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涼暮皐さんに聞いてみた

著書

セブンスターズの印刻使い

オカルトギア・オーバードライブ

やりなおし英雄の教育日誌

ワキヤくんの主役理論


著者ページ

http://mypage.syosetu.com/8536/

「まずはお名前をお願いします」

 涼暮皐です。ネット上では白河黒船とも名乗っております。

 その前はその前で、また違う名前だったりもしました。探さないでください。


「書籍化作品までにどんなジャンルの作品を書かれていましたか?」

 特にこれといったジャンルはなかった気がします。コメディやミステリ、青春モノなど基本的には現代日本を舞台にした作品が多かったように思いますが、まあファンタジーやSFっぽいものも書いていたので、いろいろです。

 あとは少しだけ二次創作もやっていましたね。デビュー後も某文学作品の二次とか――うん、この話やめましょう。

 探さないでください。


「デビュー作と、その経緯など。どのような形でデビューが決まりましたか?」

 小説家になろうさんで連載していた『セブンスターズの印刻使い』という作品にお声がけいただき、HJ文庫さんから発売が決まりました。

 2014年の10月に連載を開始しましたが、当初は日間ランキングなどに引っかかることもなく細々とやっていたような感じですね。その後、年明け前後でランキングに掲載され、編集者さんの目に留まったということのようです。

 ちなみに、いちばん初めに連絡を受けたときは、バイト帰りに友達といました。「何これ詐欺?」と言われました。

 ……いや、同じこと思いましたけど。


「デビュー作を書き始めた時、ぶっちゃけ今みたいな人気がでると思っていました?」

 これは本気で微塵も思っていませんでした。

 いえ、いずれ作家になりたい、という思いは以前から持っていましたのです。ネット上に小説を掲載していた理由もその辺りが影響してはいます。ただもともと、別のサイトなどでネット連載はしていたものですから。

 その当時から一定数、読んでくださる読者さんには恵まれていました。その経験から、「一作目でそれなりに読者を掴めば二作目でランキングとか載れるかなー?」くらいの、今思えば舐めた皮算用から書き始めたのを覚えています。

 実際、連載開始から数か月は、ランキングに引っかかるような位置にはまったくいませんでした。それでもまあ、ほかのサイトよりは読者さん多いしこんなもんだよなー、くらいのものだったのですが……。

 結果的には一作目(いや、それ以前にもいくつか載せてはいたのですが)から書籍化できたという形です。

 本当に、恵まれた結果だと思っています。


「どんな点を売りにしようと思って書きましたか?」

 いわゆる厨二的な設定と、それを主軸にしたバトル描写、プラスでキャラクターの立場という辺りでしょうか。

 言うところの《異世界ファンタジー》を書こうと思った理由は正直、このサイトでは人気らしいぞ! くらいのもんでした。なら主人公がそれなりに強く、そこに個人的に好きな西洋近代魔術系のネタを混ぜ込んで――という発想だったかと思います。

 あとはまあ、煙草でルーン文字書くとか格好よくね→煙草の銘柄っぽいチーム名と合うんじゃね→やっべコレ面白いじゃん完璧かよ!

 ……みたいなノリでテンションが上がり、あとは気づいたら書き始めていました。

 キャラに関しては、普通だったら噛ませなキャラが実は超強いとか、気弱そうに見えて腹黒とか、そういうギャップみたいなものを意識した記憶があります。

 ただ結局、自分が好きだと思うモノを最優先してしまった部分は大きいかと思います。善かれ悪しかれ。

 僕が「ほらこれ面白いだろ、ほらぁ!」とはしゃぐのに、構ってくださる人がいることは幸せです。


「周囲の評価、評判は、その売りと一致しましたか?」

 おおむね一致したのではないかと思っております。

 特にバトルや魔術に関しての描写は、きちんと理屈があって勝敗が決まる、という点は強く意識していましたので、その辺りを評価していただけると嬉しく思いますね。

 ただそこはそれ、読者の皆様がそれぞれ自分の思う楽しみ方をしていただければいいかな、と。

 作者である自分自身、あまり予想していなかった部分に面白さを見出していただけることも喜びのひとつです。要は楽しんでさえいただけるのなら、なんだっていいかなー、と。


「普段から、面白いものを書くためにどんな工夫をしていますか?」

 どんなことを――と言うと難しいですが、正直もう《あらゆることを》としか言いようがない気がします。

 その上でひとつ言うのなら、自分の中にある《面白い》を極力、最高の形で伝えることに工夫を重ねるようになりました。

 物語を作る方になら共感いただけるのではと思うのですが、作者の頭の中には当然、こう、《最高に面白い物語》があるんです。僕にはあります。あとはそれを、どこまで100%に近い形で出力できるかを考えますね。

 ただこれが非常に難しい。誤解を恐れず言うのなら、どうがんばっても70%くらいしか表現できていないのでは、みたいな気分になるものなのです。いや、もちろん面白いものを、と思って書いているのは前提として。

 誰に、どんな年齢層に向けて書くのか、面白いと思う場面をどう演出するのがいちばん伝わるのか、文章の書き方はどうか、効果的な設定の魅せ方とは何か……。

 考えられることは様々あって、正確な答えなんて未だにわかりません。たぶん一生、考え続けると思います。

 みんなも苦しもうぜ!


「読書はどれぐらいの頻度で読んでいますか? 月に何冊ぐらい」

 あー、どうでしょう。読むときはガッツリ読みますし、読まないときはぜんぜん読まないタイプです。

 なんで平均で言うと難しいですね。忙しければまったく読めないなんて月もありますし、日に三冊を一か月以上継続した月も過去にはありました。

 ただ基本的にはエンターテイメントに触れていないと死ぬタイプの生命でもあるので、日にひとつは必ず何かしらのインプットはしています。そう心がけているわけではなく、普通にそうなるっていう話なんですが。

 楽しいから読んでいるだけですね、正直。


「読書量は書く際の面白さに比例すると思いますか?」

 ひとつ前で楽しいから読んでいると答えておいてなんですが、すると思います。ある程度まで。

 ですから面白いものが書きたいという方は、読んで書く――これを繰り返すのが最速の上達方法ではないかと。

 面白いものに触れることで、面白いものがなぜ面白いかがわかる。そうすれば自作にも反映できる、と。まあ当たり前の話ですね。なんなら小説、というか本に限らないと思います。映画でも音楽でも旅行でも、なんでも。

 あと別に分析して読もうとかしなくても、読書を重ねていれば少しずつ血肉になっていくものだと思います。

 そういう感覚は、触れてきた作品の量で鍛えられるものだと。無論、最後は結局、書くことになるんですけれど。


「どんな本がお勧めですか?」(影響を受けた本や、参考になる資料など)

 先述した『セブンスターズの印刻使い』や、あとは別サイトからになりますが『ワキヤくんの主役理論』辺りが僕の書籍化作品ですので、書籍化を目指す人には参考になるかもしれません。

 目指してなくても参考にならなくてもお勧めです。

 ……っていうネタはたぶんもう繰り返されているでしょうから、まあひとつ前の質問とも絡めまして。

 資料は、極力これは読むことをお勧めします。

 なんでもです。自分で書く作品に必要であるなら、まずは調べること。これを疎かにすることはあまり勧めません。

 個人的な得意ジャンルとして西洋魔術関連としてですが――、


 フレッド・ゲディングズ『オカルトの事典』

 アレイスター・クロウリー『魔術 理論と実践』


 などは触れておくといいかと思います。僕は才能がないのか、魔術師にはなれそうにありませんが。


「面白いものを書くために必要な質って何が考えられますか?」

 必要な質……、質ですか。また難しい質問ですね。……質だけに。

 はい。

 ……ええと、いろいろ考えましたが、結局は「なんのかんの言っても、なんのかんの言っている間に書くこと」だと僕は思います。それができること、できる人間であること、ですかね。

 書かない理由、書くことをやめる理由なんて、それこそ恐ろしいほどに溢れています。単純なモチベーションだったり、心ない中傷だったり、あるいは仕事や金銭、環境や健康、時間の問題だったり。いろいろです。

 そんな中で、それでも書けること、書くことをやめないでいられること。

 結局のところ、それができるかできないかだと思います。単純すぎて当たり前のようですが、大事ですよね。

 というわけで今のところ僕は書いていますので、今後ともよろしくお願いします。


「デビュー後の今、デビュー前の自分にアドバイスするとしたら、どんなことを言いますか?」

 いいから

   お前は

     黙って

       書けと。


「どんな環境で書いていますか?」(自宅か・喫茶店か。また、どのようなハード・ソフトを使用してるか)

 自宅ではあまり書きません。主にファミレスや喫茶店などにいることが多いです。

 持ち運びやすいSurfaceを今は使っています。

 エディタはWordとメモ帳を、目的に応じて使い分けですね。稀にExcelも。


「どうやってネタを考えているの?」

 ある日いきなり使えるネタが降ってくる、みたいなことって、実はあんまりないです。皆無とも言いませんが。

 結局のところ、メモ帳出してペン持って「よっしゃあネタを考えるぞ!」っていうときがいちばんネタができるっていう感じですかね……考えようとして考えています。思いつくことをとりあえず書き殴りまくる感じで。

 一本、軸になるネタを考えて、あとはそれをひたすら膨らませていこうとがんばる感じでしょうか。

 まあ日々の生活の中で蓄積されていくものが、結果としてアウトプットされていると思うので。そういう意味では、常にネタを考えているし、使えるものを探していると言っていいんじゃないでしょうか。

 なんか格好よくないですか?


「自分の中で小説の書き方の軸は決まってますか?」

 あんまり意識したことはありませんが、おそらく決まっているんだと思います。

 書く前に当然、設定とか展開とか人物とか考えるんですが、それをある程度まで終わらせると「あ、これなら書けるな」っていう感覚が芽生えるんです。そうなればもう、書くことで詰まることはまずないですね。

 逆に「これ書けるな」っていう確信がないと、必ずどっかで詰まります。

 ……まあ、ならないで書くことほとんどないんですけどね。だから実はわかりません。


「読書以外の趣味と、その趣味が作品へ影響している可能性はありますか?」

 僕の場合、オカルト好きと旅行好きという二点は、ほぼ間違いなく作品に反映されています。

 これも前の質問に被ることですが、結局のところどんなことであれインプットであり、それは多かれ少なかれ作品の中に反映されていくものなんじゃないかなあ、とは思いますね。

 僕の場合(これたぶんそういう質問じゃないですけど)好きなヒロインのタイプとかは、逆にほぼまったく作品に反映されていないように思います。

 もちろん好きなキャラは好きなキャラですが、好きだから出しているわけではなく、出てきたキャラが勝手に好きなキャラだっただけ、というか。女性キャラに限らず男性キャラもそうですね。作品の要請次第です。

 だから、僕の作るキャラが僕っぽいって言われるの、なんかあんまり釈然としません(笑)。いいんですけどね!

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