第六六話 元・《魔王》様、一日を総括する
ロリコンのド変態のくせをして、社会情勢に対する憂いを爆発させたライザー・ベルフェニックス。奴のせいで重苦しくなった空気は、我等がイリーナちゃんによって払拭された。
やはりウチのイリーナちゃんは素晴らしい。まさに太陽のごとき美少女である。
歴史博物館での一時は彼女のおかげで和やかなまま過ぎ去り……
我々は館内をグルリと一周し、出入り口へと戻ってきた。
「これにて、我輩の観光案内は終いである。ご満足いただけたかな、ローザ殿」
ライザーの問いに、ローザは小さく頷いた。
「見聞も広がり、実に有意義な時間でありました。猊下には感謝の思いが尽きませぬ」
「いやいや。我輩もよい息抜きとなった。……館内では少々熱くなってしまい、申し訳なかったのである。失言に近い言葉もあったかと思うが……どうか、忘れてくれると助かる」
「猊下は失言など漏らしてはおりませぬ。猊下が《魔王》様亡き後の世をいかに憂いているか、このローザ、確と胸に刻み申した。今後はより一層気を引き締めて、王たる者の責務を果たしていく所存にございます」
「……そう言ってくれると、助かるのである」
会話の後、我々は外へ出た。
陽もほとんど落ちて、空は黒へと染まり始めている。
今日という日が、終わりを迎えつつあった。
「少々、遅くなってしまったのである。これでは我輩もローザ殿も、配下に叱られよう」
「えぇ。しかしまぁ、わらわの方はどうとでもなりましょう。こちらにはアード・メテオールがおりますので」
さりげなく面倒ごとを押し付けてくるローザに、俺は苦笑するしかなかった。
「では、我輩はここいらで失礼する」
静かにそう告げてから――なぜか、ライザーはこちらの顔を見て一言。
「また近いうちに会おう。アード・メテオール」
絶対にお断りだ。
思わずそう言い返したくなるような台詞を吐いてから、奴は我々の前から去って行った。
◇◆◇
屋敷へ帰宅する最中、空は完全に黒へと染まり、夜がやってきた。
街中の景観も、朝や昼とは様変わりしている。
魔導式の街灯が大通りに並ぶ夜店を明るく照らし、道行く人々が、朝や昼とはまた違う活気を形作っていた。
心の根幹部分が子供なローザとイリーナは、夜店に寄っていこうだとか、夜の街で遊びたいとか言い始めたが……さすがに自重していただく。
半ば二人を引きずるような形で、俺は屋敷へと戻った。……門を潜って早々、老いた宰相ヴァルドルから大目玉を食らったのは、言うまでもなかろう。
その後。
夕餉と入浴を済ませ、各々、自室へ入る。俺達の部屋は隣合うように並んでおり、女王の身に何かあれば、すぐに駆けつけられるようになっていた。
もっとも、室内に侵入されるようなヘマをするつもりはないが。
これまでと同様、周囲に探知魔法の網を張り巡らせつつ、俺は自室にて、一人の時間を過ごす。
「ふぅ。ベッドの柔らかさが、いつもより心地よい……」
柔軟なマットに全身を沈めながら、俺は深々と息を吐いた。
「あぁ、なんとも、疲れた。今日は疲れた。それというのも全ては……」
ライザー・ベルフェニックス。あの老将が原因である。
まさかまさか、このような場で再会するとは思わなかった。
極めつけが、教皇猊下である。
正直、未だ理解が追いついていない。
「……まぁ、教皇となった理由に関しては、なんとなしに掴めたが」
奴は古代末期において、俺が形成した社会を再現したいのだろう。
だから教皇となった。
どこぞの国王よりも圧倒的に強い権力を有する、教皇という存在に。
「奴がまさか、あれほど強い政治思想を抱いていたとはな」
ライザーという男は、とかく謎だらけだった。
それは過去の経歴、という意味だけではない。思想においても、俺は奴が何を考えているのか、よくわからないまま取り扱っていたのだ。
何せあの男は他の配下と比べ、自己主張が控えめだった。
ときたま主張する内容は、幼子の救済といったものがほとんど。
「変態の宝庫たる我が軍において、比較的地味な存在であったな、あの男は。ロリコンのド変態など正直、掃いて捨てるほどいた。……まぁ、それもそれでどうかと思うが」
ライザー・ベルフェニックスは四天王でありながらも、あまり目立たない人間だった。
他者との交流も少なく……特に、俺との会話は必要最小限。それも淡々とした内容がほとんどで、奴の心情に触れた覚えがない。
「幼児趣味という個性を除けば、ただただ冷淡な男だと、そう捉えていたが……考えを改める必要があるな」
歴史博物館での一幕を思い返しながら、俺は息を唸らせた。
「あの男は、危うい」
人間という存在に対する、あまりにも冷然とした思想。
ヒトが有する美しさなど、微塵も信じない。ただただ醜くおぞましいと、斬って捨てる。
……もしかすると、奴に対する苦手意識は、それが根底にあるのやもしれぬ。
俺とて、ライザーと同じような考えではある。
ヒトは醜く、おぞましいと、そう考えている。
だが……それだけではないと信じたいのだ、俺は。
かつてリディアが、ヒトという種を……それこそ、《魔族》さえも愛し、信じたように。
俺もまた、ヒトの美しさを信じたい。ヒトを、愛したい。
だが……リディアとは違って、俺は心の底からそうすることが出来ないのだ。
ヒトは醜いだけの生き物ではないと、そう断言できるような材料を、持たぬがゆえに。
「リディアは、それがなくとも、ヒトの美しさを信じることが出来た。……きっとその違いが、俺達の末路を分けたのだろうな。同じような力を持ちながらも、奴は《勇者》と呼ばれ皆に愛された。それに反して、俺は《魔王》と呼ばれ、畏怖の対象となった」
……かつて俺は、絶大な力を有するがゆえに畏怖され、孤独に陥ったのだと、そう考えていたが。
わかっている。そんな考えは、ただの言い訳だと。
ヒトという種を信じられないから。心の底から愛するということが出来ないから。
だから俺は、誤った道(、、、、)を走り、そして……孤独へと陥ったのだ。
「この部分を変えなければ、今世においてもきっといつか、俺は孤独へと落ちるのだろうな。……まったく、厄介な星の下に生まれたものだ」
人間の美しさを信じたい。人間は醜くおぞましいだけの存在ではないと、そう思いたい。
だが……どうすればそんなふうに考えられるのか、俺にはわからなかった。
倦怠感を息に乗せて吐き出す。
もう、これ以上の思索はやめよう。ドンドン落ち込んでいくだけだ。
灯りを消し、床に就こうか。
と――そう考えた矢先のことだった。
コンコン。
ドアがノックされ、室内に音が響く。
イリーナが添い寝に来たのだろうか。
そう思いつつ、俺は声を返した。
「どうぞ、お入りください」
果たして、ドアを開いた人物は。
「……女王陛下?」
麗しの女王、ローザであった。
風呂から上がってさほど時間が経っていないからか、彼女の美しい金髪は湿り気を含んでいて、透き通る肌は桃色に染まっている。
薄手の白いネグリジェは透明感が強く……彼女の柔肌が、僅かに透けて見えた。
実に艶っぽい出で立ちに、少々赤面してしまう。そんな俺の様子が可笑しかったのか、ローザは唇に艶然とした笑みを宿らせ、
「初心じゃのう、そなたは。英雄は例外なく色を好み、性的にも豪胆であるというのに。そなたと来たら、少々エロい格好をした女子を見ただけでそれかや」
反論の言葉が見つからない。
扇情的な彼女の体はまさに、一種の毒である。
俺は目を逸らしつつ、問いを投げた。
「い、いったい、どういったご用向きで?」
「うむ。そなたの子種でも貰おうと思ってのう」
「……は?」
あまりに想定外な発言を受けて、俺は自然と、彼女に目を向けた。
するといつの間にやら、ローザはこちらの目前に迫っており――
「そりゃっ♪」
楽しげな声が彼女の口から漏れた瞬間、俺は肩を押され、ベッドに倒れ込んだ。
それからすぐ、柔らかな感触が全身を包む。
ローザが覆い被さってきたのだ。
「な、なな、何をっ!?」
「さっき言ったじゃろ。子種を貰いに来た、と」
「いやいやいや! 私達はそういう関係ではないでしょう!?」
「恋仲でなければ子作りしてはならぬという道理など、どこにもない。特に、わらわは王族じゃしの。優秀なオスであれば、出自も容姿も感情も関係はない。もっとも……そなたは全てにおいて完璧に条件を満たしておるが」
目前にて、ローザが自らの唇をペロリと舐めてみせる。まるで肉食獣が獲物を前にして行うような仕草であった。
「は、離れてください。わ、私は恋仲の方でなければ、こういうことは……!」
「ならば力尽くでどかせばよかろう。それをしないということは即ち……ふふ、そなたも助平な男の一人ということよ」
反論の余地が微塵もない。
……あぁ、ローザの言う通り、俺も阿呆な男の仲間というわけだ。
「では。いただくとするかのう♪」
ローザの紅い唇が、ゆっくりと近づいてくる。
俺は反射的に、両目をギュッと瞑った。
…………が、いつまで経っても、柔らかな感触はやって来ない。
おそるおそる瞼を開けてみると。
「く、くくっ……! くくくくく……!」
口元をひくつかせながら、何やら必死に耐えているような様子のローザが、瞳に飛び込んできた。
そして。
「ぶははははははははは! こやつマジに受け取りおった! ぶははははははははは! き、生娘のように目を瞑って! ぶは! ぶはははははははははははは!」
ベッドの上を転がりながら、腹を抱えて笑うローザ。
……なるほど、まんまとやられたわ。
「女王陛下は、良いご趣味をお持ちですね。……いたいけな男子の純情を弄ぶのが、そんなにも楽しいですか?」
「ぶははははは! そう怒るでない! ほんの戯れじゃ!」
寝転がったまま、俺の腹をバシバシ叩いてくる。
「……はぁ。悪戯に来ただけなら、もう出て行ってくれませんか。私は床に就きますので」
「ふふん。女王に対してその態度、やはり大物じゃのう、そなたは。しかし……アレのサイズはちみっこいが。くふふふふふふ」
「……はしたないことを言うものではありませんよ。貴女は立派な淑女なのですから」
「んん~? わらわ、はしたないこと言ったかのう~? アレとは即ち、女子に対する肝っ玉を指したものだったのじゃが~? おやおや~? アード君ってば、何を想像したのかのう~? ナニを想像したのかのう~?」
……腹立つわぁ、こいつ。
存在としてのベクトルが、どこかヴェーダやアルヴァートにそっくりだ。
奴等もこうやって、頻繁に俺のことをおちょくって笑っていたな。
「もういいです。出てってください。早く出てってください」
「拗ねるな、拗ねるな。こっからが本題じゃ。もうしばし付き合え」
ローザは一息吐いてから……すぐさま、表情を変えた。
人の悪い笑みが、穏やかな微笑になる。
「今日は一日、楽しかったのう」
「……えぇ。そうですね」
「色々と、予想外なことが重なった。特に目を引いたのは……やはり、イリーナじゃ」
「イリーナさん、ですか?」
「うむ。博物館にて、教皇猊下が熱くなった場面は、覚えておろう?」
「……えぇ」
「あのとき、イリーナが張り上げた言葉は……元来、わらわが口にすべきものじゃった。しかし、わらわはまともに喋ることさえ適わなんだ。教皇猊下の全身から放たれる圧に、耐えることしか出来なんだ」
そうか。俺からすれば、特にどうということでもなかったが、ローザのような一般人からしてみると、あのときのライザーは畏怖の対象だったのか。
……しかし、イリーナは違った、と。
「あの恐ろしい教皇猊下を前にして、堂々と己の考えを語るとは。ふふ、我が親友は、いつの間にか遠いところへ行ってしまったようじゃの。そこへ連れて行ったのは、アード・メテオール、そなたじゃろ?」
どこか切なげな目を向けられて、俺は押し黙るしかなかった。どんな言葉を返せばいいのか、見当がつかない。
こちらが当惑している間にも、ローザは饒舌に言葉を紡いでいく。
「出会ったばかりの頃は正直、わらわのイリーナに対する心証は、最悪じゃった。頭も悪いし、性格も後ろ向き。ちょっとしたことで癇癪を起こし、負けん気が強く、暴れん坊で……こんな奴と上手く付き合っていけるのかと、そう思っていた」
ベッドに寝転がったまま、ローザは過去を懐かしむように、天井を見上げる。
「……のう、アード・メテオール。そなたはイリーナのことをどう思う?」
「そうですね。語り始めたなら、三日三晩は続く話になりそうですが……それを一言でまとめるなら、そう…………生涯において無二の友、といったところでしょうか」
「ふふ。そうかそうか。そなたは、まっこと良き男じゃな」
「そんなことはありませんよ。至って普通です。イリーナさんと少しでも接したなら、誰もが彼女を愛するようになるでしょう。私もその一人に過ぎません」
「あぁ、そうじゃな。彼奴の表面だけを見ているだけならば、誰もがそうなるじゃろう。しかし……真実を知ってなお、イリーナを愛し続けることが出来る者が、どれほどいる?」
この問いに、俺は再び、黙ることしか出来なくなった。
本当は、「皆、彼女を愛し続けます。そうに決まっている」とか、前向きなことを言いたい。しかし……
それが出来ぬから、俺は黙っているのだ。
「まぁ、そなたが傍に居るというだけでも、イリーナにとっては十分であろう」
そう呟くと、ローザはこちらの手を強く握り、
「……メガトリムに至るまでの道すがら、馬車の中でヴァルドルが述べた言葉は覚えておろう? ……ヒトは、異物を恐れる。まさにその通りじゃ。わらわとて、最初はイリーナをバケモノとして見ていた」
「しかし、今は大切な友人、でしょう?」
「うむ。さりとて……我等は少数派じゃ。もしかすると、真実を知ってなおイリーナを愛することが出来るのは、我等だけやもしれぬ。正直言って……わらわはヒトが信じられぬ。教皇猊下がおっしゃったように、ヒトはただひたすら醜いだけだと、そう思う」
「………………」
「ゆえにもし、イリーナの正体が世に知れ渡るような瞬間が訪れたなら。きっと民衆は掌を返すじゃろう。大英雄の娘としてチヤホヤしていた連中が、一斉に、嫌悪の目を向け……イリーナを排除しようと、動くじゃろう」
こちらの手を握る力が、一層強くなる。
そしてローザは懇願するように、俺の目を見て、言った。
「イリーナを守ってくりゃれ。そなただけが頼りじゃ」
彼女の顔つきは、あまりにも深刻で。
それゆえに、疑問を抱かざるをえない。
なぜ、こんなことを頼むのか。
そう問い尋ねようとした、次の瞬間。
「アードっ! 一緒に寝ま……しょ……?」
勢いよくドアが開け放ち、それからこちらを見て、カチコチに固まる。
そんなイリーナを見て、俺は即座に「ヤバい」と思う。
彼女の視点で、こちらの様相を表すなら、そう――
麗しの女王陛下と、この俺が隣合って寝転び、手を握り合っている。
まるで……そういうことをした、後のようだった。
「な、ななな……! なにしてんのよぉおおおおおおおおおおおおおッ!」
顔を真っ赤にして目を吊り上げるイリーナに、俺は弁解の言葉を投げようとするのだが。
「ま、待ってください。完全に誤解されて――」
「ふはははははは! イリーナよ! そなたの友人は実にたくましいのう! あれほど激しく肌を合わせまくったというのに、まだまだ足りぬとせがんで来おったわ!」
女王の馬鹿が、こんなことを言うもんだから。
「は、ははは、肌を……! かか、重ね……!」
「おや? 意味がわかるのかや? くふふふ。そっちの意味でも成長したようじゃのう。しかしまだまだ生娘であろ? そんなんでは、アードを満足させることなど夢のまた夢じゃぞ~~~~~?」
「ぐぬぬ……! ぐぬぬぬぬ……! い、いくらローちゃんでも……! やっていいことと! 悪いことがあるでしょうがぁあああああああああああああっ!」
……まさしく、てんやわんや。
ドタバタは屋敷の使用人やヴァルドルまで巻き込んで、一晩中続いたのだった。
◇◆◇
翌日。
昨夜の大騒動が嘘だったかのように、朝は穏やかなものであった。
屋敷の中にある、広々とした食堂にて、我々は朝餉を摂る。
女王とその御一行をもてなすためのものなだけに、食事の内容は極めて豪華だった。
「う~~~ん。このお肉、めちゃくちゃ美味しいわねぇ~~~。シルフィーにも食べさせてあげたいわ」
「ジニーさんは?」
「あいつには付け合わせのポテトで十分よ」
「ふふ、手厳しいですね」
美味な食事。
穏やかな談笑。
これだ。これなのだ。俺が求めていたのは。
こういう、平和そのものといった時間こそ、俺が求めてやまぬもの。
このまま最後の最後まで、平穏無事であってほしいと、そう願う。
――が。
「み、皆様っ! た、たた、大変ですっ!」
使用人の一人が、焦燥感たっぷりに扉を開け放ち、食堂に入ってきた瞬間。
俺は心の底から、ため息を吐いた。
……なんというか、呪われているんじゃないのか、俺の魂は。
どうしてこう、次から次に、面倒ごとが舞い込むのやら。
「ええいっ! 騒々しいっ! 女王陛下の御前であるぞっ! 喚き散らすでないわ、この大馬鹿者がぁ!」
「うん、そなたが一番やかましいぞ、ヴァルドル。ついでにそなた、わらわの顔に思いっきりツバを飛ばしおったのう。国に帰ったらまず減給措置を――」
「なぁあああああにがあったと言うのだぁああああああああ!? はよう報告せいッ!」
瞳をジットリさせたローザに冷や汗を掻きながら、ヴァルドルが使用人を怒鳴る。
「そ、そそ、それがっ! お、おお、お客様が、い、いい、いらっしゃいましてっ!」
「客ぅ~? 朝っぱらから尋ねてくるような無礼者に用などないわ! どうせそこらの商人か何かであろう! そんなもの追い払ってしまえ!」
「い、いいい、いや、そ、そそ、それが、その――」
怯えきった様子の使用人。
その背後から、コツリ、コツリと、足音が聞こえてくる。
そして――
件の客人が、悠然とした足取りで、食堂に入ってきた。
「朝っぱらから失礼する。なにぶん、時間が取れぬものでな。……無礼を許していただきたいのである。ラーヴィル宰相、ヴァルドル殿」
「あ、あああ、貴方様はっ……!」
ヴァルドルもまた、使用人と同じように、全身をブルブルさせながら冷や汗を流す。
果たして、現れた客人とは。
「……宣言通り、会いに参ったのである」
「……少々、性急が過ぎるのでは?」
かつての四天王であり、現在は教皇猊下となった老将。
ライザー・ベルフェニックス、その人であった。