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犯罪者の一生。  作者: ロマンス加藤
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第一話

初めまして、フリーシナリオライターのロマンス加藤と申します。

現在ラノベ「吾輩はエロゲ脳である」とこの「犯罪者の一生。」を執筆しております。公式HPや公式ブログ、各種SNSもやっておりますので宜しければ覗いて見てください。

俺はこの世の中に生まれ落ちた事を後悔している。

神がこの世界を作ったのであれば、それは拷問以外の何者でもない。

228番。

俺には本名というものがあるが今ではそう呼ばれている。

もとより、ろくでもない親に付けられた名前などどうでもいい事なのだ。

愛着など何もない。

ふと房の外を見ると雪が降ってきた。

昨年からもう一年が経ったのか。

時が過ぎるのは早い。

こうして閉鎖された空間で俺は何年暮らしているのだろうか?

思い出そうとも思い出せない。

ずっとそんな暮らしをしてきたからーーー。


ーーー武田勝。

俺の名前だ。

生まれは東北地方の片田舎。

何もないクソみたいな村だ。

そんな村にボロボロの一軒家がある。

俺の家だ。

父親は酒乱で毎日酒を飲んでは暴れ、俺に暴力を振るった。

それだけだったら良かったのだが…

母親は俺が3歳の時に死んだ。

末期がんだった。

子供心に悲しかった感情だけが記憶として残っている。

俺には一つ下の妹が居た。

肉親の中で唯一大事に思っていた。

劣悪な家庭環境の中で俺は非行に走ってゆく。

11歳でタバコ、酒、シンナーを覚えた。

12歳になった時には初めて女を抱いた。

地元で有名なワルの先輩といつもつるんでいた。

万引きを強要される事もあった。

罪悪感はあったが慣れればどうってことなくなった。

中学に上がった俺は益々非行が目立つようになった。

周りのクラスメイトや教師から距離を置かれている事を

肌で感じていたのをよく覚えている。

13歳になった俺は地元のワルの集団の中でも

特に目立つようになっていた。

一目置かれる為に毎日ボクシングのトレーニングをしていたから

喧嘩には強く、負けることはほとんどなかったからだろう。


そんなある日、原付バイクを窃盗した事がばれ

警察から呼び出しを受けた。

父の付き添いで警察署へ出向き、事情聴取やらで

ほぼ半日を潰された。

「お前は随分悪いらしいな?全部叩いてやるから覚悟しとけよ。」

そんな警察官の捨て台詞に俺はぎっと睨み付け、唾を吐いて答えた。

父は平謝りだった。

こいつは紛れもない俺の父親だが、酒が入っていない時は

気の小さいおとなしい性格だった。

その後、家庭裁判所に呼び出された。

担当の検事と向かい合った。

「武田君といったか。」

そいつの第一声はそんな言葉から始まった。

俺はその検事をただ睨み付けていた。

「君まだ13歳だろ?人の迷惑になる様な事辞めないとこの先苦労するよ?」

優しそうな検事はその様相通りの口調で俺に問いかけてきた。

「カンベ行くなら行かせろや」

俺はそう答えた。

すると検事はこう言った。

「被害者さんもね、今回は大目に見てやってくれって言ってるしね、

君は初犯だし、そんな所へは行かないよ。」

腐ったような人生だ。

鑑別所なり少年院なり入っても誰も悲しまないだろ、

どうなったていい。

「今回は猶予を与えます、但し次はわかってるね?」

そんな忠告を最後に残し検事との面談は終わった。

ここでも父親は目に涙を滲ませただただ平謝りを繰り返すだけだった。

反吐が出る。


中学1年が終わろうとしていた時の事だった。

地元の先輩から組に入らないかと誘いを受けた。

いわく金も儲かるし、いい女も抱ける。

「一人前の男になってみないか?」

そんな事を言われた。

俺は即答した、そして組員になった。

それからは家にも帰らず、学校にも行かず

ただ事務所の雑用をする日々が続いた。

ささいな事でもめ事になり、アニキを殴った事もあった。

その後、半殺しにされた。

この世界での規律の厳しさを体で教えられた。

’ウエ’には忠実でならなければいけない事それが大事。

自分に言い聞かせ日々を過ごした。

俺は14歳になっていた。

しのぎを任せてもらえるようになった。

屋台でたこ焼きを売り始めた。

もちろんただのたこ焼き屋ではない。

それを知る人間が来客すると

覚せい剤を捌いていた。

子供にとってはとんでもない大金が毎日入ってきた。

以前先輩から言われた通りだった。

酒、タバコ、シャブ、大麻なんでもやった。

使っても使っても金が余る。

しのぎの終わりに高級ソープに行く毎日だった。

その頃には全身に墨を入れた。


気がかりな事があった。

妹の由佳の事だ。

俺が家に帰らなくなり

あいつと二人で大丈夫なのだろうか?

きちんと学校へ行かせて貰えているのだろうか?

気になって仕方がなかったので一度家に様子を見に帰る事にした。

俺はーーーーー。

愕然とした。

由佳が泣いていた。

体中あざだらけだった。

何があったのか聞かなくてもわかる。

’あいつ’の仕業だ。

俺が居なくなったから妹に手を出すようになったのだ。

「由佳、大丈夫か?痛いか?」

俺は心底心配になり妹を抱きしめた。

由佳は「お兄ちゃん、お兄ちゃん」とただそれだけを言い続けて泣いていた。

そんな時、妹の部屋に’やつ’が入ってきた。

酒に酔っていた、父だ。

許せないーーー。

俺はとっさに駆け寄り父を殴り倒した。

由佳が受けた痛みの倍の倍殴ってやった。

殺してやる気だった。

散々痛めつけた後、父はふらふらと折れた腕を支えながら

どこかへ消えていった。

やはり妹をここに残してはいけない。

そう思った俺はアニキに相談した。

マンションを一室用意してもらった。

その時はすごく感謝したのを覚えている。

しかし相談した相手が悪かった。

前にもめ事を起こした相手だったから。

頭がそこまで回らなかった。


しのぎが終わり、妹の様子を見に行くことにした。

ドアを開けると悲鳴と鳴き声が聞こえてきた。由佳の声だ。

アニキが妹を襲っていた。

「おう、しのぎ終わったか?終わったら今日の分寄こせよ」

俺に気付いたアニキはそんな事を言った。

ブチッーー。

俺の中で何かが弾けた。

気が付けばアニキが血まみれで倒れていた。

息はしていない。

妹が泣きついてきた。

「由佳、もう大丈夫、大丈夫だから」

そんな言葉をかけ続けた。

「でも、でもこの人死んじゃったよ…お兄ちゃん、お兄ちゃん」

由佳が震えながら泣いている。

「大丈夫」

俺は取りあえず余計なことは考えず

由佳を落ち着かせることだけに集中した。

夜が明けた。

徐々に自分が置かれている立場を考えた。

そして事務所に連絡を入れた。

すぐに幹部がやってきた。

「お前、自分が何したか分ってるな?」

そう言われ俺は「はい、申し訳ありません」と答えた。

ガンッー、と腹に衝撃が走った。

殴られたのだ。

「どう落とし前つける気じゃおどれ?」

幹部にそう言われた。

破門は間違えないだろう。

絶縁状だってあり得る。

そんな時だった。

由佳が恐る恐る話し出した。

「お兄ちゃんは悪くないんです」

「その人が無理やり私を襲ってきたんです」

震えながら妹が言葉を続けた。

幹部の表情が一瞬変わった。

一生懸命由佳が弁明をしてくれている。

幹部は事情を聴いてくれた。

すると一瞬考えた様な仕草を見せこう言った。

「取りあえず君は部屋綺麗にしておきなさい」

そう妹に告げると次は俺に向かって言った。

「ついて来い、それ運べ」

’それ’とは動かなくなったアニキの事だ。

おれはアニキを担いで停車してあった高級車のトランクに’それ’を詰め込んだ。


車は西へ向かっているようだった。

車内で言われた。

「お前んした事はご法度じゃ、けどこいつにも非がある」

さっきとは打って変わってどこか優し気な雰囲気で話しかけられた。

「これはまだワシと電話番以外知らん事じゃ」

「じゃけん取り敢えずこいつは沈める」

車は港へ止まった。

俺はトランクルームを開け幹部の指示通り

重りを付け’そいつ’を海に投げ込んだ。

これからどうなるのだろう。

俺も殺されるのか。

そんな事を考えていた。

そして幹部はこう言った。

「妹さんに感謝せえ、あんなええ子大事にせなあかん」

えっ?と一瞬思ったがどうやらこの件は見逃してくれる

ようであると俺は理解した。

「ただ、後の始末はつけないけん」

「取り敢えず妹さんと遠くへ行くんや」

そう言われ、数百枚の札束を渡された。

「お前はようしのぎで稼いでくれとったからボーナスじゃ」

そう幹部は言った。

その後、妹を迎えに行った。

そして俺は妹を連れ東京へ向かうことにした。

そういえば去り際幹部がこう言った。

「破門状は出すけえな、後の面倒は見てやれん」

俺は組を抜けたのだと理解した。

14年間住んだ村、いい思い出なんて一つもない。

ただ、大事な妹だけは何としても守らないといけない。

そう心に決め、カバン一つに荷物を納め新幹線へと乗り込んだのだった。


東京ーーー。

記事作成の外注業務を主に生計を立てていますので、執筆ペースが落ちる事があると思いますがご了承ください。

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