Mission1 「誘拐? それとも……」
へいよーぐっつすっす。(これ、一応挨拶です。)
英語は全くダメなくせに、タイトルをミッション1と書きました。
スペル合ってますよね? ぐーぐるさんで検索して書いたんですが…。
ひなたは走る。『何か』から逃げているのだ。
「はぁっはぁっはぁっ」
ひなたは、壁に隠れて荒れる息を必死で殺した。体はガタガタと震えている。
「……っ……」
ひなたを追いかけていた『何か』はどこかへ走っていった。
「はーっ……はーっ……。何なの……アレ……。怖い……怖いよ、夜斗ぉっ……」
ひなたは、ボロボロと涙を零して呟いた。
~夜斗視点~
「これだけ勉強すれば、明日のテストは大丈夫だな」
勉強机の前で、椅子に座ったまま、んーっと声を出し背伸びをする。
コンコン。ドアをノックする音がした。
「夜斗、ちょっといい?」
「いいけど?」
不安げな表情をした母さんが部屋に入ってきた。
「ひなたの帰りが遅いんだけれど……夜斗、何か知ってる?」
「友達と遊びに行くって言ってたよ」
「そう……。もう帰ってきてもおかしくないのだけれど……」
「あと1時間したら晩御飯でしょ? その頃には帰ってくるよ」
「そうね。お父さんが帰ってくる前には、いつも帰ってきてるものね。
晩御飯の支度するから、大根とじゃがいも買ってきてくれる?」
「えー、ひなたに頼んでよ」
「ひなた、いないんだもの。貴方が代わりにやりなさい。はい、お金」
「はーい」
嫌々財布を受け取った。
いつも買い物はひなたの仕事だ。
まったく後で風呂洗いしろって言ってやる。
☆★☆
買い物を終えて俺が帰ってきても、父さんが帰ってきて晩御飯が出来ても
ひなたは帰ってこない。時計は夜の9時を差している。
「おい! 夜斗! 友達って誰と遊びに行ったんだ!!」
「……オカルト部の人たちと……」
「まだオカルト部に入っていたのか! 人気の無い場所に行ったな?」
「……はい」
「大変……! ひなたに何かがあったら……!」
母さんがボロボロ涙をこぼしてパニックを起こしている。
「警察に捜索願を出す。それと、オカルト部を作った奴に電話するぞ。名前は?」
「東条学……」
警察に電話をかけて捜索願をしてから
「母さん、電話番号。それと、しっかりしろ。母親だろう」
「は、はい……。これです」
父さんは、東条の家に電話をかけた。
「もしもし? お宅の息子さんが……え? い、いや、いませんが……。
……お宅の息子さんも行方不明!? あ、はい。うちの娘も……。
……はい。……先生どうも。……そうですか。
わかりました。では、失礼します。」
「……父さん、東条も行方不明だったの?」
「ああ……。先生が東条の家に呼び出されててな。
少し話をしたんだが、オカルト部に入っている夜斗、お前以外が行方不明らしい」
それを聞いた瞬間、寒気がした。
俺以外が行方不明……。まさか……本当に魔女の道が……?
ひなたは……オカルト部のみんなは無事なのか?
ぴんぽーん。とチャイムがなった。
父さんが出た。
「はい、どちら様ですか?」
玄関の前に居たのは、スーツ姿の2人組。
怖い顔をした男と、爽やかな顔をした男だった。
「こういう者ですが、ちょっと中で宜しいですか?」
そう言って、手帳を見せる。……警察手帳だった。
「はい、どうぞ」
警察2人が、リビングに入って来た。母さんが紅茶を出す。
「どうも、ありがとうございます」
母さんに、お礼を言った爽やかな顔をした方の男は、手帳のメモを見ながら喋り始める。
「9人の行方不明者ということで、各家に通報があり全ての家に訪問して話を聞いておりました。
ですが、両親や兄弟は『どこへ行ったのか、わからない』とのことで、情報が不足しております。
唯一、オカルト部が共通の繋がりですので……」
警察が、俺を顔を見た。
「暁夜斗くん。君は、何か知っていますか?」
「……魔女の道……」
「は?」
「ひなたは……みんなは! 魔女の道に行くと言っていました! だから、みんな魔女に!」
「そうですか。東条のお姉さんも同じ事を仰っていましたが
まさか、夜斗くん、君までそんな狂言を……」
「違う! 狂言なんかじゃない!!」
「夜斗。黙ってなさい。」
父さんが言葉を遮るように低い声で言った。
悔しさを飲み込んで、黙り込んだ。
「すみません、息子が訳のわからんことを……。普段はこういうオカルトは信用しないんですがね」
「いえ、息子さんも相当ショックだったんでしょう。
信じてしまうことだってありますよ。ご両親は何かご存知ですか?」
「「いいえ……」」
「そうですか……。ここでも『わからない』と……。
では、私どもは全力で捜索しますのでご安心を。失礼します」
警察2人は帰って行く姿を玄関前まで見送り、扉が閉まった。
シン……と静まり返る重い空気の中、信じてくれない苛立ちを父さんにぶつけた。
「父さん!! どういうことだよ!? 信用してくれないのかよ!?」
「どういうことだ、は、こっちのセリフだ!! そんな非科学的な事は有り得ない!!」
大声で怒鳴りあい、襟元を掴もうとした瞬間──
「2人とも、止めなさい!」
母さんの叫び声が響いた。
「…………」
父さんは怒鳴るのを止め、リビングに向かって去って行く。
大方、キッチンの換気扇の下でタバコでも吸って頭を冷やすつもりなんだろう。
チッ、と思わず舌打ちをしつつ、母さんに向き合った。
「母さん……俺の事、信じてくれるよね……?」
「……夜斗、信じるわ。だから、とりあえず警察に任せましょう。ひなたは、きっと帰ってくるから」
疲れきった顔で、その場を収める為に言った言葉だと直ぐに理解した。
……信じてないじゃないか。警察が見つけられる訳がないだろ。
……いや、魔女の道なんて……きっと無いんだ……ひなたは、誘拐されたんだ……。
きっと警察が見つけてくれる……。
そうやって俺は現実逃避した。本当に、ダメな兄だった。
何か、納得のいかない展開です。ぐだぐだ感が…。
人生経験値がないからですね。わかります。
もっと表現とか上手ければなぁ…と思いつつ。
次回は魔女の道へ乗り込めー^^ の予定です。
ちなみに、夜斗とひなたの双子のイメージは
ボー○ロイドのあの2人だったりします。