づいた時何もない空間で細切れにされた。
役人は驚いた表情で次の使い魔を私によこすが、やはり同じ結果に終わる。
細切れにされた使い魔は文字通り血を吹き出しながら空中で分解された感じだ。
私は役人を見ながらゆっくりと近づいていく。
役人は全ての使い魔を私によこしたが傷をつけるどころか近づくことさえできない。
役人は声を上げて逃げ始めた、そこには最初の薄笑いはなく、彼女の強さを恐れたひとりの悪魔の姿であった。
だがエクセリアが彼を逃がすはずがない。
彼女が手をスッと動かすと役人の足が綺麗に斬れる。
役人の足は数歩歩いた後にバタッと倒れた。
足を失い、歩けなくなった役人に近づいて私は役人に問いをした。
「お前に問う、此度の一件お前は関与しているか?」
数秒の沈黙後に関与していないというので腕の皮を剥ぐ。
役人の悲鳴が森に響き渡るが次の問いを出す。
「嘘をつくな...、村人から聞いた、お前が来てから領主がおかしくなったと...、続けて問う、お前達はこの村がこうなっていると知っていて何ヶ月放置した?」
役人は息を吸いながらゆっくりと考えてから答える。
「一ヶ月....くらい....?」
私は役人の目を手で潰した。
役人は目を抑えながらのたうちまわる。
「また嘘ついたな....、村の状況からして数ヶ月は放っていただろう?....、最後の問いだ」
エクセリアはのたうちまわる役人にゴミを見るような目で問う。
「お前が来てから徴収が厳しくなったときいた、本当か?」
役人は数秒考えた後に本当だと言った。
「なぜこの状況で徴収を厳しくした?答えてみよ」
「..........、利益がほ...
私は役人の首をはねていた。
「くだらん...、利益のために民をないがしろにするなど....、あってはならない」
エクセリアは役人の血が付着した服を水魔法で洗い流し森の奥へと進んだ。
(こんな奴らがのさばっている今の魔界はダメだ...、私が正さねばならない.....)
エクセリアは覚悟を胸に森の奥へと進んだ。