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第一日目 スプリット・オブ・イリーナ 後編


「えぇっと……ウリエルさん、でしたか? 申し訳ありませんが、もう一度言ってくださいませんか?」

「はい~。え~、わたくし、ウリエルと申します~。基本世界の崩壊を防ぐためにやって参りました~」


 おっとりとした調子で繰り返す。その姿は大人になったイリーナ、エリス、アイリスといった感じで……


「貴女は、アイリスさんよりも先の時代から来られたのですか?」

「いいえ~。アイリス様の世界は第187582基本世界。わたくしが住まう世界は、第98545基本世界です~」

「えぇっと、つまり……貴女は並行世界からやって来た、と?」

「その通りです~」

「なんだか、凄いことになってきましたね……」

「ちょっともう、ついていけないのだわ……」


 俺もジニーやシルフィーと同意見だが、誰かが話を進めねばならぬ。

 ゆえにげんなりしながらも、俺は口を開いた。


「それで……貴女の目的は?」

「はい~。エリスさんとアイリスさんの争いを止めに参りました~。お二方が戦闘状態になった時点で第84858817422基本世界から第108548758445基本世界が消滅してしまいました~。このまま戦闘が続行されますと、順々に基本世界が消失していき~、最終的にはこの第487基本世界を含めた全ての世界が消滅してしまいます~」


 なんだか頭が痛くなってきたが、思考を放棄するわけにはいかん。


「つまり、こういうことですか? エリスさんとアイリスさんが戦闘せず、お二方が元いた世界の、元いた時代に戻れば、事件が発生することはなく……貴女がおっしゃる、基本世界でしたか? それが消滅することもなくなる、と」

「そういうことになりますね~」


 正直、もう事件なら起きてるような気がするのだが。

 まぁ、それはあえて気にしないでおこう。

 今、問題になるのは。


「な、なんなのよ、あんたっ! いきなり出てきてっ!」

「怪しい、デス。信用できまセン」


 これである。

 となれば。


「う~ん、困りましたねぇ~。世界樹様のおっしゃる通りになってしまいました~。お二人はわたくしを信じてくださらず~、戦いは止められない~。だから、力づくになるだろう、って~。わたくしとしては、平和的に終わらせたかったんですが~…………まぁ、しょうがないっか」


 刹那。

 ウリエルの全身から殺気が迸り……

 彼女の背面に、無数の輝刃が生まれる。


「ちょっと痛い目を見ることになりますけど~、我慢してくださいね~?」


 言い終わるや否や、エリス、アイリス、両者に向かって、群れなす刃が殺到した。


「はん! 上等じゃないの!」

「私がすべきことに、変わりはありま、セン……!」


 そして、三つどもえの戦いが勃発する。

 イリーナに瓜二つなエリスにそっくりなアイリスの顔立ちと似通ったウリエル。

 三名の激烈な戦いは、古都キングスグレイヴ全土に害を及ぼした。


「おそらく、これがエリスさんの言うヤバい事件、なのでしょうね」


 呟きつつ、俺は探知魔法で街全域を把握。

 全ての生命反応に対し、防御魔法を施した。

 これで人命が失われるようなことは決してない。


 反面、建築物は秒を刻む毎に崩壊していく。


 我々は現在、大通りのド真ん中に立って騒乱を眺めているのだが……

 そこを中心にどんどんと周囲の建物が消えていくものだから、見晴らしもまたよくなる。

 結果として、地上に居るにも関わらず、消失していく街を一望することが出来た。


「ア、アード君! は、早く止めないと! ま、街が!」

「えぇ、そうですね……」


 急かすジニーだが、俺は腕を組み、難しそうな顔を作るのみだった。

 止めようと思えば、二秒以内に出来る。

 だが……

 あえて、それはやらない。

 なぜか?


 街が崩壊していく様に、爽快感を得ているからだ。


 ……確かに、このキングスグレイヴを創り上げるまで、かなりの苦労があった。ゆえに思い入れはある。

 しかしながら、それ以上に。

 このキングスレイヴには、トラウマがゴロゴロと転がっているのだ。

 それもこれも全部――


 リディアが悪いッッ!


 例えば、そう。


「あぁっ! 《魔王》道化の大舞台がっ!?」


 今し方破壊された、大通りの真ん中にドンと設けられた雛壇。

 アレは《魔王》が民衆を楽しませるべく、自らが道化に扮して芸を披露した……などという逸話が残っているが、それは大間違いだ。


 俺は、率先して芸を披露したのではない。

 罰ゲームとして、芸を披露させられたのだ……!


 当時、リディアの馬鹿がこの街へ頻繁に遊びに来ては、俺に喧嘩を売りまくっていた。

 あの頃は奴のやり口に慣れていなかったため、負けることもしょっちゅうあり……

 その結果が、あの雛壇である。


『はい、オレの勝ちィ~~~~~! 罰ゲームとしてお前、道化に扮して芸でもやれ』

『……何を馬鹿なことを。王たる者がそのような』

『あ、できないんだ? 王様のくせに芸事の一つもできないんだ? ごっめ~ん、オレが悪かったわぁ~。普段なんでもできますよ的に振る舞ってるくせに、お笑いネタの一つも持ってないなんて――』

『誰が出来んと言ったッ! このヴァルヴァトスに不可能などないわッ!』


 挑発にまんまと引っかかった俺は、街でも一番一目につくであろう場所へ雛壇を作り、道化に扮して芸を披露した。

 笑ったのはリディアだけだった。

 民衆達は王が必死こいて芸をこなすさまに、ドン引きするのみであった。

 心が痛かった。


 しかし今。

 そんなトラウマの一つが跡形もなく消え失せ――

 正直、めちゃくちゃ気分がいい。


「あぁっ! 伝説の《魔王》全裸疾走橋がっ!?」


 実に素晴らしい。

 あんなものは真っ二つにしてしまえばいいと常々思っていた。


「あぁっ! 伝説の《魔王》様、食い逃げ事件で有名なお店がっ!?」


 これでめでたく閉店である。

 ていうか数千年もよく潰れなかったな。ビックリしたわ。


「あぁっ! 伝説の《魔王》様、穴があったら入りたい事件の大穴がっ!?」


 完全に埋まっている。

 ふふん、最高の気分だ。


「あぁっ! 《魔王》様大爆発事件を記念して作られた像がっ!?」


 ものの見事に木っ端微塵だな。

 ていうか俺が大爆発したことを記念して作られた像ってなんだ。

 そんなもの、なんの記念にもならんだろうが。


「あぁっ! 《魔王》様でんぐり返し記念館がっ!?」


 なくなってせいせいするわ。


「あぁっ! 《魔王》様、勇者に膝小僧蹴られて泣いた像がっ!?」


 リディアの頭だけ粉々である。

 ざまぁみろ。

 ふはははは。あの三人にはもっとやれと言いた――


「あぁっ! 魔王城がっ!?」


 …………え。


「あぁっ! 魔王城だけ執拗にやられてるっ!」


 ちょっ。


「あぁっ! 塔の一部が木っ端微塵にっ!?」


 な、なな、な……


 なにをしてくれてんだ、貴様等ぁあああああああああああああああああああッッ!


 我が城、キャッスル・ミレニオンが見る影もないじゃないかッ!

 あぁ、なんてことをッ!

 アレを作るのに、どれだけの情熱と苦労を費やしたかッ!


 リディアの馬鹿に両断されたり、シルフィーの馬鹿に爆破されたり、シルフィーの馬鹿に爆破されたり、シルフィーの馬鹿を爆破したり……!

 そのたびコツコツと修復と改造を積み重ね、ようやく完成した我が愛城をッ!


 よくもよくも! 瓦礫の山に変えてくれたなぁあああああああああああッッ!


 もう許さんッ!

 あの馬鹿共、三人まとめて尻叩きの刑にしてくれるッッ!

 激しい情動が、俺の足を動かす――

 が、一歩を踏み出す、その直前だった。


「なぁあああああにやってんのよ、このバカチンがぁああああああああッ!」


 鼓膜を破らんばかりの大音量が、古都キングスグレイヴ全域に響き渡った。

 瞬間、エリス、アイリス、ウリエルの三名はビクゥッと全身を震わせ、身動きを停止。

 そんな彼女等のもとへ、イリーナは全力疾走で駆け寄ると、


「エリスはその剣を下ろすッ! アイリスは魔法を消してッ! ウリエルッ! あんたは降りてきなさいッッ!」


 顔を真っ赤にして怒鳴るイリーナに、逆らうことが出来る者はいなかった。

 皆、大人しく従い、そして。


「三人とも! ちょっとそこに正座なさいっ!」

「「「は、はい……!」」」

「別にね、喧嘩するなとは言わないわよ。でも、限度ってものがあるでしょうが」

「い、いや、だってあいつらが――」

「口答えしないッッ!」

「はい、ごめんなさい!」

「ていうかウリエル! あんたね、刃物なんか飛ばして、危ないでしょうが! 皆が怪我したらどうするの!?」

「い、いや~、アレぐらい、わたくしの世界では危ないうちには~……」

「余所は余所ッ! ウチはウチッ!」

「あ、はい……」

「まったく! 人様に迷惑かけんじゃないわよ!」

「……アナタの大音量も十分迷惑デスけど」

「あぁんっ!?」

「ひぃっ!? ご、ごめんなさいっ!」

「揚げ足とってんじゃないわよ!」


 縮こまった幼女、少女、女の三名に説教を食らわせ……


「罰として、お尻一〇〇叩きだからねっ! まずはエリス! あんたからよ!」

「えぇっ! い、嫌よ、そんなの!」

「口答えしないの! この子はもぉ~~~~~!」


 尻を叩きながら怒るその姿は、まさに。


 あまりにも立派な、お母さんであった――


    ◇◆◇


 我等がイリーナちゃんによるお母さん的制裁によって、キングスグレイヴに平穏が戻った。

 以降、話は急速に纏まっていき……

 エリス、アイリス、ウリエルが元の時代へと戻ることが決定。

 当初はエリスが渋っていたものの、


「あたしの言うことが聞けないの!?」

「ひぃっ!? い、いや、でも! あたしが元の時代に戻ったら全てが解決するって保証は、どこにも――

「保証ならあるわよ」

「え。ど、どこに?」

「あたしの勘っ! これが何よりの保証っ!」

「えぇ~~~……」

「なによその目? またお尻叩かれたいの?」

「め、滅相もないですっ!」


 こうなったイリーナちゃんは無敵である。

 誰も反論することはなく、皆、元の時代、元の世界へと戻っていく。

 アイリスとウリエルは、イリーナから逃げるように亀裂へと身を投げ込んだ。

 一方で、エリスは虚空に浮かぶ亀裂を前にして、


「……短い時間だったけど、楽しかったわ」

「あたしもよ。ま、暇になったら遊びに来なさい。いつでも歓迎するから」


 微笑むイリーナに、エリスは困ったような笑みを浮かべ、頬を掻いた。


「え~っとね、残念だけど、それは出来ないの。時間逆行は、一回限りの大魔法だから」

「えっ。てことは……あたし達、もう会えないの……?」


 悲しげな顔となるイリーナに、エリスはなぜだかクスリと笑って、


「ううん。そんなことはないよ。また、必ず会えるから」


 彼女はイリーナに近づいてハグを交わし……

 頬へキスして、こう言った。


「またいつか、未来で会おうね、ママ」


 華が咲いたような、眩い笑顔を浮かべて。

 エリスは、元の時代へと帰って行った。


「やっぱり、あの子はミス・イリーナのご息女だったんですねぇ」

「えっ。えっ。あ、あたしの、こ、子供? エリスが?」

「あ~、言われてみれば、納得だわ。見た目そっくりだったもんね」


 得心するジニーとシルフィー。その間で、目を白黒させるイリーナ。

 そうか、確定してしまったのか。

 どこの馬とも知れぬ男によって、イリーナちゃんの貞操が奪われてしまうという、最悪の未来が……!


 いや。

 諦めてはならない。

 未来とは常に、己の力で切り開いていくものだ。


 あぁ、俺は諦めんぞ。

 気に入らない運命など、この手で粉砕してくれるわ!

 決意を新たに、俺は拳を天に――

 突き上げようとした、そのときだった。


「うぉおおおおおおおおおいっ! たいへん! たいへんだぁあああああああああっ!」


 ドタドタと音を立てながら、何者かがこちらへ近づいてくる。

 ヴェーダであった。

 彼女は黄金色の髪を揺らしながら、我々のもとへ駆け寄ると、


「ふぅ~……あぁ、疲れた。おや? あの未来人ちゃんはどこかな?」

「先程、未来へとお帰りになられましたよ」

「えぇ! それは残念だなぁ。解剖したかったのに。先っちょだけでもよかったのに」


 無念そうな顔で唸るヴェーダに、俺は肩を竦めながら問うた。


「それで、なんの御用ですか? 何やら叫んでおられましたが」

「あぁ、そうそう! つい数時間前にさ、ワタシ、君に言ったよね? 今回の一件はワタシの差し金じゃないって」

「えぇ。事実、貴女は無関係――」

「ごめん! それ嘘だった!」

「……はい?」


 自然と、頬に冷や汗が浮かぶ。


「あの、何を、言っておられるのですか?」

「いやね、ワタシもついさっき知ったんだけどさ。え~っとどっから話すべきかな? 偉大なる学者神たるワタシが生まれたときから?」

「……要点だけを、かいつまんでお願いします」

「えぇ~? ま、いっか。アレはそう……三〇〇年ぐらい前かな? 当時、ワタシは並行世界に干渉するための魔導装置を作ってたんだけどね、これがまぁ~、難しかった。ワタシの神頭脳を以てしても難航したんだよね」

「……では、そのプロジェクトは閉鎖した、と?」

「いやいや! 諦めの悪さも学者には必要だからね! 根気よく進めていったよ。で、なんとか魔導装置のプロトタイプを造ったんだけど……何をどう間違えたのか、起動してくれなかったんだよね」

「ほう。実験を始めることすら出来なかった、と」

「うん。したらもう、温厚なワタシもさ、キレちゃったわけだよ。ねぇ、なんでワタシの言うこと聞いてくれないの!? なんでワタシのことだけ見てくれないの!? って」

「……はぁ」

「どれだけ呼びかけても応えてくれないもんだから、我慢の限界が来ちゃってさ。もういいよ! 君のことなんか知らないんだからね! 二度と顔見せないでよ! つって、蹴り入れて別れてやったよ。それからすぐ新しい研究対象(こいびと)見つけて、ワタシはあいつのことを忘れた……」

「それ実験の話ですよね? 恋バナとかじゃありませんよね?」

「あれから、今日でだいたい三〇〇年。もう、あいつのことなんて本当に忘れてた。でも……エリスちゃんを見た瞬間、なぜだかあいつのことを思い出したの。最初はね、もうどうでもいいって、そう考えたんだけど……でも、なんだか気になっちゃってさ」

「それって装置のことですよね? 元カレとかじゃありませんよね?」

「久しぶりに、会いに行ったんだ。あいつに。そしたらさ……あいつ、起動してやんの。三〇〇年もほっといてさ、いまさら起動してやんの。ワタシは言ってやったよ、なんのつもり!? って。でも、あいつは何も言い返さなかった」

「まぁ、無機物ですもんね。ただの魔導装置ですからね」

「ヨリ戻したいなんて言ってもダメなんだから! ワタシにはもう、新しい実験(こいびと)が居るんだから! って、振ってやったよ。でもあいつ、それでも何も言わなくて……なんだか、こっちが悪いことしてるのかなって、そう思ったりもしたんだけど――」

「あの、すみません。もうちょっとわかりやすく説明してくれませんか? もう事情説明なんだか恋バナなんだか、全然わかんないので」

「はぁ。しょうがないな。じゃあもう、結論から言うね」


 一度区切ってから、ヴェーダは淡々と説明し始めた。


「三〇〇年前に造った、並行世界に干渉する魔導装置が今になって起動したの。多分、あの未来人ちゃんがやってくる直前かな」

「……つまり、彼女の来訪はその装置が影響していた、と?」

「そうそう。で、質問なんだけどさ、それから何人か、こっちに来なかった?」

「えぇ、二人いらっしゃいましたが、それが何か?」

「……あちゃ~」


 ヴェーダの額に一つ、冷や汗が浮かんだ。

 瞬間、俺は悟る。


 今回の一件、エリスが帰還したことによって全てが解決したと、そう考えていたのだが。

 それは間違っていた。


 事件は解決を見せてなどおらず、むしろ――

 始まってすらいなかったのだ。


「あ~、どうやらあいつ、暴走しちゃってるみたいだねぇ~」

「……詳しく説明しなさい。早く」

「まぁ、簡単に言うとさ、あの装置って、この世界に存在する特定の人物と縁のある存在を、向こう側からこっちへ移動させるよう仕向けるためのものなんだよね」

「因果と真理を書き換えて、両世界に存在する二者の間に縁を創る、ということですか? その対象に今回、偶然イリーナさんが選ばれた、と。だから彼女の近親者がこの世界へやってきたわけですね?」

「まぁ、そういうことだね。で、こっからが重要なんだけど……設計上、あの装置は一度の起動につき一人だけを呼び出すものだった。なのに、一度の起動で三人も来ちゃった。これはもう装置の暴走としか言いようがない。こうなってくると――」

「まさか」


 最悪の未来が、頭に浮かぶ。

 その、次の瞬間だった。

 暮れなずむ天空に巨大な亀裂が走り、そして。


「我が名はゴッド・イリーナ。この世界を浄化しに参った」


 巨大な、神々しい姿の、イリーナに似た何かが現れる。

 しかし。


 これで終わりではなかった。


 天空にて、また新たに亀裂が生まれ――


「わ・た・し・は・メ・モ・リー・イ・リー・ナ。こ・の・世・界・の・記・録・を・観・測・に・来・た」


しかし。

 これで終わりではなかった。


 天空にて、また新たに亀裂が生まれ――


「うぅぅぅ我ぁぁぁぁが名は魔界大帝ッ! ブラッド・イリィィィィィナだぶぅるぅああああああああああッッ!」


 これで終わりではなかった。

 天空にて、また新たに亀裂が生まれ――


「うぉおおおおおおおおお! マウンテン・イリーナじゃあああああああああいッ!」


  これで終わりでは(以下略。


「吾輩はミステリアス・イリーナ!」

「儂はサウザンド・イリーナ!」

「ぼくはメタモルフォーゼ・イリーナ!」

「あたいはスパークリング・イリーナ!」

「我はメタリック・イリーナ!」


 ~~~中略~~~


「ウチはアルティメット・イリーナ!」

「小生はギガンティック・イリーナ!」

「オレはコスメティック・イリーナ!」


 次々に現れる、並行世界の連中。

 一日目でこれなら、二日目以降はどうなるんだ……。

 

 悪夢のような光景を前に、俺は心の底からグッタリするのだった。




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