Swindさんに聞いてみた
著作
『異世界駅舎の喫茶店』小説版・コミックス版各2巻まで刊行
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「まずはお名前をお願いします」
Swindと書いてスインドと申します。酢印度ではありません。
「書籍化作品までにどんなジャンルの作品を書かれていましたか?」
――練習として短編を1つ書いた以外は、全く執筆経験ゼロでした。
「デビュー作と、その経緯など。どのような形でデビューが決まりましたか?」
――『異世界駅舎の喫茶店』が第4回ネット小説大賞の受賞作に選出され、デビューしました。
同期の中では2番目の低ポイント受賞作品だったと記憶しています。
「デビュー作を書き始めた時、ぶっちゃけ今みたいな人気がでると思っていました?」
――ふわーっと書き始めたので、人気が出るとかでないとか全く意識してなかったのが正直なところです。
ただ、正式連載開始前に投稿した短編読み切り版(旧題:異世界駅舎のまかないご飯)が当時の自分の感覚で「あ、読んでくれてる人がいる!」と思えるくらいの反応はいただけていたのは覚えています。
書きはじめて数か月たってからポイントがドンと伸びたのですが、その時に初めて
「もしかしていけるんじゃね?」って思いました。
「どんな点を売りにしようと思って書きましたか?」
――自分が料理をするのが好きというのもあり「料理をする側人の視点で物語を描く」というという点は初期からこだわりました。
実際に料理を作ってから書いたり、料理を選ぶ&作る&提供するといった場面での
料理をする人の心の中を描きたいと思っています。
それに加えて、途中である方から「異世界駅舎は『人と人とのつながりや縁』を描いている」という言葉を頂き、そこから意識して書くようになりました。
「周囲の評価、評判は、その売りと一致しましたか?」
――グルメ×人情・縁という部分は楽しんで頂けていると思います。
「普段から、面白いものを書くためにどんな工夫をしていますか?」
――料理シーンを出来るだけわかりやすく、かつ思い浮かんでもらうように描くため、
料理をしてから作品を書くことも多いです。
本編については「実際に作れない料理は描かない」のがポリシーです。
また、四方八方にアンテナをはって、細かなネタは常に集めています。
「読書はどれぐらいの頻度で読んでいますか? 月に何冊ぐらい」
――今は小説・コミック合わせて10~15冊程度だと思います。
「読書量は書く際の面白さに比例すると思いますか?」
――ある程度は比例するものの、一定をレベルを超えると坂がどんどんなだらかになると感じます。例えるなら Y=√X(X>0)のグラフみたいな感じです。
ただ、逆に読むのをサボるとインプットが不足し、アウトプットが難しくなると感じます。
「どんな本がお勧めですか?」(影響を受けた本や、参考になる資料など)
――作品のアイデアを練ったり形作ったりする上で、アイデア力や企画力に関するビジネス書は非常に役立つと感じます。
個人的には、古いビジネス書ですが「考具 ―考えるための道具、持っていますか?(加藤 昌治著、 CCCメディアハウス)」が大変お勧めです。
また、「書きたいジャンル以外のジャンルの作品」を読むことでも、いろんな示唆が得られると思います。
(たとえば異世界駅舎を書いているときは、TRPGのリプレイなんかを読んでいたりします)
もちろん「異世界駅舎の喫茶店」も非常に示唆に溢れています(笑)
「面白いものを書くために必要な質って何が考えられますか?」
――色んな観点があると思いますが、まずは自分が「面白い」と思う作品を書くことが第一かなと。
その上で、自分としては「キャラクターが動く舞台装置」が面白さの源になることが多いと思います。同じ異世界グルメでも「異世界食堂」「異世界居酒屋のぶ」「異世界料理道」そして「異世界駅舎の喫茶店」で舞台装置はそれぞれ違い、その違いが作品の個性につながっていると思っています。
自分の書きたい内容やテーマにあった「舞台装置」を用意できれば、あとはキャラクターが勝手に演じてくれるような気がします。
「デビュー後の今、デビュー前の自分にアドバイスするとしたら、どんなことを言いますか?」
――「小麦粉をなくす」のはやめろ(断言)
「どんな環境で書いていますか?」(自宅か・喫茶店か。また、どのようなハード・ソフトを使用してるか)
主に自宅で書いています。ハードはノートPC、ソフトはなろう用の原稿はテキストエディタを、書籍版原稿はワードを使っています。
サブモニタをつないで2画面にしたことで作業環境が快適になりました。
あと、個人的にはキッチンが必須です(笑)
「どうやってネタを考えているの?」
――主に「ずらす」「かける」「ひく」で考えています。
異世界駅舎の喫茶店の場合であれば
・物語の舞台となる「異世界」を先行作品とずらして「産業革命期ぐらいのイギリス」と設定
・喫茶店に「駅舎」を掛け合わせて、舞台装置としてのギミック(人の交流点になる)を入れ込む
・料理に不可欠な「小麦粉」をあえて「ひく」ことで、特徴づけをする。
といったような形で考えていきました。
「どんな舞台で何をするか?」というところからスタートすることが多いですが、
その中でもこのような「ずらす」「かける」「ひく」のキーワードでいろんな組み合わせを思考実験して煮詰めています。
「自分の中で小説の書き方の軸は決まってますか?」
あまり決まっていませんが、短編をつないでいくという書き方が基本になっている気はします。(というかそれ以外かけないです……)
「読書以外の趣味と、その趣味が作品へ影響している可能性はありますか?」
完全に影響しています。
むしろ料理+食べることが趣味なので、グルメ系作品を書いているぐらいです(笑)