第0夢「プロローグ」
多少刺激の強そうな表現が物語にときどき入っていますので苦手なかたはご遠慮ください。
モノクロの世界―――
昔見た彩りも忘れ。
今、彩ろうともせず。
ただ、ただ平坦な道を選び、進んで来た。
肉体は―――
より安直な方を好んで歩き残った心は―――
ダイヤモンドの様に堅い鎧に包まれ、死を待ち遠しく思っている。
今まで自分の何もかもを
オブラートに包んできた
彼の名は―――――――――――――夢野 無幾 ―――――ユメノ ナイク
14歳
ただ死を待つ
哀しき少年。
何故彼は―――
全てを隠しているのだろう
懸命に生きようとはしないのだろう。
頼るべき者がいないのか?否、彼には彼を愛し続けた母がいる。
父は、彼が生まれた後すぐに事故でなくなってしまったが、母は彼を捨て逃げたりはしなかった。
では、何故彼はその心を閉ざしてしまったのだろうか?
彼の部屋にはその全てを知る者が息を潜め、そっと坐している。
そして、夜も更けると動きだし「夢の王国」への鍵を探している。
その者の名は―――――――――――「紅蓮」
さぁさぁ、続きは彼らから直接聞こうじゃないか!!ぐずぐずしてはいられない夢が覚めてしまう前に 冒険の旅へと出掛けよう。