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前話Σ猫って至宝、いや至高だと思うのは個人的なものでござい


 沖島藤太おきしまとうた21歳、男性。

 特技と言えるものはあまりなく、趣味はゲームと猫観賞。

 長所と言えるほどのとこはないが、短所を見つけるのが得意。

 あとは...なぜか姿が猫。

 ...姿が猫。


 「ふにゃ(...なんでだろうな)」


 前足が届かないもんなので、後ろ足であたまを掻いてみる。以外と気持ちいいのは、新発見。

 では、なくだ。なぜなんだろう、なぜ姿が猫なんだろう。どうして猫なんだろう、と疑問を3段活用してみたりしても、答えはでない。一つわかるのは、今居るところが決して地球ではないということ。少なくとも俺の知る限り...


 「ふににゃふ(二足歩行の猪なんかいないよなぁ...)」


 目線の先、大の大人を悠々と越す巨体の持ち主は、まさに猪であった。腰に何かの毛皮を巻き付け、所々血の付着したこん棒を持つその姿は、よくゲームで見かけるものだ。

 オーク、RPGでお馴染みなのだがその実、起源に当たるものは猪よりもゾンビに近かったりするこの生物は、よく女騎士とセットで出やすい。かの有名な台詞「くっ殺」の立役者の一人?ではなかろうか、とかはさておき。

 そんな生物がいま、目の前で畑を耕している。農具を使って。はてさて、ここがどこか分からぬ上、現れたのは言葉の通じるか分からぬ相手...


 「にゃむ(本当、どういうことよ)」


 まず、思い出せる限りを思い出すことにしよう。



 ...その日、俺はバイトを終えて帰路についていた。そう、雨の降る夜だったっけ。駅前を過ぎても人が少なかったこと、それに嫌に冷え込んでいたのを覚えてる。

 俺の自宅は住宅街のいり組んだ路地の先、人目につかない所にあるボロい一軒家。近所からはお化け屋敷なんて言われてるとこだが、まぁ気にしない。住めればそれで充分である。

 その自宅の前の道に差し掛かった時、その瞬間が残っている最後の記憶。気がついたらこの姿で森のなかに横たわっていた。そこからは、あっちへふらふらこっちへふらふら...そうしてこの場所にたどり着いたのだが...


 「...ふににゃぉっっ(って、何もわからんしっ?!)」


 現実逃避から帰ってきた思考、しかしその代償は思ったよりも大きかったようで、奇妙な雄叫びをあげてしまった。当然...


 「フゴッ...?」


 目と目が合う、猪と猫...っていうか俺です、バレました。

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