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藤崎さんに聞いてみた

著書:

『レベル99冒険者による、はじめての領地経営』1-6 以下続刊


作者ページ

http://mypage.syosetu.com/332069/

「まずはお名前をお願いします」


 藤崎と申します。名は捨てました。


「書籍化作品までにどんなジャンルの作品を書かれていましたか?」


 現代ファンタジーや伝奇ものを書いていました。

 異世界ファンタジーは、どうしても説明が多くなってしまうので、むしろ敬遠していました。


「デビュー作と、その経緯など。どのような形でデビューが決まりましたか?」


 デビュー作は、『レベル99冒険者による、はじめての領地経営』になります。

 ヒーロー文庫さんの『理想のヒモ生活』でいわゆる『なろう作品』に初遭遇し、それからランキング上位作品を読み漁りました。

 その中でも気に入ったのが内政系のお話で、自分でも内政書きたくなりました。


 いろいろ考えているうちに、以前、D&Dのキャンペーンで使用した(作品世界で最強レベルの)キャラクターが内政をしたら面白いのではないかと思い実際に書いてみました。


 デビューしたのは、モンスター文庫さんからお話をいただいたのがきっかけです。


 投稿から一ヶ月もしないうちで、まだ最初のエピソードも終わっていなかったので、正直なところどうなんだろうと思っていました。

 ですが、実際に会ってお話をさせていただいたところ、しっかり作品を読んでいただいていましたし、レーベルとしてのビジョンもお持ちでしたのでお世話になることにしました。


「デビュー作を書き始めた時、ぶっちゃけ今みたいな人気がでると思っていました?」


 人気が出るといいなとは思っていましたが、まさか書籍化するとは思っていませんでした。

 実際、人気が出なければ最初のエピソードで完結の予定でしたので、先の話はほとんど考えていませんでした。


「どんな点を売りにしようと思って書きましたか?」


 最初の売りは、前述の通り内政と主人公が地球へ帰還するのかどうかという部分です。

 あと、分かる人には分かるTRPGネタでしょうか。


「周囲の評価、評判は、その売りと一致しましたか?」


 概ね一致しましたが、連載を続けていくうちに次の軸に移らねばならず、そこは大変でした。

 TRPGネタに関しては、感想で指摘をもらえるまで、だいぶ時間がかかりましたね。


「普段から、面白いものを書くためにどんな工夫をしていますか?」


 TRPGです。TRPGをやりましょう。


 ゲームマスターは、物語を作る訓練だけでなく、どういう話や展開が受けるのか、実地で知ることができます。

 プレイヤーは、様々なキャラクターを作成し演じることで、小説の登場人物の幅も広げられます。


 また、システムによっては能力値や背景設定などがランダムで決定され、自分では考えもしない面白い設定が生えてきたりします。


 TRPGです。TRPGをやりましょう。


「読書はどれぐらいの頻度で読んでいますか? 月に何冊ぐらい」


 多いときは、毎日一冊。

 最近は読めていなくて、月に5~10冊程度ですね。


「読書量は書く際の面白さに比例すると思いますか?」


 人にもよりますが、個人的には比例すると思います。

 少なくとも作家の養分にはなるので、読んで無駄にはならないと思います。


「どんな本がお勧めですか?」


 参考となる資料は他の方があげていらっしゃいますので、個人的な趣味でいくつかあげさせてもらいます。


『すべてがFになる』


 アニメ化もした森博嗣先生のデビュー作。


 そのアニメも原作に忠実で、目をつぶって台詞を聞いているだけでも面白かったです。

 それはつまり、キャラが立って、会話が面白いということ。会話の面白さは小説の中でも重要な要因なので、そのエッセンスをくみ取れると執筆にも役立ちます。


 また、シャーロック・ホームズを例に出すまでもなく、ミステリィ(特にシリーズもの)はキャラクター小説でもあるので、是非いろいろ読んで欲しいですね。


『夜叉姫伝』


 個人的には、新宿ものの最高傑作です。

 次々と投入され、惜しみなく消化されていくネタやキャラクターにはめまいがするほど。


 菊地秀行先生もノリノリで、予定よりも巻数が増えているのですが、中だるみなんか一切ありません。劉貴大将軍と人形娘が好きすぎてもう。


 ラストがあっさり気味なのは仕様なんですが、そこも含めて魂に響く傑作です。


『永劫の探求』


 クトゥルフ神話関係も押さえておいたほうがいいと思うんですが、基本的に暗いんですよね。ホラーだから当然ですが、まとめて読むと気が滅入ります。


 しかし、『永劫の探求』は超自然的なものに翻弄されるだけでなく、対決するところが大きな魅力です。


 作者のダーレスはファンの間では毀誉褒貶ある人ですけど、一般的な入り口としては悪くないと思うのです。


 もし気に入ったら、タイタスクロウ・サーガに進むといい感じです。


「面白いものを書くために必要な質って何が考えられますか?」


 執筆に、どれだけリソースをつぎ込めるかでしょうか。

 これは時間だけでなく、一度決めた展開もさらに考えれば、もっといい案が思い浮かぶこともあります。


 ある程度で妥協は必要ですが、そこに至るまで、どれだけ自由時間を犠牲にできるか。そうする覚悟があるかは、重要な資質のひとつではないかと思います。


「デビュー後の今、デビュー前の自分にアドバイスするとしたら、どんなことを言いますか?」


 文庫って、案外文章量少ないぞ。プロット段階で、あんまりネタを詰めすぎるなよ。


「どんな環境で書いていますか?」


 基本はPCで、エディタは一太郎。日本語入力はATOKです。

 PCの前に座るのがだるいときは、IS11Tというスマフォをワープロ代わりに使用しています。ただ、壊れやすいんで、中古も含めて三台目です。


「どうやってネタを考えているの?」


 新規に作品を立ち上げるときは、主人公から考えることが多いです。

 次に、ヒロイン・仲間・敵など人間関係を大ざっぱに決め、最後に彼らが活躍できる世界を構築していくという順番です。


 連載作品のネタであれば、主人公など登場人物が成長や変化(目的に近づく、人間関係が進展する、新しいアイテムを手に入れて強くなるなども含めて)する方向性で考えていきます。


「自分の中で小説の書き方の軸は決まってますか?」


 読者が不快になるような展開は、なるべく排除する。

 突き詰めれば娯楽なので、気持ちいい読後感を抱いて欲しいですからね。


「読書以外の趣味と、その趣味が作品へ影響している可能性はありますか?」


 TRPGです。なにはなくとも、TRPGです。


 小説を出した人がTRPGをやっているというよりは、TRPGをやっている人が小説を出してしまったというのが私なので。


 作品への影響というか、デビュー作の『レベル99冒険者による、はじめての領地経営』は、なるべくゲームのルールに沿うように書いてますからね!


 一例を挙げますと、ヒロインのヴァルトルーデは読み書きができない設定なのですが、これはTRPGのキャラクターだったときの設定を引き継いでいます。

 というか、他の能力値は出目が良かったのに、知力だけ低くて読み書きできない能力値だったんですよね……。


 この様に、サイコロがもたらす偶然で面白いキャラクターの設定ができたりします。

 また、ゲームデータの部分を小説に落とし込むと面白い解釈になったりもします。


 なので、作家さんはTRPGをやるのです。

次回更新は未定です。


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