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ニュクスの灯ビザーファイル・黒蝶の羽撃きは、異世界の煌めき。  作者: 七枝 繁
イスー連続少女殺人事件編
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第二十八話 使用人モドキ




第二十八話 使用人モドキ



野宿が終わり朝が来てそのまま私達は、伯爵と共にトースン州の最初の街により、そこで馬車の原動力となっているホーブルを新しく切り替えてノンストップで州都ロンガースプリングへ向かう。

ホーブルが切り替えられてからは、ドエムローは単騎でホーブルに乗り騎士らしくなっている。それまでは馭者を手伝っていた。昨日ボロボロになっていたのが嘘のように。

私は、相変わらず荷台の方に乗っていた。幌が付いているので広くて気を使わない方が楽なのだ。

何をしていたかと言うと、物にソウルアーツを発動させる練習をしていた。折角なので "光切兼忠" ではなく、銃の弾丸の方に掛ける事にした。

概念武器では余り効果がないと予想されるので、魔法が乗せられるとはいえ、通常武器であるパファダー2ndで使えるようにした方がいいからだ。

引き金引くだけで、音速を超えて鉛玉が直進していくのである。それが強化され魂に直接ダメージを与えられる様になるなら戦力アップは確実である。

色々実験しながら練習していると分かったことがある。

ソウルアーツが臨界点まで達し発動した状態になると30秒くらいは何もしなくてもその状況を保っているらしい。

そして更に便利なのが時間が止まっていると思われるポシェットに入れておくとその状態を維持している。つまり弾丸にソウルアーツを込めて、使う時だけ引き出せば隙もなく素早く使えるのである。

ただ最大の問題は私のソウルアーツの発動成功率である。色々頑張っているんだが、臨界点まで達し発動する弾丸は一時間に1発出来るかできないかという酷い成功率である。

ちなみにポシェットに入れるとちゃんと普通の弾丸と分けてくれる。357マグナムDM弾(ソウルアーツ状態)と追加表記がつく。

しかし物に付与するので肉体には負担がないとはいえ、集中力を半端なく使うので精神的に疲労困憊に直ぐなってしまうので休み休みやるしかなかった。

結局、実験に使ったり何なりで州都に着くまでに在庫としてポシェットに入れられたソウルアーツ付きの弾丸は3発だけだった。


なんだかんだでその日の夜、州都に着き高級宿泊施設に泊まる。かなり豪華なのでもう宿屋と言う言葉はもう相応しくないだろう。どちらかと言うと高級ホテルと言った方が似合うだろう。

その宿泊施設には既に二つの州の貴族が来ており、ソールデースペル皇国五大貴族が侯爵と伯爵の到着によりそろった。


・イスーファントゥ州を治める、テンプレベード侯爵とヒューマーの執事、セバス、メイドの私とリリィ

・クロフィー州を治める、アニマーのリィノー伯爵とアルビノアニマーのメイド、ナリン

・フィローク州を治める、ヒューマーのマッスリング伯爵と青いジーニィの執事ブレイズ

・ズィーヤ州を治める、エルフのミュート辺境伯と双子の少女でエルフメイドのミィリス&ネィリス


この10人と1匹で明日の朝、アルファウトル公爵の館に乗り込むこととなる。

なんだろうか?ミィリス&ネィリスを抜かせば、私を含め残りの使用人4人からは手練れの戦闘員のオーラを感じる。

まるで、アルファウトル侯爵の館で荒事が起きる、或いは起こそうとしているように見える。

護衛を兼ねると言うのならまぁ間違いはない選択なのだが・・・なんか気になるな。


そんな不安を無視して周りは、軽い挨拶をすませていく。その時に、私を・・・正確には、私が頭に乗っけているリリィを見て皆、目をギョッとさせてガン見する。

ミュート辺境伯なんか、もう教科書通りの完璧な二度見をしてきた。

それから貴族4人は机を囲み明日の段取りを確認している。

私達使用人部隊はセバスを除き部屋の隅で並んで突っ立てる。お茶やお菓子の用意などは、セバスが一人でやっている。

つまりセバス以外はやっぱり本業ではなく、この為の見栄で雇われた人間ということである。ただし手練れの戦闘員という側面を持っているが。

そのうちミィリス&ネィリスが落ち着かなくなり、今にも遊びだしそうなので侯爵が気を利かせ解散の流れとなった。いいぞ侯爵!いい判断だ。

なるほど、初めから使用人などいない体で事が進んでいて、有り難いことに使用人モドキ達にもしっかりと別の良い部屋が用意されていた。

そして全ての話が終わり、解放された使用人モドキ達は一様にして与えられた部屋に向かう。。



(ふぅー。やっと休めるな。しかし、この部屋も高級すぎてやばいな)


(そうね~。だけど、セバスを除いたら本当に誰一人として本職じゃないわね~)


(まぁ仕方ないだろう。そう都合よくレアと呼べそうな人間が使用人なんてしてくれないだろうしな。それにしても大人のジーニィは迫力あるな)

 

そう、ブレイズはクリスティアと違い大人の姿へと進化していた。角は長く、瞳孔は猫の様に細くなっていて、ハッキリと違いが私でも分かった。


(そうね~。中々の厳つい顔とガチムチマッチョな巨漢は迫力あるわね~。でもあらゆる範囲での戦闘能力だけならナリンの方が上の様に感じるわ)


(確かに、純粋に上辺だけで見た限りではそうだけど、ソウルアーツとスキルが組み合わさったらナリンは対処できるか判断が付かないな)


(ふぅん。そうねぇ~。まぁ強いジーニィならこんな依頼受けないか)


(どういうことだ?)


(いやね、ジーニィにしてはあの程度の強さなのかなぁ~って思ったのよ。神の兵の末裔と言われるほどよ、本来ならソウルアーツなしでこのメンバーなら断トツで強くなるんじゃないかしら?)


(そうなのか。ふむ、確かに進化していないクリスティアを基準を考えれば確かにそうか。ならば、非常時はナリンとペアを組んだ方が良さそうだな)


(そうね、でもあの子全然喋らないし、表情も分かりづらいから仲間として共同戦線を張ってくれるかは謎ね)


(まぁ、ダメだったら私とリリィでどうにかするさ)


(うん、その為には私も魔術の方を自由に使えるようレゲメトンを調整しておく必要があるわね)


(リリィ用のスロット調整を保存しておいて、私と使う時に切り替えられるようにしておけば楽ね)


(ついでに意表をつけるように幾つか便利機能をいじっておくか)


結局、夜遅くまでリリィと魔術の設定と二人でレゲメトンを使う為の決まり事、そして非常事態での基本行動の決まりを相談して寝る事とした。







そろそろ、連続少女殺人事件編も終わりに近づいてきました。

ちょっと数日、予定がいろいろあってパッツンパッツンの状況で書いているので、読み直していますが誤字脱字が割とあるかもしれません。見つけ次第直しますのでよろしくお願いいたします。

それでは読んで頂いている皆さま、次回もよろしくお願いしまーす。

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