宣誓
最初の世界編です。
正直書かなければいけない物が増えすぎたのでこれはゆっくり目の投稿になると思います。
(これも長くなりそう....)
私が物心ついたのは5歳の時、父が不戦の誓いを立てた時のことだ。
まだ私は幼く、その時のことはあまり覚えていないが、父が何かを成し遂げたことは幼いながらに理解した。
家臣達は皆口々に何かを言っていたが父だけは満足そうな表情で笑っていたのは覚えている。
手を繋いでいた母の表情も穏やかな雰囲気ではなく、むしろ父のことを軽蔑したような目で父を見ていて少し怖かった。
その時くらいからだったと思う、父と母の仲が悪くなり始めたのは。
私は父と母に育てられたのではなく、周りの家臣達に世話をしてもらっていた。
父も母も忙しいのはわかっていたし、私がわがままを言うのは駄目だとこの時から躾けられていたので、不思議と我慢はできた。
我慢はできても両親と一緒に遊んだり、出かけたりしたくはなかったかといえば嘘になるのだが...。
そう、私は友と呼べる者もおらず、ただ教育を受け続ける毎日寂しさを感じていた。
良い物を食べて良い教育をしてもらっておいて贅沢かもしれないが、私は両親の愛情注いで欲しかったのだ。
王者としての風格、王としてのあり方などをきっちり教え込まれた私には普通の人生観などありはしない。
〜5年後〜
私は10歳になり魔王の娘として次代の魔王となる宣誓をしていた。
父も母も戻らず、四天王も人数がいないままの式典となったが魔族の者達の多くは集まっていた。
私は魔王城のテラスから身を乗り出して大声で高らかに叫ぶ。
「皆の者!!よく聞け!!、魔王キュリアの娘として、次代の王は責任を持って私が就こう、我が名は!エクセリア!」
魔王の娘の覇気のある宣誓に多くの魔族達は意気投合していたが、一部の魔族達は冷ややかな目でエクセリアを見ていた。