第四話 異世界のバケーションは迷子から
第四話 異世界のバケーションは迷子から
「腹減ったなぁ・・・ついでにこの景色も飽きた・・・」
意気揚々とログハウスを出たのは3日前である。今ではただただ腹がなるだけである。
地球と違い魔素があふれるこの世界なら精神力が持つ限り、魔力が使える状況を楽しみながら来たのだが、3日もたてば慣れる。
そして、周りの景色は荒野がただただ続いてる状況で精神的にもきつい。
もうなんか飛ぶ気にもならなく空腹感に悩まされながらフラフラ歩いている。
どうしてこうなったのか。まぁ大体の理由は判明している。東西南北の判断を地球と同じにしてしまったあたりがどうやら原因のようだ。
何せ今も昼間に浮かぶ月が二つあるのだ。地図はあるけど今の場所ははっきりしない。
何か珍しい植物や動物あるいは魔物がいれば、持ち出してきた図鑑で場所が判明するというものだが、
僅かに生えてる草は広範囲で生息しているものばかりだし、魔物もゴブリンやオークといったどこにでもいるのばかりで判断がつかない。
食べれそうな物なんてもってないし食料にもならない魔物なので無駄な体力の消耗になるだけなので倒してすらいない。
とりあえず岩山を見つけたのでフラフラと頂上に立ち、願を込めて周りを確認する。
うん?なんだか遠くから団体が迫ってきている。騎兵らしき物がいくつか見える。それとは別に馬車が1台、荷台が1つほど。
かなりまだ距離があるが、進行方向近くにはゴブリンとオークが群れている。おそらくではあるがこのままあの馬車の一行が進めば戦闘になるだろう。
さて、どうするか?
1、戦闘になるまで待ち戦闘に入ったところで食料と道案内を引き換えに戦闘に加わる
2、先に戦闘を行い、苦戦を演じ助けてもらう。
3、戦闘に入るもっと手前で行き倒れるふりをする。
4、普通にヒッチハイク(?)をする。
さて、どちらもあの馬車の一行が真っ当な人間であることが条件である。
まぁ逆に相手が賊か何かであればこちらがすべて奪ってしまうのもありか。
しかし、異世界の初めての触れ合いが殺し合いというのはいかがなものか。というわけで善人であることを願いながらこの4択のいずれか選ぶのだが、
1は、向こうの護衛があの程度の魔物が瞬殺できるのならば何の意味がない。
2は、自分たちの安全のためにスルーされる可能性もある。
3も2と同じでスルーされたらたまらないな。
4はどうなんだろうこの世界で通じるのだろうか?
よく見ると魔物共のいる、さらに先は谷間となっている。土の色も少し違う。
その線状には大きな石なども見当たらないのでおそらく整備されているわけではないが、道のように多くの人が通っている経路に思える。
あの谷間の入口あたりの経路を塞ぐ様に戦っていれば通らざるを得ないので手を出すのではないだろうか?
まぁ手を出しても助けてくれるとは決まってはいないが。とりあえずこの世界の人となりを判断する材料にもなるので2を採択することにする。
ひたすらに歩いてるよりは面白そうな事が起こりそうなのでモチベーションもあがる。
タイミングを見計らって、向こうから見えないように岩山から下りて低空飛行で魔物の群れに突っ込むと挑発だけするだけして、ネットゲームの迷惑行為のように
魔物を着かず離れず電車のようにずらずらと引っ張りながら谷間付近まで連れてくる。あとは馬車の一行がたどり着くまで遊んでいればいい。
相棒の刀を抜き、オークやゴブリンの単純で感情的な攻撃をユラリユラリと躱しながら遊んでいると向こうからかなりの速度で一騎が近づいてくる。
「なんとぉー!何やら戦闘があると駆けつけてみれば可憐な少女が一人で戦っているとはーーー!」
無駄にデカイ声で騎士は叫ぶと馬の様な生き物を跳び上がらせ着地ついでにその乗っている物の足でゴブリンを一匹葬る。
そしてターンするとオーバーなくらいに馬(仮)から空高く跳び上がり地面に着地と同時にもう一匹ゴブリンを切り伏せる。
滑稽なくらいオーバーなアクションだが、あれだけのゴツイ鎧を着ての動きを考えればかなりの異端な能力といえよう。
突然の乱入者に魔物達も動きがとまる。
「この魔物共め!卑劣にも女子供に群れで襲うとは笑止千万。このガルヴァスが成敗してくれる!」
そう大声で叫ぶとかなりゴツイ両刃の剣をぶん回す。剣のサイズとパワーからして威力はありそうだが何分動きがオーバーだ。
小柄のすばしっこいゴブリンの何匹かはうまいこと避けている。
すごいんだがすごくないんだかわからん奴だな。そう思いながら私は後ろから振り下ろされるオークの巨大な棍棒を気配だけで避ける。
ついでに騎士を背後から襲うとしているゴブリンの腕を切り落とす。
すると次に瞬間に増援がくる。
「ガルヴァス様ー、加勢します!」
そう、少女が戦闘の中に飛び込んでくる。
「おう!来たかクリスティア。この不埒なる魔物共を成敗するぞ!」
「はい」
そう答える少女は騎士とは違い、変な溜めなどなく素早く敵をナックルで殴っていくが、どの攻撃も威力はほどほどで一撃では倒しきれない。
ナックルという武器の特性もあるが、それならば刃物を持った方があの動きなら確実に仕留めれるだろう。
それよりもは気になるのは、その少女がこの世界でいう一般的な人間 "ヒューマー" ではないことである。確か本には "ジーニィ"と書いてあった気がする。
額には一対の小さな角に薄いピンク色の肌、太く長い尾をもち強靭な肉体を持つ戦闘特価の人種。本に書いてあった特徴と一致する。
何かナックルを使う理由でもあるのだろうか?などと思ってるうちに戦闘は終わりそうだ。
大振り騎士とナックル少女が効率いいとは御世辞にも言えないがしっかりと魔物を片付けてくれる。
私?私は守られる側に回るつもりなので、二人の背後で悪さしそうな奴らの手足をこっそり切り落としながらピンチを装っているだけである。
「はっはっは!邪悪なる魔物共め!このカルヴァスに勝てると思うてか!必殺のぉーガルヴァススラーッシュ!」
大振り騎士が毎回毎回何かを叫びながら攻撃してるのがうるさくて聞こえない事にしていたが、最後の一匹に放たれた一撃は聞こえてしまった。
スキルを使っているわけでもなく、魔法でもない一撃に名前がついていて彼はそれを叫んでいる。
恐らくあの大振り騎士は一度もスキルといわれる攻撃は行っていない。
逆にナックルの少女の方は、何度か同じスキルを使っていたようだ。
そうこの世界ではスキルという特殊な技が神々の恩恵として存在するらしい。
本での知識だけで初めて見たので何とも言えないが、どうやらいくつかの動作がパッケージ商品のようにセットされた状態でスキルを神から授かるようである。
授かるといっても神が降臨するわけではなく突然ひらめくらしい。その条件はそれぞれ人によって違うらしいのだが基本剣を使い続ければ
剣のスキルを、槍を使い続ければ新たな槍をといった感じだと本には書いてあった。魔法とやらも似たような物らしい。
どちらも地球に存在した技や魔術とは取得方法が明らかに違うタイプと考えていいだろう。
とはいえ、向こうの世界の事が出来ないわけではない。
ただ神と呼ばれる者達が管理しパッケージにしたスキルや魔法を解析・発展させずにそのまま使うのがこの世界の常識なのだとか。
なのでこの世界ではスキルや魔法の原理の探求などはあまりされず、そういう技術自体が発展していないらしい。
そういう意味で考えるとこの世界のスキルや魔法は匣の力に近いかも知れない。ただし多くの人が使える分、規格品として能力を制限させたといった感じだろう。
そんな考察をしながら、撲殺されたゴブリンが腰に巻いていた布を綺麗そうな部分だけを刀で切り取り、それをつかんで刀についた血をふき取り納刀する。
大振り騎士が声をかけてくる。
「お嬢さん、お怪我はありませんかな?」
お嬢さん?ああ、そういえばこの姿で他人と接触するのは初めてで呼ばれ方がピンとこないな。違和感ないように気を付けないといけないな。
「はい、お陰様で命拾い致しましたわ」
声を少し高めにスカートの裾をつかみ広げて礼をする。これは "愛らしく見える淑女の礼作法" に書かれていた内容をそのまま実践してみたものだ。
やりすぎてないか、少し不安ではあるが目の前の騎士もそうとうおかしな戦闘をしていたので大丈夫だろうと勝手に結論づける。
「それはよかった。某、クアイトヒル騎士団所属 ガルヴァス・クルファードと申す」
「これはご丁寧にお礼申し上げますわ。私はプロテノア・スパングル。ノアと気軽にお呼びください」
「あ、ボクはね、クリスティア・ドゥディグラヌィ」
話に割り込んできたクリティアという少女の苗字はなんだか噛みそうな名前だ。それ以前に正直覚えれそうにない。これは種族的な物だろうか?
まぁ地球にいた時も色んな名前もあったので、種族というかお国柄の可能性もあるな。
そんな挨拶をしていると、ガルヴァスがピィーと指笛を吹くと、少し離れて待機していたキャラバンが近づいてくる。
するとゴツイ体つきにそれが似合いそうな体育会系の顔のカルヴァスとは真逆の綺麗な顔つきの男が馬に乗って近づいてくる。
コイツは魔術師だなーという雰囲気をまとっている。
「やれやれ、これから通る道を死体まみれにして、左右のどちらかに移動して後始末がいらないようにできなかったのですか?」
「いやーすまんすまん。なに少女が襲われていたものでな、つい勢いで戦ってしまった。ハッハッハー」
すると魔法使いらしき男はこちらに目をやる。どちらかというと睨んでいるかのような目つきだ。
どうやらフレンドリーな奴ではないらしい。そんな事では顔が良くてもモテないぞ?
そんな事をこっそり心の奥底で思いながらニッコリ微笑みながら、ガルヴァスにしたようにお礼と名前を名乗る。
すると男は下馬して右手を肩にあて優雅に礼をして名乗る。
「これは名乗り遅れまして失礼しました。私はクアイトヒル騎士団所属 サンディバル・フラウワーとお申します」
おや?名乗る前となんか雰囲気が違うな。なんだろう、ツンデレなのだろうか?
すると馬車から所謂エルフと思われる女性が降りてくる。
「ねぇサンディー。侯爵様がそのお嬢さんの行く方向が同じなら馬車に乗せてあげなさいとおっしゃってるわ」
それを聞くとサディバルはやれやれといった顔で了解をし、私に確認をとってくる。
「ミス・プロテノアは、この谷のさらに先のイスーの街に向かわれるのですか?」
「え?あ、はい」
とりあえず肯定しておく。しかしイスーの街?記憶が正しければやはり本来進むべき方向とは逆に進んでいたようだ。
「それでは、よろしければ我々と一緒にいきましょう。その方が安全です」
そうサンディがいうと丁寧に馬車に案内される。
その間にもクリスティアが「あ、大丈夫だよ、侯爵様はアレだけどいい人なので」とか
馬車から降りてきたエルフは、「私がいますので大丈夫ですよぉ」とか発言している。その時点で既に"だいじょばない"予感しかしないんだが・・・。
とりあえず覚悟を決めて刀をポシェットにしまい馬車にはいろうとすると、それをエルフの女は目を丸くして見ている。何気なくやってしまったが、
刀は普通ポシェットに入らんわな。すこし不用心だったか?とりあえずやってしまったのは仕方ないので名に喰わなぬ顔で馬車に入る。
小太りの等身が低めの男が中で座っている。見た瞬間どんな人物なのか何となくわかってしまった。なんていうか発言を聞けば余計にわかるかもしれない。
「デュフ、デュフフ。僕はこの少し先の領地をまとめている オ・タクルゥティオ・テンプレーベードなんだな。デュフフ、ボクは見てたんだな君の華麗な戦いを」
もうお分かりいただけただろうか。特に説明はいらないよな。つまりはそういうことだ。こういうタイプは偏ったところがあって時折悪評も立つことがあるが、
大丈夫だろう。向こうの世界でもこういうタイプが知り合いにいないわけじゃないしな。そう割り切って本に書かれてた通りに挨拶と名前をいう。
なんか、萌え萌えキューーンしたとか、それっぽい事を言ってた気がしたがそんな記憶はなかった。断じてだ。
「デュフフ、だけど僕を運がいいんだな。こんなところで黒髪の黒い瞳の女の子を見かけるなんて」
「そうだねー。僕もこんなに真黒なのは初めて見たよー」
どうやらオ・タク侯爵とクリスティアの会話を聞く限り黒髪の黒い眼はこの世界、或いは国ではで珍しいようだ。
確かにこの一団は侯爵閣下の行列だったわけだが誰も黒い髪はいないな。
「そうですねぇ。その "お名前" と、先ほどの剣の収納方法とても興味深いですねぇ」
「収納?あ、あれホントだ、ノアの剣がない。ボクのナックルと同じソウルウェポンなのかな?」
そういえばクリスティアのナックルも見当たらないのに気がつく。
「たぶん違いますわ。腰につけた小さなケースに空間魔法が施されている、そうではありませんか?」
「貰い物なので実は自分でも詳しくはわかりません。ふふふ・・・ここは一つ、"乙女の嗜み"という事にしておいてもらえませんか?」
そう、ニッコリ笑いながら "言ってみたいワードランキング" の一つを使ってみる。だがよく考えたらこの馬車にいる4人のうち3人は乙女だった。
「あらあらまぁまぁ。それならばクリスも得物を消すことができますし、私も乙女として嗜みを身につけなくてはいけませんねぇ」
とわざとらしく悩まし気な顔をすると、デュフフ、デュフフと侯爵が笑っている。
「そういえば私の名前には、何かあるのですか?」
後々、何かあると面倒なのでこの際今聞いておく。騎士団の魔法使いサンディバルの反応も気になるしな。
「デュフフ、"スパングル" の名は、"ソールデースペル建国の七皇" の一人、"胡蝶の歌姫" と呼ばれる方の名なんだな」
なるほど、それでその歌姫の末裔の可能性があってサンディバルの態度が軟化したわけか。
「そうねぇ、でもノアちゃんの姿みたらスパングルの姓も名乗っても変に思われないわよねぇ。綺麗な黒い髪に瞳ですもの」
「うんうん。あれ?そうするとノアは、すごいところのお嬢様なの?」
「デュフフ、胡蝶の歌姫は七皇の中で最も謎の多い人物でね。フルネームですら一部の人間しか知らないんだな。だから子孫の有無も不明なんだな」
「そうですわね。あら?七皇のお話を知らないという事は、ノアちゃんの生まれや育ちはファートランドではないのかしら?」
そういえば、ログハウスの本には建国の七聖なんて話は全然なかったな。
まぁいいか、それより大事なのは "異世界旅行での身元証明の仕方" という本の実践だな。
予め、本の内容と身分証明書の内容に合わせて作った話を伝える。
内容は、両親は全く不明でトーゲンキョーという場所で育てられ、そこの長老に見聞を広めるために旅を勧められトーゲンキョーを出た事。
そしていきなり道に迷ったことである。
「デュフフフ!興味深すぎるんだな。幻の精霊の隠れ里"トーゲンキョー"の出身だなんて、それが本当であるならすごい事なんだな。何か証明できるものはあるのかな?」
「できるものといえば・・・この身分証明書でしょうか?」
そういうと私はあの、オパールのような材質でできたカードを見せる。すると三者三様の反応を見せて暫しの間驚いている。
「デュフフ、これは凄いんだな。全部がこの材質で出来た身分証など見たことがないだな。さすがトーゲンキョーの物なんだな。」
「そうね、だからノアちゃん。この身分証明書は他人に見せない方がいいわ。これを狙って悪党共が寄ってくるかもしれないわ」
「そうなのですか。わかりましたわ」
「うーん?でも、これボクが持っているのとかなり形式が違うね。それに読めない文字がある・・・」
「デュフフ、これはとても古い形式で読めない文字は最近は使わなくなった古字なんだな。僕もこの形式は古い書物でしか見た事ないんだな」
「あらあらまぁまぁ、侯爵様でもですか?たしか私の里の長老の身分証明書が、このタイプであったと思いますわ。あの方はもう1200歳にはなるでしょうか?」
「1200年?凄いね!エルフってそんなに生きれるんだ」
「そうですねぇ。ただ、長く生きたエルフは最後、樹木となってしまいます。長老様も、もう動くことのない体ですわ」
「あーそういえばボクもそんな話を聞いたことがある。あ、という事はこの身分証明書は知らない人が見たら使えないってこと?」
「その可能性はあるんだな。なので街についたら冒険者ギルドにいって冒険者カードを貰うといいんだな。あれは大抵の国での身分証明にもなるんだな。」
「それがいいわね。だからクリスも今見た証明書は他言無用よ」
「うん。誰にも話さないよ。ノアが大変な目にあっちゃうもんね」
ふむ、街についたらやることが出来たな。
あのカードももれなく破壊不可、破棄不可、紛失不可なので盗まれても帰ってくるだろうけど、変なゴタゴタや悪目立ちはしたくないしな。
しかし冒険者か。そうだな、手っ取り早くお金稼ぐには結局一番得意な事をするしかないのかもな。そんなことを考えているとカードを返却される。
すると同時に腹が鳴る。久々の人との交流に忘れてしまっていたが空腹で泣きそうだったな。
「あらあらまぁまぁ。ノアちゃんもしかしてずっと食べてないの?」
「あはは・・・その途中で食料も底をつきまして・・・」
そういうとオタク侯爵がデュフフと笑いながらパンを渡してきた。礼をいい少しづつ齧る。
本当は久々の飯なのでかぶりつきたいがそれをこらえて女子力を下げないようにする。今は弱者を気取るのだ。
その後、馬車のなかで会話が弾んだのは覚えているが色々話しすぎて逆に直ぐには思い出せない。
話しているうちに日はどんどん傾き、気が付けばオタク侯爵が納める街 "イスー" にいた。
かなり高い城壁に囲まれた街である。パッと見ただけだが建築技術はそれなりにあるようだ。
流石に地球の主要都市程とはいかないが石畳の精巧さや建築物のデザインからも中々の美的センスを感じる。
有り難いことに、そんな事を思いながら馬車の窓から街並みを覗いてるだけで、侯爵様のおかげで面倒そうな入門手続きも、審査待ちの列も無視して街に入れる。
それから街を幾らか進むと侯爵が今日はもう遅いからと自分の邸宅に泊まることを進めてきた。
どうするか迷ったが、それは丁重に断らせてもらった。理由は女子の仮面を長々と被り続けるのが疲れてきたからだ。
その代わりにログハウスから持ち出した金の欠片を一つ換金してもらい、紹介された宿屋の近くで降ろしてもらった。