小鳥居ほたるさんに聞いてみた
著書
記憶喪失の君と、君だけを忘れてしまった僕。
休みの日〜その夢と、さよならの向こう側には〜
あの日に誓った約束だけは忘れなかった。
ラストは絶対、想定外。~スターツ出版文庫 7つのアンソロジー2~(短編を1作担当)
著者ページ
https://mypage.syosetu.com/918020/
「まずはお名前をお願いします」
小鳥居ほたると申します!小鳥遊ではなく、小さい鳥居と書いて小鳥居です!
「書籍化作品までにどんなジャンルの作品を書かれていましたか?」
作家を目指し始めた頃はとりあえずデビューしたいという気持ちが強く、異世界系などのファンタジーを書いていました。半年ほど迷走した後、自分の一番やりたいことはこれではないと思い立ち、恋愛ジャンルの小説を書くようになりました。
「デビュー作と、その経緯など。どのような形でデビューが決まりましたか?」
デビュー作は、2018年に発売した『記憶喪失の君と、君だけを忘れてしまった僕。』です。とある作家さんのインタビューで「この小説でデビューできなければ、自分は作家に向いていない」と答えていたのを目にしたのですが、まさに自分もそう思いながらデビュー作を執筆していました。
小説家になろうに掲載して数日、ランキングに何度か上りましたが書籍化の打診は来なかったです。ですが完結をさせてから1年後に、現在書かせてもらっている出版社様からの打診が来ました。
「デビュー作を書き始めた時、ぶっちゃけ今みたいな人気がでると思っていました?」
売れる要素を詰め込んで執筆していましたので、異世界系が流行っているなろうでも何らかのきっかけがあれば人気が爆発すると思っていました。結果は予想していたよりも奮いませんでしたが、現在書店でたくさん置かせてもらっているので、間違ってはいなかったんだろうなと思ってます。
私の好きな作品のセリフで「才能っていうのは、何よりまずチャンスを掴む握力と失敗から学べる冷静さ」というものがあります。その点、私はいろいろな方面で運が良かったです。
「どんな点を売りにしようと思って書きましたか?」
主人公とヒロイン、ほぼ全てのセリフや行動が伏線になるように書いて、二度読みした時にまた違った印象を受けるところを売りにしようと思って書いていました。やや強引な部分もありましたが、何か一つでも欠けていればこのラストを迎えることができないという点で、ロマンチックな物語を書けたように思います。
「周囲の評価、評判は、その売りと一致しましたか?」
恋愛部分を過剰に甘くしてしまったため、多くの読者から甘ったるいとの言葉をいただきました。ですが感動したとの感想も同じくらい頂いています。
「普段から、面白いものを書くためにどんな工夫をしていますか?」
あまり工夫というのはしていませんが、世に出回っている小説を読んで、どうしてこの小説は人気が出ているのか分析しています。それに倣って、物語の中に意識的に緩急を付けて飽きさせない努力をしています。
「読書はどれぐらいの頻度で読んでいますか? 月に何冊ぐらい」
月に全く読まない時もありますし、2〜3冊程度読むときもあります。ぶっちゃけるとあまり読書は好きじゃありません。(集中が続かないため)
「読書量は書く際の面白さに比例すると思いますか?」
私の場合、比例はしないと思います。自分の好きな本を読み込んで、どうして人気が出て売れているのか分析をしましょう。
「どんな本がお勧めですか?」(影響を受けた本や、参考になる資料など)
恋愛青春小説しか読まないですが、一冊で完結する本を書く場合「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」という小説を参考にするのがオススメです。こちらを読み込めば、物語の緩急の付け方が分かるかと思われます。
あと個人的にオススメな小説は「君の膵臓をたべたい」「かがみの孤城」です。読んでおいて損はないです。文章力を鍛えるなら武田綾乃先生の本を模写しましょう。
「面白いものを書くために必要な質って何が考えられますか?」
自分が書きたいと思ったものを書く。それが一番質に繋がると思います。興味のないものほどかける労力が減り、完成度が低くなることを自ら学びました。
「デビュー後の今、デビュー前の自分にアドバイスするとしたら、どんなことを言いますか?」
自分の書きたいものを見定めて、努力の方向性を間違えないでほしいと伝えたいです。いろいろと失敗してしまったことが多かったので、、、
「どんな環境で書いていますか?」(自宅か・喫茶店か。また、どのようなハード・ソフトを使用してるか)
最近は自宅でsurfaceを使って書いてます。ソフトはwordです。
「どうやってネタを考えているの?」
小説を読んで、私ならこうやって物語を展開させるという発想を元にネタを考えています。なので、基本的に新しい小説を書きたいと思った時に読書量を増やしています。
「自分の中で小説の書き方の軸は決まってますか?」
これはあくまで私の書き方なので、参考になるかはわかりませんが、、、、
序章に物語の重要なシーンを持ってきて興味を引き、そこに至るまでの過程を本編として書きます。中盤で物語のある程度のネタバラシをするのですが、そこでも伏せる事実は隠しておき、後半で物語をひっくり返す仕掛けを施します。
私は大体こういう書き方をしています。
「読書以外の趣味と、その趣味が作品へ影響している可能性はありますか?」
食べることが趣味なのですが、日常風景を描写する時に役立っているなと感じることはあります。