kt60さんに聞いてみた
「まずはお名前をお願いします」
kt60といいます。
スーパーのゴミ箱に捨てられているキャベツと、安売りされてるパンの耳。
税込み5キロ850円のパスタを主食に、細々と暮らしています。
※ゴミ箱のキャベツを持って帰ってもよいかどうかは、スーパーの人に確認しています。
「書籍化作品までにどんなジャンルの作品を書かれていましたか?」
黒歴史とかキャラコメとかエロコメとか黒歴史とかが多かったです。
公募に応募してました。
「デビュー作と、その経緯など。どのような形でデビューが決まりましたか?」
・デビュー作→「物理さんで無双してたらモテモテになりました」
なろうでは、
「モンスターズ・ハーレム~物理さんで無双してたらモテモテになりました~」
というタイトルになります。
・経緯
色々と書いていたのですが、公募の結果で一番よかったのは、「野球小説での二次通過」でした。
しかし半端にいい結果が出たものだからそれに縛られ、その作品の改稿ばかりやっていました。
すると一次落ちが続くようになって、「これじゃいかんな」と気がつきました。
そこで今まで一度も書いたことのないファンタジーに挑戦。
とりあえず書いて、一区切りついたら公募かなぁ、と思っていました。
それが編集さまの目にとまり、「まずはお話を」という流れに。
編集さま「弊社はこの夏、『小説家になろう』様の作品に特化した新レーベル、『モンスター文庫』を立ち上げることになりました」
わたし「はい」
編集さま「色々な方に声をかけ、色々なジャンルを集め――。しかしある時、足りないものに気がつきました」
そう、エロです。
編集さま「そしてエロを探していたら、ktさんの作品に出会いました。読んだわたしは思いましたよ」
エロくて、いいなぁ――と。
わたし (;・`ω・)оО○(この人は信用できる!)
といった流れで書籍化ですヽ(・∀・)ノ
「デビュー作を書き始めた時、ぶっちゃけ今みたいな人気がでると思っていました?」
上記の通り習作のつもりだったので、まったく思っていませんでした。
「どんな点を売りにしようと思って書きましたか?」
女の子がかわいい。
女の子がかわいい。
女の子がかわいい。
それしかない! でもそれがある!
「周囲の評価、評判は、その売りと一致しましたか?」
_人从人从人从_
< 完全に一致! >
 ̄Y^Y^Y^Y ̄
「普段から、面白いものを書くためにどんな工夫をしていますか?」
工夫というほど大げさではないのですが、売りをぶち込むようにはしています。
自分は一時期、なろう以外のところでアマチュアさんの小説を読んでいました。
それらの小説と売れている作品を比べた場合、もっとも顕著でわかりやすい差が、「イベントの数」でした。
ヒロインかわいいを売りにして売れている作品は、ヒロインかわいいの数が多い。
笑えるギャグを売りにして売れている作品は、ギャグの数が多い。
バトル物に関しても、相手がどんな風に凄いのかを見せる「凄さ描写」の数が多い。
逆にアマチュア小説のほうは、ラブコメのわりに「ヒロインかわいい」のパートが少ない。
ギャグっぽいわりにギャグの数が少ない。
バトルをやる場合でも、相手の凄さがあまりしっかり描写されていなかったりとしました。
なので細かいどうこうよりも、まずは数! そして数! とにかく数でブルアァァァァァァァっ!
と考えています。
もちろん質も、重要ではあります。
ですが質とは主観的で、意識して高めることが難しい分野でもあります。
なので脇においています。
「読書はどれぐらいの頻度で読んでいますか? 月に何冊ぐらい」
小説という意味ではあんまり読んでいないんですよね……。
特にライトノベルとか、「ライトノベルを書いてみよう」と思ってみるまで一度も読んだことありませんでした(ぶっちゃけ)
まぁそれでかなり苦労したので、今は月に五冊ぐらい読んでいます。
漫画を入れると、月に四〇冊ぐらいになります。
ただし雑学の本とか名言集とか、そういう系は以前から読んでいました。
フランス語の慣用句辞典とかを読んだこともあります。
フランス語ではトイレの婉曲表現に、「王でも歩いて行くところ」、「王でもひとりで行くところ」なんて言葉を使うそうです。
「どんな本がお勧めですか?」
・書きたいジャンルの売れている本。
・ライトノベル作法研究所に置いてあるような、文庫本一冊分で完結しているアマチュア小説。
自分が読んだのはこのへんでした。
アマチュア小説の中にもよい作品はあり、プロの作品の中にもダメなものはあります。
しかし比率で言ってしまうと、やはりアマチュアのほうがダメなもの多いんですよね。
それも際立ってダメなものが多かったりするので、「これやっちゃイカンな」、「○○やるなら××なイベントがないとダメだな」というのが物凄くよくわかったりします。
上の質問で「数の重要性」について言いましたけど、それも色んなアマチュア小説を読んだ上での感想です。
しかしアマチュアの作品を見て「これやっちゃイカンな」と思っていたものが、実は売れている作品で使われていることもあります。
人に読ませることを考える場合、売り上げは絶対です。
「人に読ませるものを書くのなら、読者の目線になることが大事だ」
これはよく言われます。聞いたことがない人はいません。
でも思うわけです。
『読者』ってだれ?
同じ作品を読んでも、「おもしろい」と思う人がいれば何も思わない人がいて、不快に思う人もいます。
『読者』なんてくくりでひとつにできない概念なのに、言われる時は「読者目線」
あまりに意味がわかりません。
それでも整合性をつけるなら、「売上」になるわけです。
新刊のたびに一万部売れているシリーズであれば一万人。
新刊ごとに一万部売れているシリーズであれば一万人。
一〇万部売れているシリーズであれば、一〇万人。
三〇万部売れているシリーズであれば、三〇万の人が支持していることになります。
なろう風に言いますと、五万人がブックマークに入れている作品は、五万人が「継続して読みたい」と思っているわけですよ。
そういう事実を否定するのは、売上や評価をただの数字と考えて、その奥にいる『人』を見ていないのにも等しいわけです。
(というかそこで三〇万の人を否定するなら、「読者の目線とはなんなのか」となります)
こういうことを言いますと、反論してくる人もいます。
「○○さんが××をやっても大丈夫なのは、○○さんが天才だから。
素人は、××をやってはいけないんだよ」
これはわりと正しいと思うんですが、一方で思うわけです。
凡人だったらむしろ余計に、『天才のやり方』を学ぶべきじゃね?
というわけで、「売れている作品の××と、ダメと思った作品の××」の違いについて考えたりもします。
そこで違いが見つかるようなら、「××するには、△△すればいいのかな?」と新しい仮説を立てて、暫定的に使うことができます。
(逆に違いが見つからなければ、「吾輩の仮説は生ゴミであった」と叫び、立てた仮説をクラッシュさせます。座右の銘は、ビルド&クラッシュです)
「読書量は書く際の面白さに比例すると思いますか?」
一定の相関はあると思います。
まぁ本というより、漫画やアニメ、映画も含めたインプット全般ですが。
ドラゴンとかエルフ、ネコミミ娘や犬っ娘といった「ファンタジーのお約束」も、「外部で知った概念」です。
偉大なる先人様が発展させたものを、使わせていただいているわけです。
空気のように当たり前に使っているから気づかないだけで、多大に使っているわけです。
そういう事実を踏まえた上で、「インプットなんて関係ない」と言えるかと言えば、言えるはずがありません。
「面白いものを書くために必要な質って何が考えられますか?」
1、細かいことを考える必要がないほどの才能。
2、継続して小説を書ける能力。
3、自分ができていないことをやれている人のことは、素直にリスペクトできる謙虚さ。
1があれば1だけでよいのですが、ない場合は2と3であると思います。
当たり前と言えば当たり前のお話ですが、それはとても大切だから、「当たり前」と言われるわけです。
「デビュー後の今、デビュー前の自分にアドバイスするとしたら、どんなことを言いますか?」
1キロ200円のパスタは高級品だ!
業務用のスーパーに行けば、消費税を含めても5キロ850円で買える!!
「どんな環境で書いていますか?」
主に自宅や、スーパーの休憩所です。
冬になると外に出るのが億劫になるので、執筆ペースは若干落ちます。
「どうやってネタを考えているの?」
既存の創作物や雑学の知識からイベントを作り、キャラクターに任せます。
「物理さんで無双してたらモテモテになりました」で言いますと
「薬草を採取していたらすごいモンスターに出会う」というイベントの「すごいモンスター」に、実在しているアリやウミウシの生態を元にしたモンスターを入れたりしました。
最近では「武芸大会」というイベントを出して、それを消化してもらっています。
そういう意味では、まずキャラクターをしっかり立てることが何よりも重要であると思います。
なので肥前さんは、キャラクターについてのお話もほかの人に聞くとよいと思います(自分ではしたくない)
いやー、熱いコメントでした。
キャラは大切ですよね。
今後どの段階でアンケートを変えるべきか。悩みます。