Mission5 「魔法陣」
とある道の真ん中で、少年が立っていた。彼の名は東条学。
周りには、化け物に囲まれ絶体絶命。
だが、彼は囲まれていながら冷静だった。化け物たちに声をかける。
「……あんまり、見つめないでくれよ。諸君」
「キシャー」
「グゲゲゲゲ」
「ゲタゲタゲタゲタ」
……困った。非常にオレは困っている。
運動神経は、全く無い。鬼ごっこが始まり、メガネは紛失し、体力は限界になって追いつきそうになり
隠れて、一か八かで書いた魔法陣が効果を発揮して、今立っている魔法陣の上なら
奴らは、俺に触れることが出来ないし、危害を加えない。
それはつまり、オレがここから出られなくなった。
飢餓などで死ぬ以外、化け物と永遠に囲まれているしかないということだ。
魔女の道に入る予定は無かったはずだ。
魔女の道を見つけたら、写真を撮りオカルトブログに乗せて終わる予定だった。
オカルト部の人間は、運動神経がない奴らで有名だ。それで鬼ごっこなど自殺行為。
全員、道を見つけたら帰る予定だった。
……なのに、道を見つけたら何かに誘われるように俺たちは入っていってしまったのだ。
きっと、何か魔女の力で引き寄せられたのだろう。
……みんなは、大丈夫だろうか? 希望を残しておきたいところだが……大半は、死んでいるだろう。
ひなた君は、元陸上部で運動神経が良いから生きていると思うが……。
オレの家は、金持ちだから、きっと使用人を使い大規模な捜索をしていると思う。
姉さんは、あの性格に似合わずブラコンだ。
オレの言うことを信じて、魔女の道を見つけ、父親の趣味の日本刀を抱え乗り込んできているだろうな……。
……できれば、乗り込んでなければいいんだが。
こんな理不尽な鬼ごっこなんてないだろう?
そんなことを考えた後、無心になり、3体の化け物に見つめられて数分後。
仲良くなれないだろうか? と思い、学は化け物に声をかけてみる。
「……笑ってー?」
「キシャー」
「グゲゲゲゲ」
「ゲタゲタゲタゲタ」
「……諸君、そこは、いいともー! だろう?」
「キシャー」
「グゲゲゲゲ」
「ゲタゲタゲタゲタ」
「……はぁ……」
学は、大きくため息をついて、その場に座り込んだ。
この化け物たちと囲まれて精神的にキツイ。早くここから出たい。
……誰も、助けになんか来ないよなぁ……と思いつつ。