第六話 餓喰の黒蝶
第六話 餓喰の黒蝶
翌朝、目を覚ますと鏡の前で身だしなみを整え、自分をよく観察し今の姿が少女であることを再認識させて意識にスイッチを入れてから宿屋の朝食を食べ街に出る。
ここは、ソールデースペル皇国の街、イスー。
ログハウスから持ってきた本に書かれた情報によれば人口約2万人、半径2キロメートルを高い城壁に囲まれたテンプレベード卿が治めるイスーファントゥ州の州都である。
地球の都市規模と比べると明らかに人口は少ないように思われるが、外敵から街を守る高い城壁で囲われた都市と考えれば街一つとしての人口増加には限界があるのだろう。
また住居を構えない、行商人や冒険者などの流動的な人口をいれると倍近く膨れ上がるとされている。街を見た限りではその情報は間違ってはいないようだ。
外に出て見ればそこは賑やかな宿屋通りで、少し歩くと今度は飲食店や露店が並ぶ通りに出る。
朝から人通りも多く周りからはいい匂いが漂っていて店内、店外双方に設置されたテーブルや椅子には朝食を楽しむ客たちで賑わっている。
露店には見たことのない食材が調理され並んでいた。どうやらこの街は朝食を比較的外で取る文化のようだ。
宿屋の食事も美味しく知らない食材があったので楽しかったが、これは外で食べたほうが正解ではないかと思ってしまった。
しかし色々な種族がみられる。耳がとがって長いエルフに、動物の耳やしっぽがついているアニマー、動物がそのまま二足歩行したようなアニマワイルディ。
そして、割合的に一番多い自分と同じタイプのヒューマー。
本に書かれた通りの世界が繰り広げられていて見ていて飽きない。
ジロジロ見るのはどうかと思われるかもしれないが、実はさっきからちょいちょい色んな視線を感じているからおあいこだ。
やはり黒髪、黒眼は珍しいらしい。どの人種にも自分と同じ完全な黒はまだ見ていない。
そういえば昨日別れたクリスティアと同じ種族ジィニーは見当たらない。もしかすると思った以上に珍しい種族なのかもしれない。
しかし、猫や、子犬型のアニマワイルディが行商人をしているのは、かなりかわいい。うっかり誘いにのって買ってしまいそうだ。ついでにモフモフしたい。
今まで仕事なんかで地球の色んな場所を渡ってきたけれども異世界バケーション、言われた通りに目新しく新鮮な物ばかりで楽しい。
とはいえ先立つものをどうにかしないと生きていけないのはどこの世界も同じで、まずは宿屋の女将に聞いた道順で冒険者ギルド向かうことにする。
すると、どこか聞き覚えのある声が聞こえる。
プロテノアと呼んでいるな。そういえば自分だったかと声の方を見ればカフェの店外席から大男が手を振っている。
見覚えが今一つないが、出会った人間から割り出せば答え簡単だ。
騎士ガルヴァスだ。先日とは違い、ゴツイ鎧兜姿ではなく軽装な騎士のユニフォームを着ていて一瞬分からなかった。私は手を軽く振りガルヴァスのところへ向かう。
「おはようございます。サー・ガルヴァス」
「おはよう、ミス・プロテノア。昨日はよく眠れましたかな?」
「お陰様で紹介して頂いた宿屋の居心地が良くて良く眠れましたわ」
「おお!それは良かった。それで本日は・・・ああ、こちらの方面ですと冒険者ギルドに向かわれるのですかな?」
「はい。これから旅をするのにも先立つものが必要ですからね」
「では、よろしければ某がご案内いたしましょう。レディに不慣れな土地を案内をするのも騎士役目、気になさらずお任せください」
「ありがとうございます。よろしくお願いいたしますわ」
そう言うと、ガルヴァスは代金を払い店を出て冒険者ギルドまで案内してくれた。
いろいろ話しながら10分ほど歩いただろうか。冒険者ギルドにたどり着いた。
かなり頑丈そうな造りの3階建てで朝から人の出入りも多い。
ガルヴァスの話によると半分くらいはギルド員かギルドにかかわる商人や役人、あとは依頼人との事だ。
半分とはいえ、もともと多いので冒険者の数はかなりいる。そうなると依頼の取り合いが激しそうに思えるのだが、実際はそこまでではないらしい。
割のいい依頼は取り合いではあるらしいが、それ以外の依頼は料金もそれなりか依頼料が高い分条件が極端に難しい物が多いとの事だ。
見慣れぬギルド内を観察していると、ガルヴァスが紳士的に冒険者ギルド登録のカウンターまでエスコートしてくれる。
様子を伺う限りどうやらガルヴァスはギルドで顔が広いらしい。沢山の人と挨拶を交わしている。
カウンターに着くと、無人だった受付にアニマーの女性がすぐさまやってくる。
「おはようございます、ガルヴァス様。おや?朝から黒髪の美しいお嬢さんを連れて歩いているとは中々に羽振りがいいですね」
突然、カウンターの女性は皮肉じみた挨拶をする。二人は仲が悪いのだろうか?
「おはよう、ミス・イーニャ。いや何、先日知り合ったばかりでしてな、どちらかというと侯爵様のお客人です」
「ああ、なるほど。侯爵様なら納得ですね。それでこちらに来られたという事は、こちらの方の冒険者ギルド登録ということでよろしいですか?」
「うむ、よろしくたのむ」
本人を目の前にしながら何か納得しているイーニャ。そしてイーニャの皮肉じみた発言を一切気にしていないガルヴァス。
すぐにイーニャは視線を私に変えて話しかけてくる。
「おはようございます。私ギルド内で受付をしておりますイーニャと申します。本日はギルド登録ということですが何か身分証明書をお持ちですか?」
「あ、はい。こちらですわ」
そう言われると私はあの身分証を渡す。
身分証をみたイーニャは眼を丸くして猫の様な三角形の耳を全力で立たせている。
角度を変えて覗いてみたり光に透かして見たりしてから、カウンターに設置された大きな水晶のようなオブジェに接触させる。
すると身分証明書全体が光り、それを見て受付嬢はさらに驚く。光が消えた後も身分証明書の裏をみたりと興味深そうに観察する。
「あ、はい。ありがとうございます。これは凄いですね。通常は偽造防止の為に小さな特殊な魔晶石をカードに埋め込んであるはずなのですが、カード自体が魔晶石で作られているものは初めてです。指定された形式から外れてないですし本物と認証されたので、この身分証明書は全く問題ありません」
「侯爵様にその身分証明書の代わりに冒険者ギルドカードを作ってもらった方がいいというとの事でここに来ました」
「確かにそうですね。それは出身も含めあまり他人に見せない方がいいかもしれませんね。それではこちらの用紙に名前の記入をお願いします」
そう言われると用紙を渡される。
こんなこともあろうかとロッジで名前を書くのを少しだけ練習していた。
たどたどしいが何とか書く。
「はい、ありがとうございます。そうですねガルヴァス様もいるようですので、彼に保証人になっていただければ少しばかり試験はありますが冒険者のランクをいくつか上げた状態から始めることができますがいかがしますか?」
どうやら冒険者ランクで受けられる仕事が変わるようで一番下のクラスでは、本当に小間使いな仕事ばかりで実入りも少ないとの事。
一からランクを上げるのもなかなか大変らしい。ランクはSを最上級にA~Fまであるらしい。
特にE、Fランクは魔物討伐依頼はできず、Fに限っては街中での活動のみで小遣い稼ぎの一般的な労働のような物らしい。
なので多少実入りの良くなる討伐依頼が可能になるDランクを飛び級で受けることにした。
有り難い事にガルヴァスが保証人になってくれた。彼曰く、ゴブリンとオークとはいえ10を超える魔物を一人で相手にして傷一つおわずに
立ち回っていたのだからDランクの試験など余裕であろうとのこと。
なるほど、あの時は流石にそこまでは考えていなかったな。多少の怪我ぐらいしておくのが良かったのだろうか?
いや、痛いのは嫌だし、不思議なことに男の時は気にもしなかったが、この体には傷をつけたくないなーとか思ってしまう。
とはいえ、それが飯ウマの種になるんだから結局その判断で良かったのかもしれないな。
飛び級テストを準備に少し時間が掛かるとのことで暫しガルヴァスと待っていたが、突然イーニャがやってきてカルヴァスに耳打ちをする。
驚いた後に顔を険しく歪ませると、急な仕事ができたので申し訳ないが戻らなければならないと、真剣な眼差しで伝えると去っていった。
その時は街の安全を任される騎士なのだからよくあることだろうと気にせず、時間が来るまでのんびりしようと二階のカフェに向かう。
すると見慣れた二人組を見かける。向こうも気が付いたようでピンク色の肌をした少女は全力で手を振っている。どこか先ほどいたガルヴァスを彷彿させる手の振り方である。
うん、もしかしたらあの二人は似ているのかもしれない。よくわからないが。
「ノアー!おはよう。昨日ぶりだね」
「あらあらまぁまぁ、おはようございます。早くも再会できましたね」
「おはようございます。お二人とも」
元気娘を絵に描いたようなジーニィのクリスティアと、これまたアニメか何かで出てきそうな、おっとり系お姉さんエルフの・・・えーと?
そういえば全く気付かなかったが名前を聞いてない事を思い出した。
たしかクリスティアが何度か呼んでたきもしたが思い出せない。なんだかこのまま流すと永遠に聞けないような気がしたので覚悟を決めて聞くことにする。
「えっと・・・そういえば私、貴女のお名前を伺った記憶がありませんわ・・・」
「あらあらまぁまぁ。わたくしも名乗った記憶がありませんわぁ」
「ああーホントだ、ボクにも記憶がないや!」
そんな感じで自己紹介からはじまり、ここに来た経緯を話し合った。
ちなみにエルフの女性の名は、リーミア・エルコード。見た通り魔法使いでC級冒険者とのこと。ちなみにクリスティアはD級冒険者だった。
二人はオタク侯爵の依頼完了を報告しに来たとの事だ。
折角なので同席させてもらい、紅茶のような物を飲みながら他愛のないギルド関係の話に花をさかせて時間をつぶした。
小一時間たって下の階へ試験を受けに行くと、二人は私の戦ってる姿を見たいと言い出したので一緒にいくこととなった。
どうやら試験の手助けは出来ないが見学することは可能のようである。
どのみちガルヴァスにゴブリンとオークの戦いである程度戦えることはバレてしまっているのであきらめて戦いを見せることにした。
受付にいくと先ほどの受付嬢が実践訓練場に案内してくれた。
「ほほぅ。お前がロビーで噂になってた黒髪黒眼の少女か。俺はここの実践訓練及び試験を担当するダーナンドだ。いきなりD級とはいい度胸だ。なめてかかると死ぬから覚悟をするんだな!」
そう言ってきたのはガチムチマッチョの身長190はありそうな巨漢のヒューマーの男である。
「はい、よろしくお願いいたします」
「これからプロテノアには3試合おこなってもらう。相手は全部魔物だ。3匹とも戦闘不能にすれば合格だ」
そういうと、巨漢とは思えない身の軽さで観客席のような高く見下ろせる場所に飛び上がり仁王立ちする。
その近くに、クリスティアとリーナがベンチに座っている。
私は、ポシェットから愛刀 "光切兼忠" を取り出し、後ろのリボンがほぼほぼ本体になっている腰の帯に差す。
「では、これからプロテノアのD級昇格試験を行う。はじめ!」
掛け声がすると、魔物用出入り口から、大きなウサギのような魔物がでてくる。ウサギというには凶悪な面というか気配がある。
地球の時よりも体が小さくなった分だけ少し大きく動くような意識で素早く抜刀し、そのまま襲ってくる魔物をぶったたいて場外ホームランのようにぶっとばす。
あえて切らずに叩いてみることにした。もちろん峰打ちなどではなく刃の部分だ。"光切兼忠" は "刃物で切る" という概念を現した刀である。
日本刀は切れ味のすごさで有名な武器ではあるが、その真価は使い手の切る技術で決まる。
刀も、"刃物で物を切る" という物理現象を最も効率化した振り方をしなければ言うほど切れないのだ。
そしてその概念を現したのがこの刀で、極限を超えて切る振り方ができれば名前が指すとおりに物理を超えて"光すら切る"ことができるのである。
そして逆に切れない振り方をすれば、物理超えて全く切れなくなる。まるで金属バットのような鈍器にかわる。
手始めに練習ついでにやってみた。いわゆる「心配するな、峰打ちではないでござる」のネタ技であり、手加減技だ。
まぁちょっと呼吸力を込めすぎたせいでかなりぶっ飛んでしまったが。"呼吸力" それは古来日本に伝わる武の技術だが今はいいだろう。
吹っ飛んだウサギモドキの代わりに次に出てきたのは、デカイハチのような魔物だ。うん、なんていうかデカイ。
しっかり伸ばして測ったら体長80㎝は余裕でありそうだな。
そして、デカイのに翅をばたつかせて飛んでるもんだから煩い。とにかく煩い。デカイ虫をキモイと思う以上に。
だから、今度は攻撃するためによって来たハチの左右の翅を本体が地面に落ちる前に素早く根元から切断した。
これで終わりかと思ったら、ハチはアリのように歩きだして襲おうとするので、頭と体をつないでいる関節部分でスッパリと切り分けた。
流石は虫の魔物というべきか、頭を切断されても少しのあいだ暴れていた。
その様子をみていた試験官は、魔物が動かなくなったころ合いを見て次を出す。
「次は、今までと次元が違うぞ。気合入れろよ」
そういうと檻が空いて魔物がでてくる。
魔物が視界に映る。ただ一言 「なんだこれは」といいたくなる。 姿は筋肉隆々の鬣のない大きな獅子のような感じではあるが、その体は傷だらけである。
完治はしているように見えるがひどい傷跡だらけで毛も無い所が多い。。
その眼には、絶望、悲哀、憤怒と憎悪の混じったような感情が見える。それが否応にも私の記憶を呼び覚ます。
かつて地球で極秘裏に非人道的に人体実験を繰り返されボロボロになった少年少女達の姿を。そして最高にクソな研究員達を。
こいつはきっと幸か不幸か手にした強い生命力が仇になったのだろう。かつての少年少女達と同じだ、死ねればもっと楽だったはずなのに。
首にも派手に切られた跡がある。戦って死ぬことができず、また戦って、また死ねずに、再生と死を数え切れないほど繰り返してきたのだろう。
ある時は連戦で、またある時は一方的に弄られていた気配もある。そして治療されるだけでなく体を改造された後すらも見える。
魔物とはいえ余りに残虐な拷問といった方が寧ろいいだろう。
檻が空くと、気だるそうにその魔物はゆったりと歩き出す。
私を戦う相手として認識したのだろう。すると突然、気が狂ったように暴れだす。
落ちてる虫の死骸を気にすることもなく蹴とばし踏み潰している。見境がなく何をすればいいのか分からない程に暴走している。
私はこの魔物の名前も生態も知らないが、何となくわかる。ヤツが既にあるべき姿ではなく戻れぬ領域に堕ちてしまっていることを。
きっとまともな方法じゃ今回も生き残って苦しむだけなのだろうな。そう思うと魔物には伝わらないだろうがついつい声をかけてしまう。
「もう終わりにしよう。ううん・・・今、私が終わらせる」
どこからか強い感情が溢れてきた私は魔術を起動する。
かつて悪友と考えた概念を形にして操る魔術。
際限のない狂える飢餓と暴食を具現化した概念魔術の改造版 "餓喰の魂塊・改"。
昨日この世界でこの身体が使うように調整したばかりで試運転も何もしてないが恐らく問題はないだろう。
「冥府の底より巡り永久に満たされぬ渇きの"飢餓の魂魄"よ、我の呼びかけに応えその姿を現した給え」
無詠唱魔法は悪目立ちしそうなのでレゲメトンの音声認証を詠唱っぽく長く設定してある。
すると小さな魔法陣が俺の周りに複数現れ、直ぐに漆黒の蝶へと変化する。
ひらひらと舞う5匹の蝶は魔物の周りに飛んでいく。魔物はそれに気を取られ、それらを潰そうとするが当たることはない。
最後には5匹の蝶は同時に翅を休めるように魔物にとまる。
「永久なる飢餓の魂よ、今その渇きを解き放ち暴喰となりて汝の御霊を満たせ!」
そう俺が詠唱すると一瞬で蝶は漆黒の大きな球体になったかと思うと一瞬で縮まって消失する。
球体があった場所には何も残らない。飢餓の魂魄に喰われたのだ。わずかな部位が球体から外れて残った物のそれ以外は血を流すこともなく消失する。
僅かに残った魔術の残滓が実践訓練場に差し込む光に反射して黒蝶の鱗粉の様に煌めきながら宙を漂う。
「もうお前を狂わせるモノはない。今はただ静かにおやすみ・・・」
そう言葉の後に、虚空に舞う煌めくの黒き鱗粉を振り払うかの様に白銀の刃を血振りし納刀する。
静寂が響く世界は戦いの残心の様に佇んでいる。
「―――――ッ!?」
"概念魔法・餓喰の黒蝶"
突然、耳鳴りのような物が一瞬聞こえると思ったら脳内に "概念魔法・餓喰の黒蝶" という情報が広がっていく。
突然の事で困惑しそうになるも、何故かすぐにそのすべてが自然と受け入れられていく。
これがこの世界でいうスキルや魔法が閃くという事なのだろうか?
しかしオリジナルの魔術を使用したにも関わらずに魔法が閃くとはどういうことなのか?
謎も多いが神様って奴の作るものは人間には理解しがたい物が多いから、そういう物だと割り切ることが必要かもしれない。
思考を外に戻すと訓練場は未だ静寂に包まれていて魔力の残滓は消えていた。
きっと彼らには見たこともない魔法が一瞬で魔物の存在を消しつくしていたので何もいえないのだろう。
メガネの位置を修正するように指で触れると、静寂を破るために声を掛ける。
「これでよろしいですか?」
そう試験官に話しかけると我に返ったように返事をするが、動揺を隠せずに合格の返事をする。
上にいたクリスティアとリーミナも少し興奮気味にお祝いを伝えに来た。ついでにさっきの魔法は一体なんなのかとか質問攻めにあった。
少し派手にやりすぎたかもしれないがこれでいいと思っている。自己満足と言われればそれまでだがアレは放置できなかった。
生きていく為、自らの道を進む為に命を奪う事は躊躇しないし罪悪感も必要以上に持ちはしないが、命を弄ぶ事やあるはずの生き様を軽んじるやり方は許せない。
矛盾しているように思うかもしれないし、それはただのエゴかもしれないが、それが私の生き方だ。
もちろんそれが間違っていて許さないという奴らもいて、命を奪いに来ることもあった。
その時はただ、お互いのエゴを通すために殺し合いになる。そして生き残った方がそのエゴを押し通せる。
もちろん間違いを正してくれる仲間達もいるし全て死合いになるわけではないのだけれど。
ああ、そうそう、ちなみに実験体にされた少年少女達の救出は勿論成功した。
ついでに彼ら彼女らの持つ実験台にさせられた時の痛みや恐怖、記憶、失った体の感覚などをすべて研究員と戦闘員、全員にまとめて共有させてやった。
そのおかげで大半のクズ共はそれに耐えれなく発狂し廃人になって救出ミッションは楽なものだった。