防災への意識
今年の七夕は土曜日だった。
前日も警報で仕事が休みになり、個人的には
三連休だと嬉しかった。
だが、いつもと外の様子が若干違う。
大雨がいつも以上に続いていた。僕が住む県は
晴れの国と呼ばれるほど、災害とは無縁の県だ。
災害とは無縁なのだが、大きな河川が3つ流れる
土地柄、河川が氾濫した際は、被害が出ることは
昔から懸念されていた。僕が住む町も、
大昔に浸水被害に遭い、多くの方々が亡くなったと、
小学校の授業で学んだ記憶が残っている。
僕が住む町は、大きな河川の土手が囲うように
なっており、河川が氾濫してしまうと、
町自体がダムのようになり、水が入り込んで
しまう可能性はあった。
住んでいても、少し大雨が降ると、
避難勧告もよく出るエリアで、町に住む人も
ある程度は危険を認識していた。
だが、避難勧告は毎回出るが、特に大きな
被害もなく、毎回事態は終息する。そのため、
避難勧告も、町に住む人にとっては、
『またか』という感覚の人も多くいた。
少し、防災への感覚も鈍っていたのかも
しれない。
今回も当然、避難勧告は出た。しかし、
僕も含めて、ほとんどの町民は、どこか
大丈夫と思っていたと思う。
七夕の前日の夕方の時点では、こう思っていた
人が多くいたと思う。
だが、町が暗くなっていくにつれて、雨足が
強くなっていく。強い雨は止まることなく続く。
少しずつ、いつもとは違うなと
僕のなかでは気持ちが変わっていった。