でもんさんに聞いてみた
著作
人類は滅びますが、電子の世界で生きていきます
著者ページ
https://mypage.syosetu.com/595091/
「まずはお名前をお願いします」
でもんです。よろしくお願いします。
英語だとdaemonです。
ちなみに本名には一切被っておりません。
本名でデビューしたかったのですが、同姓同名の方がアニメ業界におられ著作もあったので、ご迷惑をおかけしてはならないと諦めました。
最近は作詞家としても活動しています。
「書籍化作品までにどんなジャンルの作品を書かれていましたか?」
90年代後半はテクニカルライターとして少し活動していました。
小説は45歳で書き始めて、最初は異世界転移ものを1作。その完結後にデビュー作となった『人類は滅びますが、電子の世界で生きていきます』を書き始めました。
「デビュー作と、その経緯など。どのような形でデビューが決まりましたか?」
第2回お仕事小説コンで楽ノベ文庫賞に入賞しました。その副賞として電子書籍によるデビューとなっています。
「デビュー作を書き始めた時、ぶっちゃけ今みたいな人気がでると思っていました?」
いまだに人気が出ていない……(´・ω・`)
デビュー作のプロットが頭に浮かんだ瞬間、エピローグにあたるシーンが脳内再生されて、その内容に運転中にもかかわらず一人で泣いてました。なので人気が出るとか出ないに関わらず、書かねばという思いで書き始めました。でも、正直アニメ化待った無しだろうくらいは思っていましたね。
「どんな点を売りにしようと思って書きましたか?」
2つの軸が複雑に絡み合いながら対立する話を表現したいなと思っていました。また、メインテーマとして「家族になる」ということを置いていましたので、主要キャラ同士が「家族になる」ための心情だったり、歪な家族の姿だったりを書き分けようと考えていました。
「周囲の評価、評判は、その売りと一致しましたか?」
うーん。どうでしょう。
正直、受賞前はブックマーク2という状態でしたし電子書籍化されるても読者が少なく、あまり感想というのを聞けていないんですよね。
テーマ的な部分についてどうこうというのではなく、「面白い」と言っていただいた方はおりましたので、これからも「評判」をお待ちしております。
友人にはお前の恋愛観を読んでいるようで気持ち悪いというお言葉も……。
「普段から、面白いものを書くためにどんな工夫をしていますか?」
書いてる時は文章の音を意識しています。
これは読みやすさともまた違う話で、人間は文字情報よりも聴覚からの情報の方が想像力を大きく膨らませることができると思っているので、音読した時のリズム的なもので物語全体が調和を取れるようにということを心掛けています。
「読書はどれぐらいの頻度で読んでいますか? 月に何冊ぐらい」
最近はWeb小説ばかりですが、読むときは20~50冊くらいですね。
とりあえず、何も読まないという日はありません。
ひたすらラノベ系の本ばかりです。
「読書量は書く際の面白さに比例すると思いますか?」
人によるんじゃないでしょうか。
私自身、読むのが好きなので読んでいますし、書くのも好きだから書いています。
ただ小説は理屈で書くものではないので、妄想力はあった方がいいとは思います。
その妄想をかき立てやすいデバイスが小説だと思いますので、読書量が無駄になることはないんじゃないかなとは思います。
「どんな本がお勧めですか?」(影響を受けた本や、参考になる資料など)
年齢が年齢なので古い作品ばかりで申し訳ないですが、いくつかご紹介します。
脳内にぐぐっと響くのは新井素子先生の作品ですね。私が音を大切にするきっかけになった作家だと思っています。
また、物語のジャンルや構成という点では田中芳樹先生(銀河英雄伝説、創竜伝)と栗本薫先生(グインサーガ、伊集院薫シリーズ)あたりでしょうか。
ただ、自分の作品のベースとして最も影響を受けているのは星新一先生、眉村卓先生、小松左京先生といった大御所になります。
いずれにしても思春期に読んだ作品というのに一番影響を受けているような気がします。
「面白いものを書くために必要な質って何が考えられますか?」
自分の作品が世界で一番面白いと思い込める妄想力ですね。
つまらないかもしれないものを人に見せようなんて考えですと、良い作品は生まれない気がします。
実際にどうかは別として自分だけは自分自身の作品が好きで好きでたまらない一番の読者であるべきかなと思っております。
「デビュー後の今、デビュー前の自分にアドバイスするとしたら、どんなことを言いますか?」
誤字脱字が多いから、もっと周囲に頼って(笑)!
副賞での電子書籍化だったので、ちゃんと校正が付いていないんですよね。
プロローグにどでかい誤字があったまま出版されていることに気が付いた時は凹みました。
「どんな環境で書いていますか?」(自宅か・喫茶店か。また、どのようなハード・ソフトを使用してるか)
パソコンで書いています。
短い作品だったら秀丸を使って、長文だとWord。最近は一太郎をインストールしてみたので、そちらへ移行中です。
「どうやってネタを考えているの?」
シーンや物語のきっかけになるようなキーワードをいつも考えています。
書籍化した『人類は滅びますが、電子の世界で生きていきます』ですが、実は最初は『人類は滅びましたが、電子の世界で生きています』というタイトルが先に浮かび、そこから電子移行した後の世界における旧人類と新人類の軋轢みたいなものを書こうと思っていたのです。ところが前述した通り、運転中に電子移行前の物語が浮かんでしまい……という感じでスタートしました。
「自分の中で小説の書き方の軸は決まってますか?」
主要キャラクターには必ず、その行動の背景には「幸せになりたい」というものがあるはずと考えています。幸せになりたいから保身的行動で悪に走ったり、幸せになりたいから人の幸せを呪うといった形で、発露の仕方はキャラそれぞれですが、理知的な人間である以上、その行動の制約として「幸せ」というものを軸にしています。
物語のプロットに合わせてキャラを動かすのではなく、行動原理ありきでキャラを動かすようなイメージですかね。
「読書以外の趣味と、その趣味が作品へ影響している可能性はありますか?」
趣味が何かと言われると最近は仕事ばかりで困ってしまうのですが、自分が生きてきて経験してきたこと、想像してきたこと全てが作品へ影響を与えているのだと思います。