宣誓後
私は宣誓を終えると席を立ち城の内部へと入る。
私が玉座の間へと足を運んでいると三メートルはあろうかという巨体の男に道を幅かれた。
男は赤い体色に豪腕な腕と体格が良く、鎖を体に巻きつけて防具のように着こなしており、一目で強者であることがわかる。
私はその男を見ると指をさしてこういう。
「じーじ....」
私はハッとして赤面しながらコホン咳を混む。
男はエクセリアの対応を見ると笑った。
「変わらんのう、エクセリア殿、昔から何も変わっておらん」
見た目に反して優しい口調でエクセリアに話しかける。
「じ....、ダンダルド殿がいらしていたとは思いませんでしたので、他の四天王の方々も来られていませんので...」
エクセリアは四天王が空席ばかり空いていたことに不満を持っていた。
「まあまあ、他の3人もお忙しいのじゃろう、ワシも天使との友好関係を築くために色々としてましたので、エクセリア殿の晴れ姿を見られるか心配しておりました故、はっきりと拝見できたのは光栄ですじゃ」
2人はくすくすと笑いながら話をする。
「こんな話し方をしないといけないなんて王様は大変なんだなって思う、ダンダルド殿が言っていたこと今の私には理解できる気がする」
「そうじゃろう、儂はエクセリア殿が小さい時から見てきたからよくわかっておる、実際のところ儂はエクセリア殿が王の座就くことは反対したしのう」
そう、ダンダルド殿は私が王になることを反対していた。
私を小さい頃から見守ってくれたのは彼だ。
親といた時間よりも彼と過ごした時間の方が長いかもしれない。
そんな彼は私を王として育てるのではなく、1人の娘として育てたかったらしい。
故に剣を持たせてくれるのに時間はかかったし、私の本気が伝わるまでは手ぬるい修行しかしてもらえなかった。
「今思えばあの時の選択があったから今の私があるのかもしれません...」
エクセリアはダンダルドとの日々を懐かしむような声を出す。
「あの時の娘が今では魔王として活動すると宣誓するまでに成長するとはな...、人生何があるかわからないものですなぁ.....」
ダンダルドも少し寂しさを感じるようにうなづく。
エクセリアはふふっ笑い「これからも期待していますよ、じーじ...」と静かに呟きながら玉座の間へと向かった。