愛山雄町さんに聞いてみた
著作
Trinitasシリーズ ドリーム・ライフ~夢の異世界生活~
Trinitasシリーズ トリニータス・ムンドゥス~聖騎士レイの物語~
著者ページ
http://mypage.syosetu.com/284675/
「まずはお名前をお願いします」
愛山雄町です。
「書籍化作品までにどんなジャンルの作品を書かれていましたか?」
SFです。ミリタリーSFの「クリフエッジシリーズ」を今も書き続けています。
「デビュー作と、その経緯など。どのような形でデビューが決まりましたか?」
デビュー作は「トリニータスシリーズ」で、「ドリーム・ライフ」と「トリニータス・ムンドゥス」の2作品です。
メインストーリーである「トリニータス・ムンドゥス」は本格的な大河ファンタジーを目指して書いていましたが、どうしても内政もの(酒もの?)が書きたくなり、「ドリーム・ライフ」を執筆しました。そのドリーム・ライフは投稿開始直後から、割りとヒットしたのですが、作風的に書籍化は無理かなと思っていました(笑)。
ドリーム・ライフの投稿開始から2年半後くらいに突然、TOブックス様から声が掛かったのですが、それがトリニータスシリーズ2作品同時ということで、「大丈夫なのか」と思ったのが正直な感想でした。
「デビュー作を書き始めた時、ぶっちゃけ今みたいな人気がでると思っていました?」
トリニータス・ムンドゥスは正直、人気が出るとは思っていませんでした。逆にドリーム・ライフは当時流行りの内政ものだったことと、トリニータス・ムンドゥスである程度、読者さんが付いた状態からスタートだったことから、多少は読んでもらえると思っていました。ただ、ここまで熱狂的な読者さん(ドワーフ信者)が現れるとは正直思っていませんでした(笑)。
「どんな点を売りにしようと思って書きましたか?」
ドリーム・ライフは当初、“内政”を売りにして書きましたが、すぐに“趣味(酒)”に走り、売りとかそういうものは考えなくなりました。
メインストーリーのトリニータス・ムンドゥスはしっかりした世界観と多くの伏線、そして主人公の成長を売りに書いています。
と、ここまでが真面目な話ですが、ぶっちゃけ、トリニータスシリーズはクリフエッジシリーズの宣伝用に書きました。
今もそうですが、VRMMO以外のSF、それも宇宙物のミリタリーSFは「小説家になろう」では無茶苦茶マイナーな分野です。(ジャンル別でトップ4を独占できるくらいです)
書き始めた当初はアクセス数もほとんどなく、一日で一桁という日もありました。そのため、読んでもらうためにどうしたらよいかを考え、なろうで人気の異世界転生・転移ものを書き、読者さん(逆お気に入りユーザー)を確保しようと思ったのです。この作戦はものの見事に成功し、最近ではクリフエッジシリーズも読んでいただけるようになりました。
「周囲の評価、評判は、その売りと一致しましたか?」
ドリーム・ライフの内政についてはある程度評価いただけたと思っています。
トリニータス・ムンドゥスは売りの点ではあまり一致しているとは思えません。
「普段から、面白いものを書くためにどんな工夫をしていますか?」
お酒を飲みに行っています。バーにはいろいろなアイデアが転がっているのです(笑)。
真面目な話では、他の方の作品を参考にしようとランキング入りしている作品は目を通すようにしています。
「読書はどれぐらいの頻度で読んでいますか? 月に何冊ぐらい」
昔は月に20冊くらいでしたが、今はWEB小説がメインで、紙ベースは3~4冊くらいです。
「読書量は書く際の面白さに比例すると思いますか?」
正直分かりません。才能のある方なら、それほど読まなくても面白くなるでしょうし、私のような者はたくさん読んでもあまり成長していない気がしますので。
ただ、いろいろな分野の本は読むべきかなと思います。
「どんな本がお勧めですか?」(影響を受けた本や、参考になる資料など)
既に書かれている作家さんも多数いらっしゃいますが、影響を受けた本は「銀河英雄伝説」です。他には高千穂遥先生のクラッシャージョー、アレクサンダー・ケントのボライソーシリーズなどですね。
参考になる本ですが、書きたいもので変わるのではないかと思います。
私の場合、世界史、宗教(聖書やイスラム関係)、中国の古典は参考になっています。他にも経営学や経理関係なども参考になっているはずです。今の作品に反映されているはず……
「面白いものを書くために必要な質って何が考えられますか?」
好奇心かな。好奇心があれば、新しいアイデアに出会うこともあるでしょうし、作風に幅ができるのではないかと。私の場合、その好奇心は専らお酒と美食に向いているので、作風に広がりは出てきませんが(笑)
「デビュー後の今、デビュー前の自分にアドバイスするとしたら、どんなことを言いますか?」
一冊目に山場を持ってこい!ですね。第一巻の重要性はデビュー後に思い知らされました。
他には初稿は百回くらい読み直せです。WEBと違って一度世に出たら修正できませんので。
「どんな環境で書いていますか?」(自宅か・喫茶店か。また、どのようなハード・ソフトを使用してるか)
帰宅後に自宅で書いています。ノートPCでWORDを使っています。WORDは会社で使っており慣れているので。
「どうやってネタを考えているの?」
考えているのはちょっとした時間があるときですね。例えば、お風呂とか就寝後のベッドの中とか。他にも詰まらない会議中にも……意外にいいアイデアが(ゲフンゲフン)
私の場合、プロットに従って骨組みを書きなぐりのように書き、推敲しながら肉付けしていく書き方なので、その推敲時に思いついたアイデアを入れ込むことが多いです。例えば、この場面はこうした方がいいなとか、会話はこう変えたほうがとか。
「自分の中で小説の書き方の軸は決まってますか?」
軸というか、世界観はぶれない程度に固めてから書き始めます。一つの世界を作るのに、地図、歴史、思想などを決め、そこからプロットを作っていくという感じです。どちらかというとTRPGのルールを作ってから、ゲームマスターがシナリオを作るのに似ていると思います。
ですので、無駄に設定集ばかり増えてしまいます(笑)。
主要なキャラクターについても同じで、描写がぶれないように細かい設定を決めています。
名前、年齢(誕生日も設定)、容姿(モデルは俳優の誰々、身長、目の色、髪の色、髪型、顔の特徴、肌の色、体の特徴、普段着る服や武装)、生まれてから死ぬまでの経歴、性格(その性格になった経緯を含め)、ステータス(筋力、知力、魅力など)、スキル(武術や魔法)、一人称(僕なのか私なのか)、主要キャラの呼び方……といった感じで無駄に設定が細かい。なぜかエクセルでステータス表があったりするんです……(笑)
「読書以外の趣味と、その趣味が作品へ影響している可能性はありますか?」
酒です! 影響が無いと言ったら読者さんに刺されます(笑)。