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第二七話 元・《魔王》様と学園祭準備 Part2

 偶然か必然か。昼休み後に始まった午後の授業は、まるまる学祭の準備であった。


「さて……貴様等にとって、学園祭は二つの意味を持つ。一つはその名の如く祭りだ。はしゃぐにはよいイベントだろう。そしてもう一つは……人生の分水嶺」


 教壇に立つオリヴィアが担任講師らしく、生徒達を見回しながら語り紡ぐ。


「これは決して、大げさな表現ではない。この学園祭で貴様等の中には進路を決める者もいるだろう。そういう意味でも分水嶺といえる。また……」


 ここで一度区切ってから、オリヴィアは咳払いをして、


「この学祭では、貴様等生徒の力のみで利益を勝ち取る必要がある。その活躍振りに応じて、我々担当講師は個人毎に評価点を付けていく。この評価点は進級はもちろんのこと、進路先によっては大きなプラスに働くだろう。今回の学園祭の活躍で、職業選択時のスタートラインが大きく異なるという意味でも、学祭は人生の分水嶺と言えるのだ。ゆえに皆、精一杯励むがいい」


 このように締めくくってから、オリヴィアは壇上を離れ……

 こちらをジッと見た。それは他の生徒達にしても同様である。

 ここからは基本的に担当講師はノータッチ。生徒のみの力で進行していくのだ。

 そのため進行役が必要であり……

 ここ最近、何かと目立っているからか、その役割が俺に回ってきたらしい。

 断れる空気でもないので、俺は席を立ち、壇上を前にすると。


「では、皆さん。不肖、私アード・メテオールが仕切りを務めさせていただきます」


 普段、講師だけが立つことを許される壇上にて、俺は室内全体を見渡した。

 生徒達から浴びる視線は好意や敬意が半分。嫉妬や憎悪が半分である。

 前者は平民、後者は貴族がほとんど。現時点でクラスの足並みは完全に揃っているとは言えず……どうにも、先が思いやられる。


「まずは皆さんにお知らせがあります。今回の学園祭において、我が校では恒例の剣王武闘会の他、演劇を主な目玉イベントとして企画しております。この演劇に関しまして、我がクラスが実演の栄誉を賜ることになりました」


 この発表を受けて、生徒全員が盛り上がりを見せた。

 平民の生徒は脚光を浴びることに対する興奮を噛みしめ、貴族の生徒は思わぬ名誉に歓喜を露わにしている。

 演劇に関しては足並みが揃いそうだな。


「脚本に関しましては我々で自由に決めてもよいとのこと。とはいえ……検閲なども考えますと、演じる題目は限られてくるでしょう」


 現代では表現の自由というものが随分と蔑ろにされている。

 演劇、戯曲、文学など、あらゆる創作物は検閲の対象となっており、王家や《魔王》を批判するような内容は厳禁。これに反した者は重罪が課される。

 俺が統治していた時代ではそうしたことは一切なく、表現、思想、宗教、全ての自由を認めていたのだが……随分と嫌な時代になってしまったものだ。


「私としましては、《魔王》様の英雄譚から代表的な一幕を選んで演じる、というのが適当かと思いますが。異議のある方は挙手を願います」


 言っておいてなんだが、手を挙げる者など皆無であろう。

 この選択は安直でつまらんものではあるが、ベストなものである。

 これならばよほどのアレンジを加えなければ検閲の対象になることはないし、民衆受けも良い。《魔王》の英雄譚は古典的だが、色あせぬ王道として扱われているのだ。


 ……《魔王》本人からしてみれば、様々な意味で複雑だが。

 ともあれ。異議を唱える者は一人も――


「ダメだわ、そんなのっ! 《魔王》の英雄譚なんか、絶対に認めないんだからっ!」


 ……いや、一人だけいた。

 我がクラスの異分子、シルフィー・メルヘヴンである。

 彼女は赤髪を揺らめかせながら勢いよく立ち上がると、こちらを睨みながら叫ぶ。


「《魔王》の話なんて、リディー姐さんのそれに比べたらぜんっぜん面白くないのだわっ! あいつがやってきたことなんて、圧倒的な武力で弱い者イジメしまくっただけじゃないのっ! それに比べてリディー姐さんの冒険ときたら、波瀾万丈で誰もが手に汗握るものだったのだわ!」


 ……あぁ、ツッコミを入れたい。それと同時に、ゲンコツを叩き込んでやりたい。

 俺の半生がつまらんだと? 圧倒的な武力で弱い者イジメだと?

 馬鹿をぬかせ。前世における俺の半生は常に危機と苦痛に満ちたものだった。

 そう――


 主にお前等のせいでなぁッッッ!


 いっつもいっつもお前とリディアが俺の策を潰しやがるもんだから、いらん苦労を積み重ね、何度も何度も胃に穴が空き、挙げ句の果てには円形脱毛症にも陥った。

 それをお前等、ゲラゲラ笑ってやがったよな。そのうえ、


『ようハゲ。今日もテッカテカだな、おい』

『ヴァルヴァトスからテカリトスに改名したらどう? そっちのがお似合いだわ!』


 こんなふうにさんざんハゲハゲ弄り倒してくれやがったよな。

 今でも恨んでるぞ、この野郎。

 ていうかリディアの冒険が面白いだと? そりゃあ面白いだろうな。傍から見ればな。

 だが当事者としてあの馬鹿に振り回された俺からしてみれば、ぜんっぜん笑えないんだよ。思い出しただけで過大なストレスが襲い来て……あぁ、胃が……! 胃が痛い……!


「そういうわけで! アタシはリディー姐さんの冒険譚以外、絶対に認めないのだわ! 主役はもちろんイリーナ姐さんで!」


 主役はイリーナちゃん。その点だけは賛同できる。俺とて友人であり娘的存在が大きな脚光を浴びる姿が見たい。……しかしながら。


「シルフィーさん。申し訳ないのですが、今回の舞台は学園長のご依頼で、私とイリーナさん、二人で主役を務めることになっているのですよ。そうした事情も加味すると、やはり《魔王》様の英雄譚が適当かと」

「そんなの知ったこっちゃ――」

「黙んなさい、シルフィー! アードを困らせるんじゃないのっ!」

「だわっ!?」


 イリーナちゃんに一喝され、涙目となりながら沈黙するシルフィー。

 よくやってくれたイリーナちゃん。今ほど君が頼もしく思えたことはない。


「……さて。皆さんの中にも不平不満がおありの方もいらっしゃるでしょうが。今回の演劇は《魔王》様の英雄譚の一幕とし……《魔王》様は私が演じさせていただきます。イリーナさんにはシルフィーさんの要望通り、《勇者》・リディアを演じていただきましょう」


 平民の顔に不満はない。しかし俺のことを敵視する貴族からは殺意のオーラが放たれる。

 俺だってな、好きでやるわけじゃないんだよ。

 何が悲しくて、美化された自分なんぞ演じなきゃいかんのだ。


「……では続いて、演じる題目の詳細を詰めていきましょうか」


 これについてはそう時間はかからなかった。

 俺とイリーナが目立つ脚本を書かねばならぬという都合上、《魔王》と《勇者》が大きな活躍を見せたエピソードを選択する必要がある。

 となれば、必然的に《邪神》討伐の話となろう。

 と、ここまではスムーズに進んだのだが、


「では……《邪神》を演じてくださる方はいらっしゃいますか?」


 問うた瞬間、室内に沈黙が広がった。

 まぁ、致し方ない。この時代において、連中は絶対悪として描かれ、侮蔑の対象となっている。そんな連中を演じたい人間などそうそういるものではない。

 プロの役者達もまた同様で、《邪神》を演じる者は毎回くじ引きで決めるという。

 我々もそれに倣おうか。そう思った直後のことだった。


「仕方ないわね。皆がやりたくないなら、アタシがやるのだわ」


 ため息混じりに、シルフィーが小さく手を挙げた。

 ……こいつは昔から、こういうところがある。

 皆が嫌がり、やりたがらぬことを率先してやろうとする。

 表面だけを見れば、シルフィーは和を乱すトラブルメーカーだが……


 その実、彼女は誰よりも皆のことを思い、皆のために働く人間だ。


 それが裏目に出やすいため、頻繁にトラブルを起こすわけだが……

 しかし、その本質を知るがゆえに、俺はシルフィーのことを嫌いには――


「《邪神》役をやれば! アンタに堂々とリベンジできるからねっ! 剣術の授業の借り、演劇で返してやるのだわっ!」


 ……褒めようとしたらこれだよ。

 ともあれ。

 演劇に関しては話がまとまった。脚本についてはそうしたことが得意と豪語する生徒に任せ、それが仕上がり次第、芝居の稽古に移る、と、そういうことになった。


「さて。演劇に関しましては、もうご意見などありませんね? それでは、出し物について話し合いましょうか。……しかし、その前に」


 学友達には、俺とイリーナ、そしてシルフィーがしでかしたことを説明せねばなるまい。

 おそらくは反発もあろうが……と、気構えていたのだが。


「A組との売り上げ勝負か。いいな、それ。前々からあいつら気に入らなかったし」


 平民達は貴族憎しという感情で団結し、


「フン。A組うんぬんはさておいて。最優秀賞を目指すのは当たり前のことだろう」


 貴族達は名誉を求め、なんの文句も返さない。まさしく嬉しい誤算というやつか。

 当初は足並みが揃うか心配していたが、どうやら杞憂であったらしい。


「それでは皆さん、出し物に関しまして、何かアイディアがある方は挙手を願います」


 言ってからすぐ、複数名が手を挙げた。そこから無作為に一人を選ぶ。


「幻影の魔法を利用したアトラクション施設とかどうかな?」

「ほう……もう少し具体的にお願いできますか?」

「魔法を使ってさ、《魔王》様の人生が追体験できるような幻覚をお客さんに見せるんだよ。まるで自分が《魔王》様になったような経験が――」

「フン。平民が考えることは下劣だな。《魔王》様の人生を追体験? そんなもの、《魔王》様への不敬になるだろうが」


 いや、俺としては全然問題ないのだが。しかし貴族の生徒が口にした内容は、過半数に納得されるようなものだったので、第一の意見は却下された。

 その後も色々とアイディアは出たものの、決定打に欠けるものばかりで……


「はん。まったく、平民の頭はたかが知れてるな。ろくな意見を出さん」

「あぁ? てめぇ等お貴族様も人のこと言えねぇだろうが」


 侃々諤々とした議論にありがちな、険悪ムードが室内に広がっていく。

 そんなときだった。


「アード君。ちょっとよろしいでしょうか?」


 ジニーが満を持した調子で微笑し、手を挙げた。


「何かアイディアがあるのですか?」

「はい。斬新でありながらも伝統を持ち、なおかつ確実に売上を取ることができる。さらにらに、売上をとった前例もある。そんなアイディアがありますわ」


 おぉ、それはなんとも、素晴らしいじゃないか。


「……サルヴァン家の女ならば、アレを提案するは必然か」


 意味深なことを呟くオリヴィア。どうやら彼女はジニーの考えがわかるらしい。

 果たして、ジニーが提案する出し物とは――


「お色気メイド喫茶。これこそが最高にして最強の出し物ですわ」


 ……なんか、けったいな名前の出店だった。


「あの。なんですか? その、お色気メイド喫茶というのは?」

「よくぞ聞いてくれました! メイドというのは清楚貞淑であり、侵しがたい純白なる存在。しかしながら、ご主人様の所有物であるがため、命令とあればどのような行為もせねばならない。そうした矛盾が生み出す背徳感こそが魅力の生き物であることは、皆さんもご承知かと思います」


 いや、全然承知してないのだが。メイドに対して誰がそんなことを思うのだ。


「しかしながら! そこをあえて! あえて、エロスに振り切る! 具体的には、清楚貞淑を絵に描いたようなメイド服を大胆に改造し! 殿方の情欲をかき立てるのです! そんなエロ可愛いメイドさん達が普段している給仕をいやらしく行うっ! それがお色気メイド喫茶ですっ! この出し物は私の母が学生時代に考案し、学祭にて催したところ大盛況となりました! その結果、歴代最高売上を叩き出したのですわっ!」


 熱の入ったふうに身振り手振りを加えながら説明するジニー。


「女子は改造メイド服を着て給仕をしていただきます! 男子は厨房を担当! ちなみに、改造メイド服のデザインに関しましては既に私が仕上げておりますので、今から皆さんにお配りしますね!」


 活き活きとした様子で紙を配っていくジニー。

 随分と用意がいいな。よほどお色気メイド喫茶なるものをやりたいのだろう。

 なんだか、イベントを無邪気に楽しもうとしてる子供のようで可愛らしい――

 なんて思いながら、配られた紙に目を通したところ。


「……いや、ジニーさん。これはちょっと、やりすぎでは?」


 そこに描かれていたのは、無邪気とは程遠いものだった。

 まず上。これはもう、メイド服じゃなくて水着では? それも、布面積が大分狭い。下手をすれば隠すべき部分が見えかねんぞ。

 下に至ってはもう何も隠してないじゃないか。スカートが短すぎて下着が丸見えである。


 これはアレだ。女が男を最高効率で誘惑するために考え抜いた、邪気の塊だ。

 さすがサキュバスの一族。こういうことを考えさせたら右に出る者はいない。

 それゆえに。


「ふ、ふむ。こ、これは、なかなかいいんじゃあないか?」

「ぜ、前例があるってのも強いよな、うん」

「これまで出た意見とは違って、ターゲット層も明確だ。もうこれ以外ないだろう」


 男子共は皆、大絶賛であった。

 どいつもこいつも正論じみたことを言ってるが、ただ単にエロい格好した女子達が見たいだけだろう。我がクラスは奇跡的なことに、全ての女子の外見が平均レベルを大きく上回っている。まぁ、一番可愛いのは誰がなんと言おうとイリーナちゃんだが。

 それはどうでもいいとして。

 このデザイン画を受けた女子達はと言うと。


「な、なによこれ! こんなの着れるわけないでしょ!」

「痴女よ、痴女! こんなの着る女は変態以外のなにものでもないわっ!」


 無論のこと、非難囂々である。

 まぁ、仕方あるまい。こればかりは実現不能であろう。ジニーには可哀想だが――


「はぁ、わかってませんねぇ。いいですか? このお色気メイド喫茶にいらっしゃるお客さんは、外来の方だけではありません。この学園の生徒だって、息抜きに来ることも多々あるでしょう」

「だから嫌なんでしょうが! こんなもん着てるの見られたら、もう学園じゃ生きて――」

「そう。同じ学園の生徒ももてなせるということはつまり……アード君を、もてなすことができるということです」


 瞬間。荒れに荒れていた女子達が、一斉に静まり返った。


「ここにいる女子で、自らの外見に自信がないなんて方、いらっしゃいませんよねぇ? 想像してごらんなさいな。自分がそのエッロ~イ服を着てアード君をもてなす様を。……アード君を誘惑できたなら、どういう人生が待ってるか、わからない方はいませんよね?」


 そう問うた直後。


「よし! 是非ともやりましょう!」

「いやぁ、ジニーってば天才ね!」

「あぁ~、燃えてきたぁ~! 今から勝負下着用意しとかなきゃ!」


 まるで戦に赴く前の武将が如く、女子達が意気軒昂としている。

 その一方で、男子達が平民・貴族問わず、こちらに対し殺意の波動を向けていた。

 こんなことでしか団結できんのか、お前等は。

 ……正直言って、個人的には好きになれん出し物だが。


「いいでしょう。私も賛成することにいたします」


 この言葉に、シルフィーが噛みついた。


「はぁっ!? ア、アンタもそんなことを……そ、そういえば、あの《魔王》は普段こそ硬派を気取ってやがったけど、裏ではエロエロなことやってるムッツリスケベ野郎だったわね……! やっぱコイツ、《魔王》なんじゃ……!?」


 おいコラ貴様。ふざけんなよ、貴様。誰がムッツリスケベだ、おい。

 お前は俺の何を見てきた? 裏でエロいことだと? そんなもん誰にすればいいんだ?

 あぁ、そうだよ。確かにな、俺の回りにはハーレムが出来上がっていたよ。


 でもな、そのハーレム、全員男だったんだよ。


 どいつもこいつもむさっ苦しい男ばっかりだったんだよ。

 そんな俺が、裏で誰に、どんなエロいことをすればいいんだ? なぁ、教えてくれよ。

 ていうか、お前だってそういう状態だったこと知ってただろうが。


 あぁ畜生。思い出しただけで腹が立ってきた。この怒りを前世の頃みたく、ゲンコツとしてシルフィーの頭に落としてやりたいところだが……そんなことをしたら俺=《魔王》だと自白するようなものである。ゆえに俺は落ち着いた様子を演じ、言葉を返す。


「シルフィーさん。私とて、こうした破廉恥な催しは好むところではありません。しかし、勝利を掴むためには確実な方法を選択すべきかと。……貴女が敬愛する《勇者》・リディアも、似たような言葉を残していたでしょう?」

「うっ、そ、それは、確かに……!」

「まぁ、とはいえ。この制服を着用するのは志願者のみといたします。また、こうした衣服を着たくないけれども、接客には参加してみたい。そうした方にはちゃんとしたメイド服を用意すること。それでいいですね? ジニーさん」

「えぇ、もちろんです」


 後半の要求に関しては、イリーナちゃんのことを思ってのものだ。

 チャレンジ精神溢れる我等がイリーナちゃんのこと、接客というものにも挑戦してみたかろう。それ自体はいい。大いに結構。

 だが個人的に、イリーナちゃんの素肌を衆目に晒したくはなかった。

 別に、彼女の肌は俺だけのものだ、とか、気持ちの悪い独占欲をのたまうつもりはない。

 ただ……ウチの娘は、なんというか、清いままでいてほしいのだ。


「う~~~……! ま、まぁ、男共は皆、エッチなことが好きだってリディー姐さんも言ってたし……か、勝つためなら仕方ないのだわ! アタシも一肌脱ぐわよっ!」


 髪色と同じ、紅蓮色の情熱を瞳に宿すシルフィー。

 そんな彼女に、ジニーが一言。


「……いえ、貴女は結構です。戦力にならないので」


 主に胸を見つめながらの呟きであった。

 当人にも自覚があったのだろうか。

 言われた途端、シルフィーは顔を真っ赤にして、瞳を涙で潤ませながら、


「ア、アタシだって、人気は絶対に出るのだわ! 貧乳は希少価値だって、リディー姐さんも言ってたもんっ!」


 いや、それはお前のねつ造だろ。あいつは両刀使いで、抱いた女は俺が知る限りゆうに一〇〇は超えていたが、そいつら全員巨乳だったぞ。しかも俺に対し、


『なぁヴァル。貧乳ってさ、なんのために生きてんのかな?』


 とか阿呆みたいなことを頻繁に言うような奴だったぞ。

 ……まぁ、なんにせよ。


「騒がしい学祭になりそうですねぇ……」




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