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ドラゴンレセプター九《ココノ》  作者: 配康
ココノ始動編
4/18

第4話

1話当たり2000~2500字の縛りをかけて書いています。説明不足と思われるかも知れませんが、主人公も現在説明不足を感じでいるところでして、感情移入の一助になればと…。いえ、単に下手なだけです。スミマセン。

ココノは救われた。

ココノの落下予定地点にいたポッチャリ体型がサッと後ろに下がる。替わりにそこに入って来たのは最も離れた所にいたはずの大柄なマッチョであった。

他のメンバーはその移動を邪魔しないよう、それぞれの位置を巧みに移す。

ココノの初フライトに目を丸くした一瞬の間にも誰が何をどうすべきか判断していたようだ。

背中から落ちてきたココノを、クッションを利かせて柔らかく抱き止めた。

「ありがとうイツキ、他の皆も流石だね」

ココノより早く司令のレイが礼を述べた。

「ありがとう、えっと、イツキさん」

イツキはニッコリ笑って、無言のままゆっくりココノを座らせるように床に置いた。

「ココノもチャンと魔法が使えるようで、ひとまず良かった」

「司令、力の制御もままならない状態を、チャンとと言うのは語弊があります」

どこか呑気な司令の発言に反発したのはサキである。

「いや、サキの言う通りだ。ただ、実際無事にこの日を迎えられたのが感慨深くてね」

「それはそうですが」

「それより、次はミイの番だろう、念のため診てやってくれ」

「はい」と答えてココノに近づいて来たのは、スラッとした美人である。サキもスラッとした美形であるが、サキはイケメン男子のそれであるのに対し、ミイのそれは本当に女性らしい美しさであった。

否、女性らしいとかの問題ではない。お父様はフランス人ですかと聞きたくなる顔立ちをしている。純粋な日本人ではないに違いない。いや、それを言うならココノたち9人全員、もはや純粋な人間ではないのであるが。

ミイは両手をココノの頭の上にかざしたり、ぶつけた右拳から右肩まで同じように手をかざしたり、腹部を押したりした。

「頭や腕には異常ありませんね。母子ともに健康というところです」

「うん。ありがとう。では自己紹介を続けて」

「はい」レイ司令に答えたあと、ミイはココノに向き直った。

「三番、高等部2年、ミイです。私は電磁波や超音波を当てて体内の様子を探ったり、同じことを空間におこなうことで遠くのものを探索する能力があります」

ココノはその仕組みを理解できないが、つまり人間MRIで人間エコーで人間レーダーで人間ソナーなのである。

「他にもいくつかできることもありますが、それは追々。宜しくね」

「次は私ね」

そう言って出てきたのは丸眼鏡をかけた、9人の中では最も長身の女性だ。長身の割には子供っぽいイメージがある。

「四番、高等部1年、スウです。私の得意技、行きます」

そう言いながら左手を前に伸ばした。その先5mほど先に弓道で使うような的がある。

「あの的を見ててね。本当はもっと遠いほうがいいんだけど」

ヒュン、ヒュンと風切り音が2回続き的に穴があいた。音は2回したはずだが穴はど真ん中に一つきりだ。

「という訳で、私の能力は電磁砲。人呼んでエルフのスウとは私のことよ」

「自称だけどね」

すかさず突っ込みを入れたのはフウだ。

「そんなことないよ。司令も言ってくれもの」

スウは少しムッとした顔で反論する。その表情とは裏腹に場の雰囲気は和やかさを増している。

「次はイツキの番だけど彼女は喋れない。代わりに僕のほうから紹介するよ」

スウが2発の弾丸を寸分違わす打ち込んだ腕前のことはスルーされ、サキが話を先に進めてしまう。

「五番の彼女は高等部一年、イツキ。基本の能力は筋力強化及び補助だ。さっきココノを抱き止めたから、パフォーマンスは省略で」

ココノがイツキのほうに目を向けるとイツキはニッコリ笑いながら、頭を下げずに顔を前に出す形のお辞儀をした。

「次は私ね」

続いてはポッチャリさんの番らしい。

「私は高等部一年、ムウ。能力は料理を作ること。じゃなくて放電。うん、放電。あと趣味は料理を作ること。電気で加熱もできるのよ」

彼女が胸の前に出した両手の間にはバチバチと音をたてて青白い光りが明滅している。

「趣味の話はあとよ」

突っ込むのはやはりフウだ。

「次、ナナの番よ。頑張ってね」

自己紹介を頑張るって、午前中の私じゃあるまいし。とココノは思ったが、指名されて歩みでてきた少女は恥ずかしそうにモジモジしている。

「な、七番、ナナです。ち、中等部のさ、三年です」

小さな声をやっとこ絞りだしているという感じだ。

「わ、私の能力は、ち、ちょっとお見せできないんですけど、け、けいさんさがと、得意です」

「ナナはね、能力を使うと人が変わるんだよ」

スウが口を挟んだ

「人が変わる?」

今まで黙っていたココノもつい聞き返してしまった。

「うん。変わるよぉ。人呼んで二人のナナ、いやナナ人のナナだよ」

「あ、そ、それはい、言わないで」

ナナ人のナナ、ココノは気になるが、ナナは気にしているらしい。これ以上は聞けない。

「八番、ヨウ。中等部三年。私は水を電気分解する能力があって、水中でも呼吸ができます。披露するには大掛かりなセットが要るから省略です。」

やはり皆、数を名前にしてる。スウは訓読みではないけれど、四をスウと読むことがあることは知っていた。サキは音読みでもないけれど、先頭の数だからということなのだろう。司令のレイもそういうことなのかな。

「では最後、九番、自己紹介をどうぞ」

「は、はい」

九番とは当然ココノのことだ。皆はそれぞれ特殊な能力を持っているようだか、ココノはまだ自分の能力がどんなものか全く知らない。しかし他のメンバーが能力紹介をしているのに、自分だけ身の上話をするのも気が引ける。

「はい。九番ココノ。中等部二年です。えー、私の能力は」

「ロケットパーンチ」

フウの突っみは絶妙だ。様々な自分にはまだ何の能力もないことに沈みかけていたココノはフウの言葉に驚き、そして先ほどの事故を思い出して照れた。皆も笑っている。

恥ずかしかったが、何よりこの人たちと仲間になれることを素直に喜ぶココノであった。

次話、物語の舞台となる世界の成り立ちなど、かなり説明くさい話になります。

色んなアニメや特撮作品の設定をゴチャ混ぜにしたような話ですが、元ネタを知らなくても楽しめるようにしたいと思っています。

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